講義名 人工知能論 ≪◇学部≫
講義開講時期 通年
曜日・時限 火3
単位数 4

担当教員
氏名
新田 義彦

学習目標(到達目標)  人工知能の考え方そしてその技術は,今日の社会システムのすべてに適用されている.換言すれば人工知能のサポートなしでは現代社会は機能しない,と言っても過言ではない. 
 人工知能の原理と応用について,一種の生活知識として習得することを目標とする.身の回りにある人工知能の例を見つけ出して,そのメカニズムについて自分なりの説明ができるようになれば目標に到達したと判断してよい.
 人工知能は万能ではない.さまざまな限界と弱点を抱えている.人工知能と人間(自然知能)との連携の望ましい姿についても学習する.
授業概要(教育目的)  人間の知能の構造と機能を,計算機プログラムの構造と機能との対比により分析する.分析により得られた知見を基礎として,機械翻訳,質問応答,情報検索,文章作成,自動操縦などのアプリケーションの動作を概観する.仮想現実感,ロボット,スーパーコンピュータ,クラウド・コンピューティング,深い学習,猫の顔識別,巨大データとそのマイニング,技術的特異点(Singularity),汎用人工知能(General Problem Solver)など,最近の話題にも言及する.
授業計画表
 
項目内容
第1回人工知能の歴史(1)
1945~1960年代における人工知能の概要と展開を講義する.
【準備学習】
人工知能について自分なりの考え方をまとめておくこと.講義ノートを1冊作るとよい.ノートは毎回の受講時に持参すること.
第2回人工知能の歴史(2)
1970~1990年代における人工知能の概要と展開を講義する.
【準備学習】
講義ノートを読み返しながら,前回の講義内容をよく復習すること.
第3回人工知能の歴史(3)2000年代~現在 特に時代のキーワードなってしまった感のある,深い学習(Deep Learning)大規模データベース(Big Gata),知識発掘(Knowledge Mining)について概要を講義する.
【準備学習】
講義ノートを読み返しながら,前回の講義内容をよく復習すること.特に初期の人工知能と現代の人工知能との違いについて考えておくこと.
第4回問題解決の技法(1)人工知能は問題をどのように定式化するのか.そしてどのようにして解こうとするのか.解空間の探索(1)
【準備学習】
講義ノートを読み返しながら,前回までの講義内容をよく復習すること.特に現代の人工知能の威力についてよく考えておくこと.
第5回問題解決の技法(2)人工知能は問題をどのように定式化するのか.そしてどのようにして解こうとするのか。(2)
【準備学習】
講義ノートを読み返しながら,前回の講義内容をよく復習すること.特に解空間の概念についてよく理解しておくこと.
第6回問題解決の技法(3)人工知能は問題をどのように定式化するのか。そしてどのようにして解こうとするのか。ニューラル・ネットワークと深い学習(3)
【準備学習】
講義ノートを読み返しながら,前回の講義内容をよく復習すること.特に「問題の定式化」の概念についてよく理解しておくこと.
第7回探索技法(1)状態空間とその上の探索方法,網羅探索,枝刈り探索(1)
【準備学習】
講義ノートを読み返しながら,前回の講義内容をよく復習すること.特にニューラル・ネットワークの概念についてよく理解しておくこと.
第8回探索技法(2)状態空間とその上の探索方法,αβ探索 チェスと将棋(2)
【準備学習】
講義ノートを読み返しながら,前回の講義内容をよく復習すること.特に網羅探索と枝刈り探索の概念についてよく理解しておくこと.
第9回知識表現(1)人工知能は知識をどのように扱うのか,集中一括管理型の知識,暗号とセキュリティ(1)
【準備学習】
講義ノートを読み返しながら,前回の講義内容をよく復習すること.特にαβ探索の概念についてよく理解しておくこと.
第10回知識表現(2)人工知能は知識をどのように扱うのか,ネットワーク上の分散知識,公開鍵暗号,量子暗号(2)
【準備学習】
講義ノートを読み返しながら,前回の講義内容をよく復習すること.特に暗号概念についてよく理解しておくこと.
第11回論理とプログラミング(1)
人工知能は論理をどのように扱うのか、そしてそれをどのようにプログラム処理するのか,命題論理,否定の論理,矛盾(1)
[準備学習】
講義ノートを読み返しながら,前回の講義内容をよく復習すること.特に公開鍵暗号の概念についてよく理解しておくこと.
第12回論理とプログラミング(2)
人工知能は論理をどのように扱うのか、そしてそれをどのようにプログラム処理するのか,述語論理,推論エンジン(2)
[準備学習】
講義ノートを読み返しながら,前回の講義内容をよく復習すること.特に命題論理と否定の論理の概念についてよく理解しておくこと.
第13回論理とプログラミング(3)
人工知能は論理をどのように扱うのか、そしてそれをどのようにプログラム処理するのか,人工知能による推論の限界(3)
[準備学習】
講義ノートを読み返しながら,前回の講義内容をよく復習すること.特に述語論理の概念についてよく理解しておくこと.
第14回課題のレポート提出修得知識をレポートとしてまとめる
[準備学習】
蓄積した講義ノートを読み返しながら,これまでの講義内容をよく整理して復習すること.レポートは1つのテーマに絞ってまとめるとよい.たとえば「人工知能は実際の問題をどのように簡略化.定式化してプログラムに取り込むのか」など.習得知識の羅列は意味がない.
第15回中間のまとめまとめと前期末試験
[準備学習】
蓄積した講義ノートを読み返しながら,これまでの講義内容をよく整理して復習して試験に臨むこと.
第16回推論と学習(1) 様々な推論形式と機械学習(1)
[準備学習】
蓄積した講義ノートを読み返しながら,これまでの講義内容をよく整理して復習しておくこと.
第17回推論と学習(2)様々な推論形式と機械学習(2)
[準備学習】
講義ノートを読み返しながら,前回の講義内容をよく復習すること.特に推論形式と機械学習の概念についてよく理解しておくこと.
第18回推論と学習(3)様々な推論形式と機械学習(3)
[準備学習】
講義ノートを読み返しながら,前回の講義内容をよく復習すること.特に推論形式と機械学習の概念についてよく理解しておくこと.
第19回自然言語の構造(1)構文と意味のモデル(1)
[準備学習】
講義ノートを読み返しながら,前回の講義内容をよく復習すること.特に推論形式と機械学習の概念についてよく理解しておくこと.
第20回自然言語の構造(2)構文と意味のモデル(2)
[準備学習】
講義ノートを読み返しながら,前回の講義内容をよく復習すること.特に「構文とは何か」について自分なりの言葉で説明できるようにしておくこと.
第21回自然言語処理(1)構文解析と文生成(1)
[準備学習】
講義ノートを読み返しながら,前回の講義内容をよく復習すること.特に「意味モデルとは何か」について自分なりの言葉で説明できるようにしておくこと.
第22回自然言語処理(2)構文解析と文生成(2)
[準備学習】
講義ノートを読み返しながら,前回の講義内容をよく復習すること.特に「文生成の難しさは何処にあるのか」について自分なりの言葉で説明できるようにしておくこと.
第23回機械翻訳と質問応答(1)機械翻訳の原理、質問応答のメカニズム、そして実際応用(1)
[準備学習】
講義ノートを読み返しながら,前回の講義内容をよく復習すること.特に「文生成をコンピュータにやらせる必要性」について自分なりの言葉で説明できるようにしておくこと.
第24回機械翻訳と質問応答(2)機械翻訳の原理、質問応答のメカニズム、そして実際応用(2)
[準備学習】
講義ノートを読み返しながら,前回の講義内容をよく復習すること.特に「翻訳をコンピュータにやらせる必要性」について説明できるようにしておくこと.
第25回仮想現実感、ロボット、インターネット上の知能(1)左記の具体例(1)
[準備学習】
講義ノートを読み返しながら,前回の講義内容をよく復習すること.特に「インターネット上の機械翻訳」を利用してみること.
第26回仮想現実感、ロボット、インターネット上の知能(2)左記の具体例(2)
[準備学習】
講義ノートを読み返しながら,前回の講義内容をよく復習すること.特に「仮想現実感」について自分なりの言葉で説明できるようにしておくこと.
第27回仮想現実感、ロボット、インターネット上の知能(3)左記の具体例(3)
[準備学習】
講義ノートを読み返しながら,前回の講義内容をよく復習すること.特に「ロボット」について自分なりの言葉で説明できるようにしておくこと.
第28回課題のレポート提出(1)レポートへのコメント(1)
[準備学習】
これまでの講義ノートを読み返しながら,要点をまとめておくこと.課題は前前回及び前回の講義時に示した.
第29回課題のレポート提出(2)レポートへのコメント(2)
[準備学習】
これまでの講義ノートを読み返しながら,要点をまとめておくこと.課題は前前前回及び前前回の講義時に示した.
第30回まとめ第16回以降のまとめ および年度末試験の準備
[準備学習】
これまでの講義ノートを読み返しながら,要点をきちんとまとめておくこと.ノートの欠落部は友人にノートを見せてもらうなどして補足しておくこと.講義時に質問してもよい.簡潔なレビユーを行う.
授業形式 前期
第1~3回.人工知能の歴史
第4~6回.問題解決の技法
第7~8回.探索技法
第9~10回.知識表現
第11~13回.論理とプログラミング
第14~15回.課題のレポート提出と前期末試験
後期
第1~3回.推論と学習
第4~5回.自然言語の構造(構文と意味のモデル)
第6~7回.自然言語処理(構文解析と文生成)
第8~9回.機械翻訳と質問応答
第10~13回.仮想現実感,ロボット、インターネット上の知能
第14~15回.課題のレポート提出と前期末試験
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 授業への
参画度
その他 合計
30% 20% 30% 20% 0% 100%
評価の特記事項 年度末に実施する最終テストおよび最終レポートを重視する.受験とレポート提出を厳守してください.
テキスト 特に使用しない.テキストに相当する内容はプリントとして配付する.
参考文献 特に使用しない.必要がある場合はプリントとして配付する.
オフィスアワー(授業相談) 毎週 火曜 金曜
  11:00 ~ 19:30
講義前あるいは終了後,講師室前で小生をつかまえて相談してください. 
事前学習の内容など,学生へのメッセージ 人間の知能とは何か,そしてその仕組みはどうなっているのか、という素朴な疑問を出発点として,最先端の計算機システム技術や情報理論の高みに登る試みを,皆さんと共にやりたいと思っている.
単位のことはあまり考えずに,楽しく受講し一生懸命考えてください.
得るものは大きいはずである.