講義名 発達と学習(1年生用) ≪◇学部≫
講義開講時期 前期
曜日・時限 月4
単位数 2

担当教員
氏名
篠ヶ谷 圭太

学習目標(到達目標) 1)幼児,児童及び生徒の心身の発達に対する外的及び内的要因の相互作用,発達に関する代表的な理論を踏まえ,発達の概念及び教育における発達理解の意義を理解している。
2)乳幼児期から青年期の各時期における運動発達・言語発達・認知発達・社会性の発達について,その具体的な内容を理解している。
3)様々な学習の形態や概念及びその過程を説明する代表的理論の基礎を理解している。
4)主体的学習を支える動機づけ・集団づくり・学習評価の在り方について,発達の特徴と関連づけて理解している。
5)幼児,児童及び生徒の心身の発達を踏まえ,主体的な学習活動を支える指導の基礎となる考え方を理解している。
授業概要(教育目的) 人は親として,上司として,教師として,必ず人を教育する立場となる。それと同時に,人は生涯にわたって学び続ける学習者でもある。これまで教育心理学では,我々人間が,身体,言語,認知,社会性といった領域の発達について,また,記憶や学習といった知的活動に関して,様々な理論が提唱され,実証的な検討がなされてきた。この授業では,幼児,児童及び生徒の発達及び学習の過程について,基礎的な知識を身につけるとともに,各発達段階における心理的特性を踏まえながら学習指導を行うための考え方や姿勢を身につけることを目指す。
授業計画表
 
項目内容
第1回教育心理学とは教育心理学の研究領域,発達と学習の定義,研究法の枠組みについて解説する。
【事前学習】2時間
教科書の序章を読んでおくこと
【事後学習】2時間
教科書とノートをもとに,重要な語句について自分なりの言葉でまとめ直すこと
第2回身体及び認知能力の発達について発達に影響を及ぼす諸要因や,身体の発達に関する諸理論,また,認知能力の発達に関する諸理論について解説する。
【事前学習】2時間
教科書第1章の発達の基礎概念と発達の諸理論を読んでおくこと
【事後学習】2時間
教科書とノートをもとに,各発達理論について自分なりの言葉でまとめ直すこと
第3回言語能力の発達過程について乳児期,幼児期,児童期,青年期に分けた上で言語能力の発達過程を捉え,各段階の言語の特徴について解説する。
【事前学習】2時間
教科書第1章の発達段階とその特徴を読んでおくこと
【事後学習】2時間
教科書とノートをもとに,言語発達のプロセスについて自分なりの言葉でまとめ直すこと
第4回社会性の発達過程について自己について知る,他者について知ることで,他者とコミュニケーションをとる社会性が身についていく過程について解説する。
【事前学習】2時間
教科書第1章の発達段階とその特徴を読んでおくこと
【事後学習】2時間
教科書とノートをもとに,社会性の発達プロセスについて自分なりの言葉でまとめ直すこと
第5回人格及び道徳性の発達過程についてフロイト,エリクソン,コールバーグの発達理論に触れながら,人格形成に必要な諸要因について解説する。
【事前学習】2時間
教科書第1章の発達の諸理論の該当部分を読んでおくこと
【事後学習】2時間
教科書とノートをもとに,人格や道徳性の発達に関する理論について自分なりの言葉でまとめ直すこと
第6回記憶のメカニズムと効果的な学習方略について記憶の構造や,長期記憶に情報を転送するための処理について解説を行った上で,効果的な学習方略について議論する。
【事前学習】2時間
教科書第2章の記憶のしくみ,記憶の分類,記憶の特徴を読んでおくこと
【事後学習】2時間
教科書とノートをもとに,記憶の仕組みや効果的な方略について自分なりの言葉でまとめ直すこと
第7回学習方略の指導について学習方略の選択プロセスを解説しながら,学習者の用いる方略を変容させるために適切な指導を行う方法について議論する。
【事前学習】2時間
教科書第2章の知識の表象について読んでおくこと
【事後学習】2時間
教科書とノートをもとに,方略指導に重要な要素について自分なりの言葉でまとめ直すこと
第8回動機づけ理論とその応用(1)内発的動機づけと外発的動機づけ,原因帰属理論について解説し,効果的なフィードバックのあり方について議論する。
【事前学習】2時間
教科書第3章の動機づけと行動,原因帰属について読んでおくこと
【事後学習】2時間
教科書とノートをもとに,上記の動機づけ理論について自分なりの言葉でまとめ直すこと
第9回動機づけ理論とその応用(2)達成目標理論や期待×価値理論について解説を行い,学習意欲を高める働きかけについて議論する。
【事前学習】2時間
教科書第3章の達成目標理論について読んでおくこと
【事後学習】2時間
教科書とノートをもとに,上記の動機づけ理論について自分なりの言葉でまとめ直すこと
第10回学習理論とその応用(1)行動主義から捉えた学習について,代表的な現象の解説を行い,この知見をもとに考えられる効果的な学習指導のあり方について議論する。
【事前学習】2時間
教科書第4章学習の捉え方の分類と教授法を読んでおくこと
【事後学習】2時間
教科書とノートをもとに,2つの条件づけとそこから導かれる教授法について自分なりの言葉でまとめ直すこと
第11回学習理論とその応用(2)認知主義から捉えた学習について,代表的な3つの立場の解説を行い,これらの知見から考えられる効果的な学習指導のあり方について議論する。
【事前学習】2時間
教科書第4章学習の捉え方の分類と教授法を読んでおくこと
【事後学習】2時間
教科書とノートをもとに,認知主義にもとづく教授法について自分なりの言葉でまとめ直すこと
第12回学習評価(1)心理学における評価の定義や知能の測定方法について扱った上で,目的や用いられる基準など様々な観点から学習評価の分類について解説する。
【事前学習】2時間
教科書第5章心理学における測定を読んでおくこと
【事後学習】2時間
教科書とノートをもとに,様々な評価の特徴について自分なりの言葉でまとめ直すこと
第13回学習評価(2)評価の方法や形式によって学習者の学習意欲や学習行動にどのような影響が及ぶのか解説した上で,効果的な評価方法のあり方について議論する。
【事前学習】2時間
教科書第5章の評価を読んでおくこと
【事後学習】2時間
教科書とノートをもとに,評価が学習者に与える影響について自分なりの言葉でまとめ直すこと
第14回学級経営学級経営の重要性や学習を支える学級のあり方について,児童・生徒の特徴や発達を考慮しながら解説し,議論を行う。
【事前学習】2時間
教科書第7章を読んでおくこと
【事後学習】2時間
教科書とノートをもとに,学級経営における注意点について自分なりの言葉でまとめ直すこと
第15回まとめとふりかえり授業で扱った内容を振り返り,人間の心身の発達過程について再度理解を深めるとともに,児童・生徒の発達,記憶,動機づけのメカニズムを考慮した学習指導のあり方について議論を行う。
【事前学習】2時間
これまでの授業ノートを見直し,理解が不十分な点をまとめておくこと
【事後学習】2時間
教科書とノートをもとに,学んだ内容について自分なりの言葉でまとめ直すこと
授業形式 パワーポイントを用いた講義と小グループでのディスカッションを中心に進めます。
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 授業への
参画度
その他 合計
0% 20% 50% 30% 0% 100%
評価の特記事項 毎回の授業のふり返り,レポート課題,授業内の試験で評価します。
テキスト 和田万紀(編著)『Next 教科書シリーズ-教育心理学-』 弘文堂
参考文献 安藤寿康・鹿毛雅治(編著)『教育心理学-教育の科学的解明をめざして』 慶應義塾大学出版会
大村彰道(編著)『教育心理学Ⅰ-発達と学習指導の心理学―』 東大出版会
オフィスアワー(授業相談) 月曜10:30~12:00
事前学習の内容など,学生へのメッセージ 私語厳禁,質問歓迎。
学んだ内容を自身の教育実践や自身の学習活動に生かそうとする姿勢を強く求めます。