講義名 中級ミクロ経済学Ⅱ ≪◇学部≫
講義開講時期 後期
曜日・時限 金3
単位数 2

担当教員
氏名
有馬 守康

学習目標(到達目標) この講義では,ミクロ経済学ⅠⅡの内容を一通り理解していることを前提に,本講義受講により,中級ミクロ経済学Ⅰのような論理的厳密性を引き継ぎ,受講生の皆さんがミクロ経済学Ⅱの中心テーマである市場機構の限界を明確に認識し,それを克服する手段をより綿密な理論を用いて説明できるようになる。
授業概要(教育目的) この講義では,ミクロ経済学Ⅱで学んだ図による表現を,数式によって置き換えることで,直感的理解から厳密な論理性をスムーズに身につけて行く。具体的には,ゲーム理論,不完全競争,不確実性と情報の非対称性,外部性と公共財の問題を取り扱う。なお,本講義では少なくとも高校レベルの微積分の理解と中級ミクロ経済学Ⅰの受講を前提として講義を組み立てるので,あらかじめ該当内容の復習・学習をしておくことが望ましい。
授業計画表
 
項目内容
第1回授業ガイダンス授業計画,授業方針の説明。中級ミクロ経済学Ⅱで学ぶ内容と対象を説明する。

【事前学習】2時間
教科書を準備し,あらかじめざっと全体を眺め,自分のレベルに照らして自分の知識水準で受講しうるか再確認すること。
【事後学習】2時間
講義での説明を判断材料とし,改めて自分の水準に合っているかを判断する。
第2回ゲーム理論の基礎①戦略型ゲームとナッシュ均衡について説明する。

【事前学習】2時間
前回の復習を行うとともに,教科書の該当箇所P.187~203まで目を通しておくこと。

【事後学習】2時間
講義で学んだ内容を復習し,次回に向けて分からないところがないように備える。
第3回ゲーム理論の基礎②展開型ゲームと部分ゲーム完全均衡について説明する。

【事前学習】2時間
前回の復習を行うとともに,教科書の該当箇所P.203~217まで目を通しておくこと。

【事後学習】2時間
講義で学んだ内容を復習し,次回に向けて分からないところがないように備える。
第4回ゲーム理論の基礎③繰り返しゲームとフォーク定理について説明する。

【事前学習】2時間
前回の復習を行うとともに,教科書の該当箇所P.219~223まで目を通しておくこと。

【事後学習】2時間
講義で学んだ内容を復習し,次回に向けて分からないところがないように備える。
第5回不完全競争①独占とその弊害,および規制について説明する。

【事前学習】2時間
前回の復習を行うとともに,教科書の該当箇所P.225~233まで目を通しておくこと。

【事後学習】2時間
講義で学んだ内容を復習し,次回に向けて分からないところがないように備える。
第6回不完全競争②クールノーゲームについて説明する。

【事前学習】2時間
前回の復習を行うとともに,教科書の該当箇所P.234~242まで目を通しておくこと。

【事後学習】2時間
講義で学んだ内容を復習し,次回に向けて分からないところがないように備える。
第7回不完全競争③シュタッケルベルクゲームについて説明する。

【事前学習】2時間
前回の復習を行うとともに,教科書の該当箇所P.242~248まで目を通しておくこと。

【事後学習】2時間
講義で学んだ内容を復習し,次回に向けて分からないところがないように備える。
第8回不完全競争④ベルトランゲームについて説明する。

【事前学習】2時間
前回の復習を行うとともに,教科書の該当箇所P.249~255まで目を通しておくこと。

【事後学習】2時間
講義で学んだ内容を復習し,次回に向けて分からないところがないように備える。
第9回不確実性と情報の非対称性①期待効用理論について説明する。

【事前学習】2時間
前回の復習を行うとともに,教科書の該当箇所P.259~272まで目を通しておくこと。

【事後学習】2時間
講義で学んだ内容を復習し,次回に向けて分からないところがないように備える。
第10回不確実性と情報の非対称性②情報の非対称性:逆選択について説明する。

【事前学習】2時間
前回の復習を行うとともに,教科書の該当箇所P.272~282まで目を通しておくこと。

【事後学習】2時間
講義で学んだ内容を復習し,次回に向けて分からないところがないように備える。
第11回不確実性と情報の非対称性③情報の非対称性:モラルハザードについて説明する。

【事前学習】2時間
前回の復習を行うとともに,教科書の該当箇所P.282~288まで目を通しておくこと。

【事後学習】2時間
講義で学んだ内容を復習し,次回に向けて分からないところがないように備える。
第12回外部性と公共財①外部性について説明する。

【事前学習】2時間
前回の復習を行うとともに,教科書の該当箇所P.307~326まで目を通しておくこと。

【事後学習】2時間
講義で学んだ内容を復習し,次回に向けて分からないところがないように備える。
第13回外部性と公共財②公共財について説明する。

【事前学習】2時間
前回の復習を行うとともに,教科書の該当箇所P.327~344まで目を通しておくこと。

【事後学習】2時間
講義で学んだ内容を復習し,次回に向けて分からないところがないように備える。
第14回理解度の確認半期の要点のまとめと,翌週の試験準備を行う。

【事前学習】2時間
それまでのプリント等を見返し,分らないところをチェックし授業に臨む。

【事後学習】2時間
翌週の試験のために,知識と論理の定着を心掛ける。
第15回確認試験および解説確認試験を行うとともに,その後に解説を行う。
授業形式 講義形式と発表形式を併用します。
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 授業への
参画度
その他 合計
60% 0% 20% 20% 0% 100%
評価の特記事項 少人数が予想されますので、極力双方向的講義を目指しています。講義での積極的な発言等の貢献には加点致します。
テキスト 奥野正寛編著『ミクロ経済学』東京大学出版会,3500円+税
参考文献 奥野正寛編『ミクロ経済学演習』東京大学出版会,
神取道宏『ミクロ経済学の力』日本評論社,
西村和雄『ミクロ経済学』東洋経済新報社,
奥野正寛・鈴村興太郎『ミクロ経済学Ⅰ・Ⅱ』岩波書店,
尾山大輔・安田洋祐編『経済学で出る数学』日本評論社など
オフィスアワー(授業相談) 金曜日6時限8号館5階研究室にて。それ以外の時間に関しては事前にアポイントを取って下さい。
事前学習の内容など,学生へのメッセージ ミクロ経済学は抽象的で難しい科目と思われがちですが,『様々な制約下での最適化行動』を分析する学問ですので,実は身近で我々の日常の行動を論理的に説明しているに過ぎません。理論を現実に当てはめながら理解すればこれほど明快で役に立つ学問も他にはないでしょう。
ミクロ経済学は積み重ねの学問で,以前に学んだ内容を理解していないと先へ進めません。特に中級では数学的論理性が今まで以上に求められます。その分しっかり毎週予習復習をし,分からないところは私や友人等に聞いて着実に理解していけば,先へ進むほど面白さが分かってきます。
経済学的思考を身につけ,今後の人生で夢を叶えるための知恵を身につけて下さい。