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講義名	人口経済論Ⅱ　≪大学院≫

講義開講時期	後期

曜日･時限	金７

単位数	2

担当教員

氏名

松倉　力也

学習目標(到達目標)

人口問題は多岐に渡っており、扱う変数は人が生まれてから死ぬ間に起こる、就学、就業、結婚、育児や退職などのライフイベントばかりでなく、何世代も通した資産の蓄積や価値観などもその研究対象になっている。本講義では、このような人口変数の特徴に関して、最先端の分析ツールを使用しながら、経済・社会的な課題に他する政策課題を学習する

１.人口動態を示す指標の使い方計算方法が分かるようになる。
２.人口変数と経済学的視点でとらえることができる。
３.人口問題に対する具体的な政策的な介入の可能性などを議論できるようになる。
４.人口経済学における最先端の研究に携わることができる。

授業概要(教育目的)

　このコースではわが国を含む先進国や開発途上国の人口変動と経済の関係を解説するとともに、結婚、出生、育児、死亡や家族形成などの人口学的行動を示す指標などの人口統計（形式人口学）も学習する。
　また、最先端の人口分析指標である国民移転勘定（National Transfer Accounts；NTA）についても学習を行う。
NTAの詳しい内容については以下のホームページを参照。
http://www.ntaccounts.org/web/nta/show

授業計画表

回	項目	内容
第1回	人口分析方法Ⅰ	PCを使用して形式人口学の基礎と応用を学ぶ；出生、死亡、結婚などの人口動態率の求め方【事前学習】1時間　人口経済論Ⅰで講義した内容を改めて読んでおくとともに、自分の興味を持っている人口問題について調べること。【事後学習】1時間　講義で示した人口統計（形式人口学）の方法について、例題を実際にやってみること。
第2回	人口分析方法Ⅱ	PCを使用して形式人口学の基礎と応用を学ぶ；生命表の作成方法の推計方法【事前学習】1時間　前回の講義で使用して資料をよく読んでおくこと。【事後学習】1時間　講義で示した人口統計（形式人口学）の方法について、例題を実際にやってみること。
第3回	人口分析方法Ⅲ	PCを使用して形式人口学の基礎と応用を学ぶ；人口の補完方法、人口推計のやり方。【事前学習】1時間第1回～第２回の講義で使用して資料をよく読んでおくこと。【事後学習】1時間　講義で示した人口統計の方法について、例題を実際にやってみること。
第4回	国民移転勘定(NTA)イントロダクション (1)	NTAのコンセプトやアウトラインについて解説する。【事前学習】1時間授業で取り扱う論文・資料を，よく読みこんでおくこと。【事後学習】1時間 NTAから見た消費・労働所得の変化消費と労働所得の年齢プロフィールの変化に関してまとめておくこと。
第5回	国民移転勘定(NTA)：イントロダクション (2)	引き続き，NTAのコンセプトやアウトラインについて解説する。【事前学習】1時間授業で取り扱う論文・資料を，よく読みこんでおくこと。【事後学習】1時間 NTAから見た“ライフサイクル不足(余剰)” の変化再配分移転システムに関してまとめておくこと。
第6回	NTA から見た公的・私的移転	公的移転および私的移転の年齢プロフィールとパターンの変化を解説する。【事前学習】1時間授業で取り扱う論文・資料を，よく読みこんでおくこと。【事後学習】1時間公的移転および私的移転の年齢プロフィールとパターンの時系列的変化がもたらした要因についてまとめておくこと。
第7回	NTAから見た子育てコストと少子化の関係	子育てコストの変化と少子化の関係を検討する。【事前学習】1時間授業で取り扱う論文・資料を，よく読みこんでおくこと。【事後学習】1時間アジアと欧米諸国と、その他の国々（アフリカなど）について大きき異なる理由について要点をまとめておくこと。
第8回	NTAから見た老後コストとその変化	高齢化による老後コストの変化を検討する。【事前学習】1時間授業で取り扱う論文・資料を，よく読みこんでおくこと。【事後学習】1時間アジアと欧米諸国と、その他の国々（アフリカなど）について大きき異なる理由について要点をまとめておくこと。
第9回	子育てコストと老後コストの関係	子ども世代と高齢者世代の間にリソースの競合関係はあるのか検討する。【事前学習】1時間授業で取り扱う論文・資料を，よく読みこんでおくこと。【事後学習】1時間子どもと老人の費用に関して、クラウディングアウトが適合する国とそうでない国の特徴についてまとめておくこと。
第10回	期末課題のテーマディスカッション	期末課題のテーマ，アプローチ，およびデータソースについて検討する。【事前学習】1時間期末課題のテーマ，アプローチを考えるほか，データソースなどをリサーチしておくこと。【事後学習】1時間ディスカッションからのフィードバックを期末課題に反映させること
第11回	期末課題の関連研究報告Ⅰ	期末課題に関連した文献を読んで発表し、期末課題の分析を検討する【事前学習】1時間リーディングリスト、もしくは私が新たに提供した論文を，よく読みこんで、発表用資料を準備すること。【事後学習】1時間発表のフィードバックを期末課題に反映させることと、さらに新たに与えた課題をすること。
第12回	期末課題の関連研究報告Ⅱ	期末課題に関連した文献を読んで発表し、期末課題の分析を検討する【事前学習】1時間リーディングリスト、もしくは私が新たに提供した論文を，よく読みこんで、発表用資料を準備すること。【事後学習】1時間発表のフィードバックを期末課題に反映させることと、新たに与えた課題をすること。
第13回	期末課題の関連研究報告Ⅲ	期末課題に関連した文献を読んで発表し、期末課題の分析を検討する【事前学習】1時間リーディングリスト、もしくは私が新たに提供した論文を，よく読みこんで、発表用資料を準備すること。
第14回	期末課題の関連研究報告Ⅲおよび期末課題に関するディスカッションⅣ	期末課題に関連した文献を読んで発表し、期末課題の分析結果の問題点を検討する【事前学習】1時間リーディングリスト、もしくは私が新たに提供した論文を，よく読みこんで、発表用資料を準備すること。【事後学習】1時間発表のフィードバックを期末課題に反映させることと、期末課題の最終的発表の準備をすること
第15回	まとめと期末課題報告	期末課題の最終報告と後半の講義のまとめ【事前学習】１時間期末課題の発表準備【事後前学習】１時間発表した期末課題をまとめレポートを作成すること。字数等は特に制限はしないが、最終報告で指摘した問題点がクリアすること。なお、締切に関しては講義内で示す予定である。

授業形式

通常は演習形式で行う。各回の授業の終わりに，次週に取り扱う論文のコピーを配付する。受講者は確実にそれを読み，授業時にそのポイントを確認していく。

評価方法

定期試験	レポート	小テスト	授業への参画度	その他	合計
0%	60%	0%	40%	0%	100%

評価の特記事項

このコースには試験はありません。グレードは、学期末に提出してもらう期末課題が60％、クラスの参加に基づいて40％になります。

テキスト

適宜，論文・資料を配布する。

参考文献

R. Lee & A. Mason (2011) Population Aging and the Generational Economy: Edward Elgar. (https://www.idrc.ca/en/book/population-aging-and-generational-economy-global-perspective?PublicationID=987)

オフィスアワー(授業相談)

基本金曜日14時から16時
事前予約制（日時は応相談）。授業初回に説明する指定のアドレスに連絡してください。

事前学習の内容など，学生へのメッセージ

学生へのメッセージ日本のみならず，世界の少子化・高齢化現象に関心がある受講生が望まれる。論文およびその他配布資料はほぼすべて英語なので，英語力は必須。
　また、統計的な分析を実際にPCを使って行うので、統計学や計量経済学的な基礎的な知識の他、エクセルなどの表計算ソフト以外に、統計ソフト（STATA,R,SASなど）やMATLAB,FORTRANなどのプログラミングに精通していることが望ましい。