講義名 経済特殊講義Ⅰ(行動経済学) ≪◇学部≫
講義開講時期 後期
曜日・時限 月5
単位数 2

担当教員
氏名
大橋 賢裕

学習目標(到達目標) 1. 行動経済学の基本概念(ヒューリスティックス,バイアス,プロスペクト理論,ナッジなど)に触れ,それらを理解する.
2. 伝統的な経済学との違いを理解する.
3. 学んだ知識を現実生活に応用できるようになる.
授業概要(教育目的) 本講義は,行動経済学の基本的なテーマを扱う.
講義内容は,伝統的な経済学とは異なり,心理学に近い内容も含む.ある現象に対する説明として,行動経済学でしか説明できていないものもあれば,伝統的経済学の枠組みで説明できるものもある.余力があればこうした結論の定まらないテーマに関しても講義を行いたい.
また,行動経済学は経済実験とも関連が深いため,授業中に実験を行う予定である. 授業終了時には行動経済学をより身近な存在として感じられるようになることを目標とする.
授業計画表
 
項目内容
第1回行動経済学とは何か行動経済学とはどのようなものかについて,講義を行う。今回取り上げる内容は講義全体で扱うテーマの紹介になる。
【事前学習】2時間。EcoLinkの資料を参照。
【事後学習】2時間。授業の復習。
第2回ヒューリスティックス人の思考は系統的な誤りをする傾向があることを解説する。この事実を踏まえた上で,行動経済学における意思決定の考え方について講義する。
【事前学習】2時間。EcoLinkの資料を参照。
【事後学習】2時間。指定書籍該当箇所を読む。
第3回時間選好(1/2)「今日1000円もらうか10日後1100円もらうか,どちらを選ぶ?」こういった質問に対して,伝統的経済学の模範解答と,多くの人間の回答は異なることが知られている。今回と次回でこのアノマリーについて講義を行う。
【事前学習】2時間。EcoLinkの資料を参照。
【事後学習】2時間。授業の復習。
第4回時間選好(2/2)時間選好について,伝統的経済学と行動経済学,それぞれの理論を説明する。
【事前学習】2時間。前回の授業の復習。
【事後学習】2時間。授業の復習。
第5回プロスペクト理論(1/3)不確実性下での意思決定について,伝統的経済学の理論である期待効用理論を解説する。
【事前学習】2時間。ミクロ経済学の「期待効用」の予習または復習。
【事後学習】2時間。授業の復習。
第6回プロスペクト理論(2/3)期待効用理論では説明のできない選択行動とプロスペクト理論について解説する。
【事前学習】2時間。前回の授業の復習。
【事後学習】2時間。授業の復習。
第7回プロスペクト理論(3/3)期待効用理論のアノマリーを説明する諸理論について解説する。
【事前学習】2時間。前回の授業の復習。
【事後学習】2時間。指定書籍該当箇所と授業配付資料を読む。
第8回社会的選好(1/2)利己性・利他性に関係するいくつかの実験を行う。
【事前学習】2時間。EcoLinkの資料を参照。
【事後学習】2時間。授業の復習。
第9回社会的選好(2/2)前回の実験を踏まえ,利他的な選好についての解説を行う。
【事前学習】2時間。前回授業の復習。
【事後学習】2時間。授業の復習。
第10回お金と経済心理(1/2)伝統的経済学が教えるサンクコストと行動経済学の仮説メンタルアカウンティングについて解説を行う。
【事前学習】2時間。EcoLinkの資料を参照。
【事後学習】2時間。授業の復習。
第11回お金と経済心理(2/2)お金の使い方が支払方法や入手方法によって変わるという事象について講義を行う。
【事前学習】2時間。前回授業の復習。
【事後学習】2時間。授業の復習。
第12回行動ファイナンス(1/2)金融市場の値動きを説明する伝統的経済学の理論を講義する。
【事前学習】2時間。ファイナンス理論を習っていれば効率市場仮説周辺を復習。
【事後学習】2時間。授業の復習。
第13回行動ファイナンス(2/2)金融市場の値動きを説明する行動経済学の理論を講義する。
【事前学習】2時間。前回授業の復習。
【事後学習】2時間。授業の復習。
第14回幸福の経済学GDPに変わる豊かさの指標としての幸福度について講義をする。
【事前学習】2時間。EcoLinkの資料を参照。
【事後学習】2時間。授業の復習。
第15回実世界における行動経済学行動経済学の知見を政策や身近な経営戦略に応用した事例を紹介する。
【事前学習】2時間。EcoLinkの資料を参照。
【事後学習】2時間。授業の復習。
授業形式 講義形式。ただし実験を行う場合がある。
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 授業への
参画度
その他 合計
0% 50% 0% 50% 0% 100%
評価の特記事項 レポートと授業時の態度で決める。
不真面目と見なした学生には永久退室を命じる。
レポートは体裁を重視する。軽く考えないように。読みにくいだけで減点する。酷いものは読まないので単位は得られない。
テキスト 特になし。
参考文献 ・筒井義郎,他,『行動経済学入門』,東洋経済新報社,2017年,2,400円(税抜).
・カーネマン,『ファスト&スロー(上下)』,早川書房,2014年,各840円(税抜).
・真壁昭夫,『行動経済学見るだけノート』,宝島社,2018年,1,200円(税抜).
(あとは授業中に指示する。)
オフィスアワー(授業相談) 月曜日10:00~11:00。事前に授業後またはメールでアポをとること。なお,メールアドレスは,授業時に指示する。
事前学習の内容など,学生へのメッセージ ・人間の心理に関心のある人や,心理学を履修した人の受講を歓迎します。
・伝統的な経済学(ミクロ経済学,マクロ経済学)と異なる点を見つけることを意識してください。
・参考文献については,立ち読みするなどして,気に入ったものだけ購入するのが良いと思います。
・レポートの出来は成績に大きく影響します。決して「提出したから単位はもらえる」と考えないで下さい。いいかげんなレポートは容赦なく不可とします。A4タテ1枚両面可の分量を予定しています。手書きでなくとも構いません。内容はこちらで指示します。
授業用URL https://www.wcl.eco.nihon-u.ac.jp/