講義名 商法Ⅰ ≪大学院≫
講義開講時期 前期
曜日・時限 金6
単位数 2

担当教員
氏名
酒巻 俊之

学習目標(到達目標) 会社法は,経済活動と密接に関わり,厳しすぎる規制は起業減少・倒産増加・企業の拠点移動等により,緩すぎる規制は悪徳商法の蔓延・企業不祥事・労働環境悪化等により,ともに経済の衰退や社会不安をもたらす.また会社の経営組織について規定しており,法令遵守を踏まえた最も効率の良い機関設計が求められる.人々は企業との取引で消費活動を行い,企業で働き,企業に出資・投資・出捐等をし,また企業の福祉活動等(CSR活動等)の恩恵を受けている.受講生は授業で得た知識を基に,こうした観点を踏まえ,法を把握し,合法的かつ合理的・弾力的さらにリスクヘッジを踏まえた対応ができるようになる.
授業概要(教育目的) 他の企業等と比較しながら,企業の大半を占める株式会社の設立・株式・新株予約権・機関・運営・訴訟等及び組織再編,特例有限会社特有の規定を中心に,利息等の民法の規制も併せて講義する.上場会社については,「コーポレートガバナンス・コード」及び「金融商品取引法」にも触れる.この分野は社会の変化に合わせ,判例の変遷や法の改正が多い.経済対策・社会的安定を目的とした立法政策,規模に応じた合理的経営機関の選択,コンプライアンス(法令遵守)の重要性,投資活動等のリスクヘッジの知識を身につけるとともに,行動する前に現行法規を確認する習慣を身に着けてもらう.
授業計画表
 
項目内容
第1回法学入門(各法の関係,法の名称,民事訴訟・刑事訴訟)各法の関係,法の名称,民事訴訟・刑事訴訟についての基礎知識を板書等を用いて講義する.
事前学習:「法学」の受講者・既受講者は教科書・ノートの内容を整理しておく(1時間以上).
事後学習:講義内容で得た知識を参考文献等を基に整理(1時間以上).
第2回会社法の性質及び位置づけ各法の関係及び会社法の性質及び位置付けを板書等を用いて講義する.
事前学習:「法学」の受講者・既受講者は教科書・ノートの内容を整理しておく(1時間以上).
事後学習:講義内容で得た知識を参考文献等を基に整理(1時間以上).
第3回会社の種類会社の種類・性質等についてパワーポイント等を用いて講義する.
事前学習:書籍・ネット等を用いて会社の種類・性質について勉強しておく(1時間以上).
事後学習:講義内容で得た知識を事前に得た知識と照らし合わせて整理(1時間以上).
第4回公開会社・公開会社でない株式会社・上場会社等の定義・性質株式会社における公開会社・公開会社でない株式会社・上場会社等の定義・株式取引市場等の有無・性質についてパワーポイント等を用いて講義する.
事前学習:書籍・ネット等を用いて会社の種類・性質について勉強しておく(1時間以上).
事後学習:講義内容で得た知識を事前に得た知識と照らし合わせて整理(1時間以上).
第5回株式会社の設立(全体の手続き・絶対的記載事項)株式会社の設立全体の手続き・絶対的記載事項についてパワーポイント等を用いて講義する.
事前学習:書籍等を用いて会社の種類・性質について勉強しておく(1時間以上).
事後学習:講義内容で得た知識を事前に得た知識と照らし合わせて整理(1時間以上).
第6回株式会社の設立(変態設立事項・検査役)現物出資・財産引受及び検査役の調査について,設立時・募集株式の発行時・募集新株予約権の発行時も踏まえてパワーポイント等を用いて講義する.
事前学習:書籍等を用いて予習しておく(1時間以上).
事後学習:講義内容で得た知識を事前に得た知識と照らし合わせて整理(1時間以上).
第7回機関設計(役員等の選任・選定)機関設計全体の説明をパワーポイント等を用いて講義する.
事前学習:書籍等を用いて予習しておく(1時間以上).
事後学習:講義内容で得た知識を事前に得た知識と照らし合わせて整理.役員等の範囲や選任・解任,選定・解職の違いを把握する(1時間以上).
第8回株式会社の設立(機関設計・公証人の認証)公証人について解説するとともに,設立時における機関設計の選択について,パワーポイント・公証人連合会HP等を参照して講義する.
事前学習:書籍等を用いて予習しておく(1時間以上).
事後学習:講義内容で得た知識を事前に得た知識と照らし合わせて整理(1時間以上).
第9回株式会社の設立(設立登記・発起人等の責任)設立登記及び発起人等の責任について講義する.責任については,後の募集株式の発行・募集新株予約権の発行時との比較を行う.
事前学習:書籍等を用いて予習しておく(1時間以上).
事後学習:講義内容で得た知識を事前に得た知識と照らし合わせて整理(1時間以上).
第10回株式(株式の譲渡方法・株主名簿・株式の共有)上場会社・公開会社・公開会社でない株式会社の株式譲渡方法についてパワーポイント等を用いて復習し,譲渡制限,相続,相続人等に対する株式の売渡請求,株式の共有について板書等も用いて講義する.
事前学習:書籍等を用いて予習しておく(1時間以上).
事後学習:講義内容で得た知識を事前に得た知識と照らし合わせて整理(1時間以上).
第11回株式(事業承継)前回の授業を掘り下げ,事業承継及び譲渡制限・相続人等に対する株式の売渡請求について詳しく講義する。
事前学習:前回のノート・書籍等を用いて予習しておく(1時間以上).
事後学習:講義内容で得た知識を事前に得た知識と照らし合わせて整理(1時間以上).
第12回株式(株式の種類・種類株式・自己株式の取得)株式の種類・種類株式・自己株式の取得についてパワーポイント等を用いて講義する.レポート課題のひとつでもある.
事前学習:書籍等を用いて予習しておく(1時間以上).
事後学習:講義内容で得た知識を事前に得た知識と照らし合わせて整理(1時間以上).
第13回株式(種類株式・少数株主の締出し・反対株主等の株式等買取請求権)MBO等における自己株式の取得・支配株主によるキャッシュ・アウト等の少数株主の締出し(スクイーズ・アウト)について講義する.
事前学習:前回のノート・書籍等を用いて予習しておく(1時間以上).
事後学習:講義内容で得た知識を事前に得た知識と照らし合わせて整理(1時間以上).
第14回コーポレートガバナンス及びコーポレートガバナンス・コード概説コーポレートガバナンス及びコーポレートガバナンス・コードについて資料等も用いて講義する.レポート課題のひとつでもある.
事前学習:書籍等を用いて予習しておく(1時間以上).
事後学習:講義内容で得た知識を事前に得た知識と照らし合わせて整理(1時間以上).
第15回企業の社会的責任,株式・株主優待企業の社会的責任(CSR)及び株主優待について講義する.レポート課題の一つでもある.
事前学習:書籍等を用いて予習しておく(1時間以上).
事後学習:講義内容で得た知識を事前に得た知識と照らし合わせて整理(1時間以上).
授業形式 教科書・板書・パワーポイントによる要点整理,現物・条文・資料・検索エンジンによる検索の実演等のスクリーンへの投射により授業を進める(携帯等による撮影可).事後学習に要点を置き,教科書書込みやノートでの整理をして欲しい.また,希望により図書館見学,資料検索,判例検索等の実演を行うこともあり,リクエスト内容や受講生の状況によりシラバスの内容を入れ替えることもある.
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 授業への
参画度
その他 合計
0% 30% 0% 70% 0% 100%
評価の特記事項 授業の参画度の他,レポート提出を予定しているが,希望により授業内発表やテストに変えることもある(受講生の状況・希望を確認して随時工夫).
テキスト シラバス作成時点で制作中の為,授業内で指示する.酒巻俊之著『改正会社法の解説と考察』中央経済社,2019年,予価3,000~3,999円を予定している.
参考文献 2018又は2019年版六法(商品名・出版社不問),D1-Lawデータベース,TKC法律データベース,会社法コンメンタール(商事法務),類型別会社訴訟(判例タイムズ),論点体系会社法(第一法規),逐条解説会社法(中央経済社),その他,授業内で指示(経済学部図書館で契約・配架済み).その他のデータベースは法学部図書館に有り.
オフィスアワー(授業相談) 授業後の次の時限.また月曜日~金曜日の授業の前後等に随時応じる(口頭・メール等で要予約)。sakamki.toshiyuki@nihon-u.ac.jp
事前学習の内容など,学生へのメッセージ 事前に教科書を読んでおくとともに,授業内容を踏まえ教科書・ノート等で復習整理する事後学習に要点を置く必要がある.また,授業で実演した検索方法や授業で紹介したネット等の資料を用いてより深く学習する必要がある.レポート(又は発表)内容はこうした調査レポートの他,株主総会体験等の実地調査も選択できる.単なる条文暗記や書籍上の知識に留まらず,知識を深め実践するような勉強をして欲しい.
レポート課題は,eco-linkにて提出.
参考URL 1 http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0100/