講義名 租税法 ≪◇学部≫
講義開講時期 通年
曜日・時限 水3
単位数 4

担当教員
氏名
橘 光伸

学習目標(到達目標) 1 租税の意義・種類・体系など社会人として必要な税の基礎知識を習得できる。
2 主な税目について,計算の仕組み,申告・納付等の概要を理解し,実社会で税務問題に対応する一般的な力を身につけることができる。
3 税法の立法趣旨を理解するとともに,税制改正をはじめとする税の話題を理解し情報として活かすことができる。
授業概要(教育目的)  どのような仕事に就くにしても税金の問題はついて回り,租税及び税務についての基礎知識は社会人として必要な知識の一つである。
 本講義では,教員が元国税庁職員として税務行政に携わった経験を踏まえ,主な税目の概要及び税務手続の流れ等,租税の諸側面をできるだけ広範に取り上げて解説することにより,受講者が租税法及び税務行政の全体像を把握するとともに,実社会において税務問題に的確に対応できるような一般的な力を身につけさせることを目的とする。
 経済学部生にも知っておいてもらいたい裁判例や税制改正に関する議論も取り上げ,新聞等で報道される税の話題を理解し情報として活かせるようにすることもねらいとする。
授業計画表
 
項目内容
第1回ガイダンス
租税の意義
講義の進め方等について説明する。また,租税法学習の導入として,租税の意義等について説明する。
【事前学習】2時間
テキストの第1章を読んでおくこと。
【事後学習】2時間
授業で説明した内容を復習し理解すること。
第2回わが国の租税体系,税務行政システム日本の租税の体系(分類)及び税務行政機関について説明する。
【事前学習】2時間
テキスト第10章のⅠを読んでおくこと。
【事後学習】2時間
授業で説明した内容を復習し理解すること。
第3回租税法の基礎租税法の基本原則(租税法律主義,租税公平主義等)について説明する。
【事前学習】2時間
テキストの第2章を読んでおくこと。
【事後学習】2時間
主な租税原則について復習し理解すること。
第4回所得税法①所得税の基本の仕組み,所得概念等について説明する。
【事前学習】2時間
テキスト第3章のⅠ~Ⅳを読んでおくこと。
【事後学習】2時間
授業で説明した内容を復習し理解すること。
第5回所得税法②所得区分の概要と利子所得・配当所得・事業所得・不動産所得について説明する。
【事前学習】2時間
テキスト代3章のⅤを読んでおくこと。
【事後学習】2時間
授業で説明した各種所得について復習し理解すること。
第6回所得税法③給与所得・退職所得・山林所得・譲渡所得・一時所得・雑所得について説明する。
【事前学習】2時間
テキスト代3章のⅤを読んでおくこと。
【事後学習】2時間
授業で説明した各種所得について復習し理解すること。
第7回所得税法④所得税における収入金額と必要経費について説明する。
【事前学習】2時間
テキスト第3章のⅥ~Ⅶを読んでおくこと。
【事後学習】2時間
授業で説明した内容を復習し理解すること。
第8回所得税法⑤所得税における損失の取扱い及び各種所得控除の概要について説明する。
【事前学習】2時間
テキスト第3章のⅧ~Ⅸを読んでおくこと。
【事後学習】2時間
授業で説明した内容を復習し理解すること。
第9回所得税法⑥所得税の税額計算及び申告について説明する。また,確定申告書の作成方法について説明する。
【事前学習】2時間
テキスト第3章のⅩ~Ⅺを読んでおくこと。
【事後学習】2時間
授業で説明した内容を復習し、基本的な所得税の計算及び申告書の作成方法を理解すること。
第10回源泉徴収制度所得税の源泉徴収制度について説明する。
【事前学習】2時間
別途資料を配布する予定。
【事後学習】2時間
源泉徴収制度の概要について復習し理解すること。
第11回消費税法①消費税法の概要について説明する。
【事前学習】2時間
テキスト第6章のⅠ~Ⅲを読んでおくこと。
【事後学習】2時間
消費税の基本的な仕組みについて復習し理解すること。
第12回消費税法②
消費税の税額計算,軽減税率制度等について説明する。
【事前学習】2時間
テキスト第6章のⅣ~Ⅷを読んでおくこと。
【事後学習】2時間
授業で説明した内容を復習し理解すること。
第13回間接諸税・酒税間接税の仕組み及び消費税以外の主な間接税について説明する。
【事前学習】2時間
別途資料を配布する予定。
【事後学習】2時間
授業及び配布資料の内容を復習し理解すること。
第14回近現代日本の税制史明治以降の日本の税制の変遷について説明する。
【事前学習】2時間
別途資料を配布する予定。
【事後学習】2時間
近代~現代の日本と税の関わりについて考えてみること。
第15回中間のまとめ及び小テスト第1回から14回までの講義内容をまとめるとともに,確認のための試験を行う。
【事前学習】2時間以上(各自の理解度に応じ)
これまでの講義内容を復習しておくこと。
【事後学習】2時間
小テストの内容を復習し理解すること。
第16回相続税法①相続税の概要について説明する。
【事前学習】2時間
テキスト第5章のⅠを読んでおくこと。
【事後学習】2時間
相続税の基本的な内容を復習し理解すること。
第17回相続税法②贈与税及び財産評価の概要について説明する。
【事前学習】2時間
テキスト第5章のⅡ~Ⅲを読んでおくこと。
【事後学習】2時間
授業で説明した内容を復習し理解すること。
第18回法人税法①法人税法の概要について説明する。
【事前学習】2時間
テキスト第4章のⅠ~Ⅳを読んでおくこと。
【事後学習】2時間
授業で説明した内容を復習し理解すること。
第19回法人税法②法人税の益金等について説明する。
【事前学習】2時間
テキスト第4章のⅤ~Ⅵを読んでおくこと。
【事後学習】2時間
授業で説明した内容を復習し理解すること。
第20回法人税法③法人税の損金について説明する。
【事前学習】2時間
テキスト第4章のⅦ~Ⅺを読んでおくこと。
【事後学習】2時間
授業で説明した内容を復習し理解すること。
第21回法人税法④法人税の税額計算・申告及び連結納税制度の概要について説明する。
【事前学習】2時間
テキスト第4章のⅫを読んでおくこと。
【事後学習】2時間
授業で説明した内容を復習し理解すること。
第22回国際課税①国際課税に関する制度の概要について説明する。
【事前学習】2時間
テキスト第7章のⅠ~Ⅳを読んでおくこと。
【事後学習】2時間
授業で説明した内容を復習し理解すること。
第23回国際課税②国際的な租税回避行為を防止するための諸制度について説明する。
【事前学習】2時間
テキスト第7章のⅤ~Ⅷを読んでおくこと。
【事後学習】2時間
授業で説明した内容を復習し理解すること。
第24回地方税主な地方税(住民税・事業税・固定資産税等)の概要について説明する。
【事前学習】2時間
別途資料を配布する予定。
【事後学習】2時間
地方税の主な税目の概要を復習し理解すること。
第25回申告・納付納税者自身による税額確定及び納付の手続きについて説明する。
【事前学習】2時間
テキストの第9章を読んでおくこと。
【事後学習】2時間
授業で説明した内容を復習し理解すること。
第26回調査手続
更正・決定
税務行政当局による税務調査及び税額修正手続きについて説明する。
【事前学習】2時間
別途資料を配布する予定。
【事後学習】2時間
授業及び配布資料の内容を復習し理解すること。
第27回滞納整理
附帯税
租税徴収手続き及び附帯税(加算税等)について説明する。
【事前学習】2時間
別途資料を配布する予定。
【事後学習】2時間
授業及び配布資料の内容を復習し理解すること。
第28回租税争訟制度
納税環境整備
課税処分に不服がある場合の手続きについて説明する。
また、納税環境に関連する諸制度(マイナンバー制度・税理士制度等)について説明する。
【事前学習】2時間
テキストの第8章及び第10章のⅡを読んでおくこと。
【事後学習】2時間
授業及び配布資料の内容を復習し理解すること。
第29回全体のまとめ
前回までの講義内容をまとめるとともに、補足の議論を行う。
【事前学習】2時間
別途資料を配布する予定。
【事後学習】2時間
授業及び配布資料の内容を復習し理解すること。
第30回確認試験と解説確認試験及びその解説を行う。
【事前学習】2時間以上(各自の理解度に応じ)
これまでの講義のポイントを復習し理解すること。
【事後学習】2時間
試験でできなかった点について復習し理解すること。
授業形式  テキストに基づく講義を中心とするが,時事的に話題となっている事柄や主要な裁判例等についても随時取り上げ,受講者がとともに考える機会を与えながら授業を進めていく。
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 授業への
参画度
その他 合計
50% 0% 20% 30% 0% 100%
評価の特記事項 後期の最終授業時に行う確認試験と前期末等に行う小テスト,並びに授業態度(出席状況等)により評価する。
テキスト 土屋重義ほか共著『ベーシック租税法 第2版』同文舘出版,2017年,2500円.
参考文献 中里実ほか編『租税判例百選 第6版』有斐閣,2016年,2600円.
中里実・増井良啓編『租税法判例六法 第3版』有斐閣,2017年,2900円.
オフィスアワー(授業相談) 講義終了後,15分間は講師室で対応します。
それ以外の時間を希望する場合は,メールで事前に連絡下さい。
事前学習の内容など,学生へのメッセージ  社会人になると誰でも必ず税金と関わることになります。本講義では,租税法や税務の各項目について,できるだけ幅広く取り上げることにより,全体像を理解してもらいたいと考えています。
 税の予備知識は前提としませんが,内容を理解するためには,テキストの予習をして問題意識を持って講義に臨むとともに,日頃から報道等の税の話題に関心を持つことを期待します。