講義名 計量経済学Ⅰ ≪大学院≫
講義開講時期 前期
曜日・時限 木6
単位数 2

担当教員
氏名
行武 憲史

学習目標(到達目標) 1.大学院中級レベルの計量経済学理論を学び,応用研究に必要な高度な分析手法の前 提となる基礎理論を身につける。(計量経済学Ⅰ(行武)と計量経済学Ⅱ(行武)は 継続して履修することを前提としている)。
2.具体的には,統計学の基礎知識、回帰分析の基礎ならびに仮説検定の考え方について学習し,最小2乗推定量はどのような性質を持つかを理解する。
3.計量分析パッケージ(R)を用いた実際的なデータ分析への応用技術も習得する。
授業概要(教育目的) 計量経済学の中心的な分析手法である回帰分析(最小2乗法)について,その統計学的な意味を理解し分析結果を適切に解釈できるようになることを目的とする。
また、実際に計量分析パッケージを用いた演習を通じて,データの加工,分析方法および分析結果の報告方法についての指導を行い、最終的には各自が興味を持つ分野で計量経済分析が出来るようになることを目指す。
計量経済学のより実践的な分析手法は,計量経済学Ⅱで扱う。
授業計画表
 
項目内容
第1回ガイダンス計量経済学とは何か,計量経済学で学ぶ対象と学習方法について解説を行う。また,授業で用いるPCの操作について学ぶ。
【事前学習】1時間:PCによる学修方法の事前学修
【事後学習】1時間:実際にPCでのダウンロード,アップロード行う
第2回統計ソフトの使い方 また,計量ソフト(R)のインストールと簡単な使い方を解説する。
【事前学習】1時間:自宅等のパソコンの動作環境を確認しておく。
【事後学習】1時間:自宅や学校等のパソコンを用いてRの簡単な操作を復習する。
第3回回帰分析の目的回帰分析がどういった場面で使われるかその特徴について学習し,回帰分析でできることとできないことを概観する。
【事前学習】1時間:テキスト第1章を読んでおくこと。
【事後学習】1時間:実際に回帰分析が用いられている文献を探す。
第4回統計の基礎知識回帰分析の基本となる統計の基礎知識を学ぶ。具体的には,母集団と標本や標本抽出,大数の法則等について学習し,データの特性についての理解を深める。
【事前学習】1時間:テキスト第2章を読んでおくこと。
【事後学習】1時間:授業とは異なるデータを用いて,授業の内容をRによって確認する。
第5回確率変数1事象と確率,確率変数と独立性について学習し,統計的推測に必要な基礎知識を身に着ける。
【事前学習】1時間:テキスト3.1,3.2を読んでおくこと。
【事後学習】1時間:独立性の条件について説明できるようにしておく。
第6回確率変数2期待値と条件付き期待値,中心極限定理について学習し,回帰分析及び統計的推測に必要な基礎知識を身に着ける。
【事前学習】1時間:テキスト3.3,3.4を読んでおくこと。
【事後学習】1時間:期待値オペレータによる計算の復習をしておく。
第7回回帰分析の基礎1 回帰分析についての考え方について学習し,最小2乗法(OLS)の考え方・導出を行う。また,Rを用いて実際のデータによる回帰分析の演習を行う。
【事前学習】1時間:テキスト4.1,4.2を読んでおくこと。
【事後学習】1時間:授業とは異なるデータで,Rを用いてOLS推定を行う。
第8回回帰分析の基礎2 重回帰分析及び決定係数について学習する。また,Rを用いて実際のデータによる重回帰の演習を行う。
【事前学習】1時間:テキスト4.3,4.4を読んでおくこと。
【事後学習】1時間:授業とは異なるデータで,Rを用いて重回帰分析を行う。
第9回推測統計の基礎1 統計的仮説検定の考え方と平均値の検定について学習を行い,Rによる例題演習を行う。
【事前学習】1時間:テキスト5.1,5.2を読んでおくこと。
【事後学習】1時間:授業とは異なるデータで,Rを用いて検定の演習を行う。
第10回推測統計の基礎2 回帰係数のt検定および信頼区間について学習し,Rによる例題演習を行う。
【事前学習】1時間:テキスト5.3,5.4を読んでおくこと。
【事後学習】1時間:授業とは異なるデータで,Rを用いて検定の演習を行う。
第11回相関関係と因果関係1 

経済分析における基本的な概念である因果関係について学習し,相関関係との違いを認識する。
【事前学習】1時間:テキスト6.1を読んでおくこと。
【事後学習】1時間:疑似相関について説明できるよう復習する。
第12回相関関係と因果関係2
変数間の因果関係を記述するルービンの因果モデルについて学習する。
【事前学習】1時間:テキスト6.2を読んでおくこと。
【事後学習】1時間:Rを用いてテキストの章末問題を解く。
第13回外生変数と内生変数1 回帰分析において大きな問題である内生変数について学習する。
【事前学習】1時間:テキスト7.1,7.2を読んでおくこと。
【事後学習】1時間:内生性が発生する条件について整理する。
第14回因果分析としての回帰分析実例を用いて因果分析において回帰分析がどう役に立つかを学習する。Rによるシミュレーションを行う。
【事前学習】1時間:テキスト7.3を読んでおくこと。
【事後学習】1時間:章末のシミュレーション演習を確認しておく。
第15回まとめこれまで学習した計量経済学の基礎についてRを用いて復習を行う。
【事前学習】1時間:これまでの学習内容の復習。
【事後学習】3時間:修士論文作成に向けて,実証モデルを考える。
授業形式 基本的には輪読による演習形式で進め,必要に応じて教員による解説を行う。
また,テキストの演習問題について計量ソフトRによる実習を行う。
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 授業への
参画度
その他 合計
0% 0% 0% 90% 10% 100%
評価の特記事項 小人数が想定されるため,毎回前回の授業内容の理解度の確認をしつつ進める。
テキスト 星野・田中『Rによる実証分析 回帰分析から因果分析へ』オーム社 2,700円+税.
参考文献 William Greene, Econometric Analysis (8th Edition), Pearson, 2017.
山本拓著『計量経済学』新世社,3,300円+税.
岩田暁一著『経済分析のための統計的方法』東洋経済新報社,3600円+税.
オフィスアワー(授業相談) 火曜 13時-15時
水曜 11時-14時30分
事前に必ずアポイントを取ること。
連絡先は,初回授業時にお知らせします。
事前学習の内容など,学生へのメッセージ 本講義は,数学を駆使する理科系の内容であり,Rの演習を含めて積み上げ方式である。ゆえに欠席をすると次回以降の理解に致命的なマイナスとなるので,留意されたい。
そのため,毎回の出席が必須となり,自宅での予習復習が履修の絶対条件となる。