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学習目標(到達目標) |
日本の経済システムや産業構造、地域経済、人口構成といったセミマクロの経済現象について、先行研究を踏まえて論じられることを目標とします。 |
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授業概要(教育目的) |
日本の経済システムは20世紀において欧米諸国の経済システムとは異なる独自の形態に発展しました。また、近年、日本経済で起きた産業、地域、人口の大きな構造変化は、研究者の関心を惹いています。この授業では、日本における比較制度分析および応用経済学の先行研究をフォローし、必要に応じてデータ入手先と分析手法を修得します。 |
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授業計画表 |
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回 | 項目 | 内容 |
第1回 | ガイダンス | 授業の進め方などについて説明します。 | 第2回 | 日本の経済システム | 日本の経済システムについて、比較制度分析の視点から、その形成のプロセスを解明する理論的手法を学び、それに基づいて戦後日本の経済システムを概観します。 | 第3回 | 日本の金融システム | 政府系金融機関を含む日本の長期資金提供体制が特定の金融規制や戦時統制の下で形成されたプロセスをみます。 | 第4回 | メインバンクシステム | 日本の金融システムの特徴の一つであるメインバンク制が形成されたプロセスと高度経済成長期に果たした役割をみます。 | 第5回 | 日本の企業システム | 日本の企業システムの形態が戦前期、戦時経済下、戦後と変化し、高度経済成長期に定着したプロセスをみます。 | 第6回 | 日本の税・財政システム | 政府部門の役割が拡大するなかで、集権的分散システムとして日本型の税・財政システムが形成されたプロセスをみます。 | 第7回 | 日本の企業・事業所統計 | 日本の生産、従業員等の産業別統計とデータの入手を学びます。 | 第8回 | 日本の産業別生産性 | 日本の産業データベース(JIP)にもとづき産業別に計測された生産性の違いについて考えます。 | 第9回 | 日本の多部門分析 | 産業連関分析と応用一般均衡モデルの基本を学び、政策が産業に与える影響を明らかにします。 | 第10回 | 日本の地域経済統計 | 日本の行政区域、メッシュなどの空間で区分した統計とデータの入手を学びます。 | 第11回 | 日本の地域経済分析システム | 政府が提供している地域経済システム(RESAS)を利用した分析の事例を学びます。 | 第12回 | 日本の地域間人口移動 | これまでの人口移動と今後の人口減少が人口の地域分布に与える影響について考察します。 | 第13回 | 日本の地域間所得格差 | 内生的成長理論にもとづいて県民所得統計でみた県間所得格差の収束について検証します。 | 第14回 | 理解度の確認 | 要点のまとめと質疑応答 | 第15回 | まとめ | まとめ |
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授業形式 |
学生による発表を中心とする演習形式です。発表者には準備の負担があるため、受講者の人数、問題関心に応じて授業計画を柔軟に変更する予定です。
レポートでは、問題関心のある分野での先行研究の再現、データ更新による検証を行います。 |
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評価方法 |
定期試験
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レポート
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小テスト
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授業への
参画度
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その他
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合計
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0% |
30% |
0% |
30% |
40% |
100% |
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評価の特記事項 |
その他は、各自の発表においてしっかり準備してきているか、他の参加者の発表に対して的確な質疑応答ができているかを評価します。 |
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テキスト |
使用しません。適宜、研究書、論文集、ジャーナルからの抜粋を資料として配布します。 |
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参考文献 |
資料に掲載された参考文献はできる限り参照してください。それらの入手についても指導します。 |
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オフィスアワー(授業相談) |
月曜5限(16:20~17:50)に研究室で相談、質問に応じます。必ず事前にメールで予約してください。メールアドレスと研究室は初回に伝えます。
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事前学習の内容など,学生へのメッセージ |
日本経済に関する学部レベルの知識については、浅子・飯塚・篠原編「入門・日本経済(第5版)」あるいは小峰・村田著「最新 日本経済入門」などに目を通してリフレッシュしておいてください。マクロ・ミクロ経済学と計量経済学の基礎ができていることが必要です。 |