講義名 経済思想史Ⅰ ≪大学院≫
講義開講時期 前期
曜日・時限 水2
単位数 2

担当教員
氏名
齋藤 宏之

学習目標(到達目標)  経済思想史のテキストとして定評のあるヘンリー・W・スピーゲル(Henry William Spiegel)の著『経済思想の成長』(The Growth of Economic Thought)のなかで取り上げられたアダム・スミス(Adam Smith),カール・マルクス(Karl Marx)に関する所説を輪読していくことによって,経済学の基本的な考え方を修得できるようになる。本講義では,経済学の原点に立ち返り,歴史的・社会的背景に照らして経済思想の内容・発展を学ぶことができる。
授業概要(教育目的)  論理の整合性の完全化の要因,歴史的要因,および知性史の要因を考慮に入れて,アダム・スミスとカール・マルクスの経済思想を考察し,それぞれの経済学の考え方が,現代経済学に対していかなる意義を有するか解説します。経済思想を段階的に学んでいくに従って,偉大な経済学者が時間を経ながら発展させてきた科学に対し,本質的に接近できる力を身に付けてもらいます。
授業計画表
 
項目内容
第1回経済思想史とは講義内容,講義形式,評価方法,履修上の注意点,さらに講義計画について説明する。そして経済思想史の研究方法ならびに経済思想史を学ぶ意味について考える。
【事前学習】1時間
テキストのxiv~xxviiiページをあらかじめ読んでおくこと。
【事後学習】1時間
講義中に取ったノート,テキストを見直して,講義内容を復習しておくこと。
第2回アダム・スミス(1)アダム・スミスの生涯と業績について解説する。
【事前学習】1時間
テキストの221~241ページをあらかじめ読んでおくこと。
【事後学習】1時間
講義中に取ったノート,テキストを見直して,講義内容を復習しておくこと。
第3回アダム・スミス(2)アダム・スミスの投下労働価値説と支配労働価値説を中心に,彼の価値論を理解する。
【事前学習】1時間
テキストの242~264ページをあらかじめ読んでおくこと。
【事後学習】1時間
講義中に取ったノート,テキストを見直して,講義内容を復習しておくこと。
第4回アダム・スミス(3)支配労働価値説に基づくアダム・スミスの分配論を考える。
【事前学習】1時間
テキストの242~264ページをあらかじめ読んでおくこと。
【事後学習】1時間
講義中に取ったノート,テキストを見直して,講義内容を復習しておくこと。
第5回アダム・スミス(4)アダム・スミスの投下労働価値説が,蓄積論にどのように展開されているか理解する。
【事前学習】1時間
テキストの242~264ページをあらかじめ読んでおくこと。
【事後学習】1時間
講義中に取ったノート,テキストを見直して,講義内容を復習しておくこと。
第6回アダム・スミス(5)アダム・スミスは,「自然的自由の体系」のもとではどのような順序で投資されるとみていたのかを考える。
【事前学習】1時間
テキストの242~264ページをあらかじめ読んでおくこと。
【事後学習】1時間
講義中に取ったノート,テキストを見直して,講義内容を復習しておくこと。
第7回アダム・スミス(6)アダム・スミスの投資の自然的順序論から重商主義はどのように批判されたのかを考える。
【事前学習】1時間
テキストの242~264ページをあらかじめ読んでおくこと。
【事後学習】1時間
講義中に取ったノート,テキストを見直して,講義内容を復習しておくこと。
第8回アダム・スミス(7)アダム・スミスは,現代の経済思想にいかなる影響を及ぼしているのか議論する。
【事前学習】1時間
テキストの242~264ページをあらかじめ読んでおくこと。
【事後学習】1時間
講義中に取ったノート,テキストを見直して,講義内容を復習しておくこと。
第9回カール・マルクス(1)マルクスの生涯と業績について解説する。
【事前学習】1時間
テキストの455~478ページをあらかじめ読んでおくこと。
【事後学習】1時間
講義中に取ったノート,テキストを見直して,講義内容を復習しておくこと。
第10回カール・マルクス(2)マルクスは,近代社会の経済的運動法則をどのように明らかにしているのか説明する。
【事前学習】1時間
テキストの455~478ページをあらかじめ読んでおくこと。
【事後学習】1時間
講義中に取ったノート,テキストを見直して,講義内容を復習しておくこと。
第11回カール・マルクス(3)マルクスは,資本の生産過程を,剰余価値論を枢軸としてどのように明らかにしているのか説明する。
【事前学習】1時間
テキストの455~478ページをあらかじめ読んでおくこと。
【事後学習】1時間
講義中に取ったノート,テキストを見直して,講義内容を復習しておくこと。
第12回カール・マルクス(4)前回の講義をもとに『資本論』のなかの剰余価値生産の仕組みの理解を深める。
【事前学習】1時間
テキストの455~478ページをあらかじめ読んでおくこと。
【事後学習】1時間
講義中に取ったノート,テキストを見直して,講義内容を復習しておくこと。
第13回カール・マルクス(5)マルクスは,生産価格はどのような役割を演ずると考えているのか,また生産価格を価値からどのように導き出すと考えているのか説明する。
【事前学習】1時間
テキストの455~478ページをあらかじめ読んでおくこと。
【事後学習】1時間
講義中に取ったノート,テキストを見直して,講義内容を復習しておくこと。
第14回カール・マルクス(6)マルクスは,蓄積と恐慌をどのように捉えているか考える。
【事前学習】1時間
テキストの455~478ページをあらかじめ読んでおくこと。
【事後学習】1時間
講義中に取ったノート,テキストを見直して,講義内容を復習しておくこと。
第15回カール・マルクス(7)マルクスは,現代の経済思想にいかなる影響を及ぼしているのか議論する。
【事前学習】1時間
テキストの455~478ページをあらかじめ読んでおくこと。
【事後学習】1時間
講義中に取ったノート,テキストを見直して,講義内容を復習しておくこと。
授業形式 ゼミナール形式で行い,適宜提出されたレポートの添削指導をする。
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 授業への
参画度
その他 合計
0% 50% 0% 50% 0% 100%
テキスト Henry William Spiegel, The Growth of Economic Thought, Duke University Press, 1991.
参考文献 Stanley L. Brue, Randy R. Grant, The Evolution of Economic Though, South-Western, 2013.
その他の参考文献は,必要に応じて随時紹介する。
オフィスアワー(授業相談) 火曜日15:00~16:00。講義終了後アポイントメントを取ること。
事前学習の内容など,学生へのメッセージ  学部レベルの「経済思想史」ならびに「経済学史」はいうに及ばず,さらに「経済史」や「理論経済学」の基本的な知識を持ち合わせていることが望まれる。一定程度の英語の読解力を有していることも必要となる。経済思想に強い関心をもって,積極的かつ自主的に講義に参加すること。