講義名 経済思想史Ⅱ ≪大学院≫
講義開講時期 後期
曜日・時限 水2
単位数 2

担当教員
氏名
齋藤 宏之

学習目標(到達目標)  「経済思想史Ⅰ」の研究内容を踏まえ,定評のあるテキストであるスタンリー・L・ブルー(Stanley L. Brue)とランディ・R・グラント(Randy R. Grant)の共著『経済思想の進化』(The Evolution of Economic Thought)のなかで取り上げられたジョン・M・ケインズ(John Maynard Keynes),ソースタイン・B・ヴェブレン(Thorstein Bunde Veblen)に関する所説を輪読していくことによって,経済学の考え方を学び,その多様性を修得できるようになる。
授業概要(教育目的)  論理の整合性の完全化の要因,歴史的要因,および知性史の要因を考慮に入れて,ジョン・M・ケインズとソースタイン・B・ヴェブレンの経済思想を考察し,それぞれの経済学の考え方が,現代経済学に対していかなる意義を有するか解説します。経済思想を段階的に学んでいくに従って,偉大な経済学者が時間を経ながら発展させてきた科学に対し,本質的に接近できる力を身に付けてもらいます。
授業計画表
 
項目内容
第1回経済思想史とは講義内容,講義形式,評価方法,履修上の注意点,さらに講義計画について説明する。そして経済思想史の研究方法ならびに経済思想史を学ぶ意味について考える。
【事前学習】1時間
テキストの1~12ページをあらかじめ読んでおくこと。
【事後学習】1時間
講義中に取ったノート,テキストを見直して,講義内容を復習しておくこと。
第2回ジョン・M・ケインズ(1)ケインズの生涯と業績について解説する。
【事前学習】1時間
テキストの455~475ページをあらかじめ読んでおくこと。
【事後学習】1時間
講義中に取ったノート,テキストを見直して,講義内容を復習しておくこと。
第3回ジョン・M・ケインズ(2)ケインズは古典派の根本的欠陥をどこに見いだしたのか考える。
【事前学習】1時間
テキストの455~475ページをあらかじめ読んでおくこと。
【事後学習】1時間
講義中に取ったノート,テキストを見直して,講義内容を復習しておくこと。
第4回ジョン・M・ケインズ(3)国民所得・雇用量の決定を考慮して,ケインズの有効需要の原理を理解する。
【事前学習】1時間
テキストの455~475ページをあらかじめ読んでおくこと。
【事後学習】1時間
講義中に取ったノート,テキストを見直して,講義内容を復習しておくこと。
第5回ジョン・M・ケインズ(4)乗数効果を通じて完全雇用が実現できること,つまりケインズの乗数の理論を理解する。
【事前学習】1時間
テキストの455~475ページをあらかじめ読んでおくこと。
【事後学習】1時間
講義中に取ったノート,テキストを見直して,講義内容を復習しておくこと。
第6回ジョン・M・ケインズ(5)利子率の決定や投資の決定を,ケインズの利子率と資本の限界効率をめぐる考えを考慮して説明する。
【事前学習】1時間
テキストの455~475ページをあらかじめ読んでおくこと。
【事後学習】1時間
講義中に取ったノート,テキストを見直して,講義内容を復習しておくこと。
第7回ジョン・M・ケインズ(6)ケインズは,現代の経済思想にいかなる影響を及ぼしているのか議論する。
【事前学習】1時間
テキストの455~475ページをあらかじめ読んでおくこと。
【事後学習】1時間
講義中に取ったノート,テキストを見直して,講義内容を復習しておくこと。
第8回ソースタイン・ヴェブレン(1)ヴェブレンの生涯と業績について解説する。
【事前学習】1時間
テキストの395~410ページをあらかじめ読んでおくこと。
【事後学習】1時間
講義中に取ったノート,テキストを見直して,講義内容を復習しておくこと。
第9回ソースタイン・ヴェブレン(2)ヴェブレンの経済思想を,彼の主要著作の概要に触れながら説明し,それがいわゆる正統派経済思想批判に直接的につながっている点を明確にする。
【事前学習】1時間
テキストの395~410ページをあらかじめ読んでおくこと。
【事後学習】1時間
講義中に取ったノート,テキストを見直して,講義内容を復習しておくこと。
第10回ソースタイン・ヴェブレン(3)ヴェブレンのいう制度が,人間行動を形成するうえでどのような影響を及ぼすのか考察する。
【事前学習】1時間
テキストの395~410ページをあらかじめ読んでおくこと。
【事後学習】1時間
講義中に取ったノート,テキストを見直して,講義内容を復習しておくこと。
第11回ソースタイン・ヴェブレン(4)ヴェブレンの「過程の概念」を正統派の「正規性の概念」と対比させつつ理解する。
【事前学習】1時間
テキストの395~410ページをあらかじめ読んでおくこと。
【事後学習】1時間
講義中に取ったノート,テキストを見直して,講義内容を復習しておくこと。
第12回ソースタイン・ヴェブレン(5)ヴェブレンの社会心理学理論が,その進化論的経済学の底流となっている点を説明する。
【事前学習】1時間
テキストの395~410ページをあらかじめ読んでおくこと。
【事後学習】1時間
講義中に取ったノート,テキストを見直して,講義内容を復習しておくこと。
第13回ソースタイン・ヴェブレン(6)企業において,信用が演ずる特別な役割を重視しつつ,ヴェブレンが企業循環をどのように述べたのか明確にする。
【事前学習】1時間
テキストの395~410ページをあらかじめ読んでおくこと。
【事後学習】1時間
講義中に取ったノート,テキストを見直して,講義内容を復習しておくこと。
第14回ソースタイン・ヴェブレン(7)均衡経済理論との対比で,経済対立・変化の理論から導出されるヴェブレンの経済思想について考える。
【事前学習】1時間
テキストの395~410ページをあらかじめ読んでおくこと。
【事後学習】1時間
講義中に取ったノート,テキストを見直して,講義内容を復習しておくこと。
第15回ソースタイン・ヴェブレン(8)ヴェブレンは,現代の経済思想にいかなる影響を及ぼしているのか議論する。
【事前学習】1時間
テキストの395~410ページをあらかじめ読んでおくこと。
【事後学習】1時間
講義中に取ったノート,テキストを見直して,講義内容を復習しておくこと。
授業形式 ゼミナール形式で行い,適宜提出されたレポートの添削指導をする。
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 授業への
参画度
その他 合計
0% 50% 0% 50% 0% 100%
テキスト Stanley L. Brue, Randy R. Grant, The Evolution of Economic Thought, South-Western, 2013.
参考文献 Henry William Spiegel, The Growth of Economic Thought, Duke University Press, 1991.
その他の参考文献は,必要に応じて随時紹介する。
オフィスアワー(授業相談) 火曜日15:00~16:00。講義終了後アポイントメントを取ること。
事前学習の内容など,学生へのメッセージ  学部レベルの「経済思想史」ならびに「経済学史」はいうに及ばず,さらに「経済史」や「理論経済学」の基本的な知識を持ち合わせていることが望まれる。一定程度の英語の読解力を有していることも必要となる。経済思想に強い関心をもって,積極的かつ自主的に講義に参加すること。