回 | 項目 | 内容 |
第1回 | イントロダクション | 講義の内容,講義の形式,評価方法,履修上の注意点について説明する。
【事前学習】2時間
マクロ経済学の教科書の目次等を見返して,これまで学習したことや理解が不十分なところなどを確認する。
【事後学習】2時間
今後の自分としての勉強の進め方を考える。 |
第2回 | 経済成長とマクロ経済政策(1) 貯蓄と投資の役割 | 経済成長論の基本的なモデルを解説するとともに,経済成長における貯蓄と投資の役割を考察する。さらに,動学的非効率の議論を紹介する。
【事前学習】2時間
マクロ経済学の教科書でソロー・モデルにおける貯蓄の役割を確認する(例えば,Mankiw, chap.7)。
【事後学習】2時間
授業内容を良く復習し,さらに,貯蓄や投資を促進する政策の有効性や問題点を整理してみる。 |
第3回 | 経済成長とマクロ経済政策(2) 人口動態と経済成長 | 日本が直面している人口動態の変化が経済成長にどのような影響を与えるかについて,基本モデルや内生的成長モデルも踏まえて解説する。
【事前学習】2時間
マクロ経済学の教科書でソロー・モデルにおける人口成長率の役割を確認する(例えば,Mankiw, chap.7)。【事後学習】2時間
授業内容を良く復習し,さらに,人口動態の変化に対する政策の有効性や問題点を整理してみる。 |
第4回 | 経済成長とマクロ経済政策(3) 生産性と経済成長 | 生産性と経済成長の関係を成長会計を紹介しつつ説明し,生産性の停滞の要因と政策的対応を解説する。
【事前学習】2時間
マクロ経済学の教科書で成長会計について確認する(例えば,Mankiw, chap.8)。
【事後学習】2時間
授業内容を良く復習し,さらに,生産性を改善するための政策の有効性や問題点を整理してみる。 |
第5回 | 価格の伸縮性とマクロ経済政策 | 長期の価格が伸縮的な古典派経済学におけるマクロ経済政策を説明する。また,古典派的な経常収支の決定理論(ISバランス論)も紹介し,人口動態が変化する時の経常収支の考え方を解説する。
【事前学習】2時間
マクロ経済学の教科書で長期の価格が伸縮的な古典派モデルを確認する(例えば,Mankiw, chaps.3&5)。
【事後学習】2時間
授業内容を良く復習し,さらに,価格が伸縮的な場合のマクロ経済政策の役割の有無を整理してみる。 |
第6回 | 価格の硬直性とマクロ経済政策(1) | この回以降、短期の価格が伸縮的なケインズ経済学におけるマクロ経済政策を解説する。最初に,基本的なIS-LMモデルを説明する。
【事前学習】2時間
マクロ経済学の教科書でIS-LMモデルを確認する(例えば,Mankiw, chap.10)。
【事後学習】2時間
授業内容を良く復習し,さらに,賃金・価格が硬直的伸縮的な場合に財政・金融政策が生産に影響を与えるメカニズムを整理してみる。 |
第7回 | 価格の硬直性とマクロ経済政策(2)弾力性の役割 | 投資や貨幣需要の利子率弾力性の役割を解説し,経済状況に応じた財政・金融政策の選択について説明する。
【事前学習】2時間
マクロ経済学の教科書でIS-LMモデルを確認する(例えば,Mankiw, chap.10)。
【事後学習】2時間
授業内容を良く復習し,さらに,弾力性に応じたマクロ経済政策のあり方について整理してみる。 |
第8回 | 価格の硬直性とマクロ経済政策(3)金融市場と金融政策その1 | 金融政策の実際について,金融市場や政策決定過程を踏まえて解説する。
【事前学習】2時間
マクロ経済学の教科書で貨幣市場や金融システムの役割を確認する(例えば,Mankiw, chaps.4&19)。
【事後学習】2時間
授業内容を良く復習し,金融政策が金融市場を通じて実施されるメカニズムを正確に理解する。 |
第9回 | 価格の硬直性とマクロ経済政策(4)金融市場と金融政策その2 | ゼロ金利制約など金融政策の実施上の障害と,それに対する非伝統的金融政策の経験を紹介する。
【事前学習】2時間
マクロ経済学の教科書等でIS-LMモデルを現実の不況などに適用したケース・スタディを見てみる(例えば,Mankiw, chap.11, section 3)。
【事後学習】2時間
授業内容を良く復習し,さらに,非伝統的な金融政策のロジックと実際の効果について整理してみる。 |
第10回 | 価格の硬直性とマクロ経済政策(5)金融市場と金融政策その3 | 金融政策が金融市場の相互作用が顕著な事例として,金融緩和とバブル,政府債務の清算(liquidation)や金融抑圧,欧州政府債務問題などについて解説する。
【事前学習】2時間
マクロ経済学の教科書等で政府債務の累積と利子率の歴史的事例を扱っている箇所に目を通す(例えば,Mankiw, chap.3, section 4, Case Study)。
【事後学習】2時間
授業内容を良く復習し,さらに,バブルや政府債務問題などの歴史的事例を取り上げて,金融政策が果たした役割を検討してみる。 |
第11回 | 価格の硬直性とマクロ経済政策(6)金融政策の目標 | 経済成長とインフレとのトレード=オフに直面して,金融政策がどのように政策目標を設定するのかを説明する。
【事前学習】2時間
マクロ経済学の教科書で短期フィリップス曲線を確認する(例えば,Mankiw, chap.13)。
【事後学習】2時間
授業内容を良く復習し,さらに,現実の金融政策が最適な形で実施されているか考えてみる。 |
第12回 | 価格の硬直性とマクロ経済政策(7)マクロ経済政策の適切性の基準 | ニューケインジアン・モデルのような経済主体の最適化行動を採り入れた理論を通じて,マクロ経済政策が経済全体の厚生水準を高めるという視点を解説する。
【事前学習】2時間
マクロ経済学の教科書でニューケインジアン・モデルを見てみる(例えば,齋藤等,第8章)。
【事後学習】2時間
授業内容を良く復習し,さらに,ミクロ経済学的な視点を導入することのメリットについて考えてみる。 |
第13回 | 開放経済とマクロ経済政策 | 開放経済におけるマクロ経済政策の効果をマンデル=フレミング・モデルによって解説する。
【事前学習】2時間
マクロ経済学の教科書でIS-LMモデルを開放経済へ拡張した場合の財政・金融政策の効果を確認する(例えば,Mankiw, chap.12)。
【事後学習】2時間
授業内容を良く復習し,さらに,開放経済において財政・金融政策が利子率や為替レート,生産に及ぼす影響がこの理論によって説明できる考えてみる。 |
第14回 | 信用秩序の維持とプルーデンシャル規制 | 金融政策のもう一つの重要な目標である信用秩序の維持について,銀行の慎重な行動を要求するプルーデンシャル規制を中心にして解説する。
【事前学習】2時間
公共経済学の教科書等でインセンティブ規制を扱っている箇所に目を通す(例えば,Tirole, chap.11)。
【事後学習】2時間
授業内容を良く復習し,さらに,金融政策を実施する上で、信用秩序の維持をどのように考慮に入れることが望ましいかについて考えてみる。 |
第15回 | 確認試験と解説 | 授業を通して学んだことの確認試験と解説を行う。
【事前学習】4時間
これまでの講義の要点を復習する。
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