講義名 法人税法Ⅰ ≪大学院≫
講義開講時期 前期
曜日・時限 土2
単位数 2

担当教員
氏名
立川 正三郎

学習目標(到達目標) 本講義では、以下の能力を身につけることを目指します。
1法人税の概要と基本的な考え方を説明できる
2基本的な判例を理解できる。
3事実関係に基づく法令の適用を説明できる。
4法人税法条文の読み方を理解できる。
授業概要(教育目的)  前期・後期を通じて、グループ税制、企業組織再編税制、連結納税、国際課税を含めた法人税について、主要な判例を踏まえて、法人税法の基本的な考え方をできる限り理論的、体系的に理解できるようにすることを目指します。
 将来、実際の事例について法人税法の法令解釈ができる税理士、公認会計士を目指す基本を習得してもらいます。
授業計画表
 
項目内容
第1回法人税の基本概念Ⅰ ― 納税義務者①法人税の概念、 法人・組合・人格なき社団・信託の区 分について考える。
②法人税の納税義務者について考える。
②実質主義について考える。
【事前学習】1時間
船舶リース事件、ねずみ講事件、りそな銀行外国税額控除事件の判例について勉強しておくこと
【事後学習】1時間
授業内容をよく復習して、授業中に説明した法人税法の基本的考え方、構造を説明できるようにしておくこと

第2回法人税の基本概念Ⅱ ― 組合課税、公益法人課税
①組合の種類と課税について考える。
②公益法人課税、特に、収益事業について考える。
【事前学習】1時間
LPS事件、ペット葬祭業事件の判例について勉強しておくこと
【事後学習】1時間
授業内容をよく復習して、授業中に説明した法人税法の基本的考え方、構造を説明できるようにしておくこと

第3回法人税の基本概念Ⅲ ― 所得概念
①益金・損金、資本等取引、公正処理基準、確定決算主義、申告調整、申告要件について考える。
②無償譲渡について考える。
【事前学習】1時間
清水惣事件、債権信託流動化事件、不動産信託流動化事件の判例について勉強しておくこと
【事後学習】1時間
授業内容をよく復習して、授業中に説明した法人税法の基本的考え方、構造を説明できるようにしておくこと
第4回収益Ⅰ ― 益金の計上時期、課税範囲
①収益の益金計上時期、課税範囲について考える。
②企業会計の収益認識基準について考える。
【事前学習】1時間
企業会計の収益認識基準、及び、荷為替取組事件、プラント輸出事件(大阪高裁平成2.7.3)について勉強しておくこと
【事後学習】1時間
授業内容をよく復習して、授業中に説明した法人税法の基本的考え方、構造を説明できるようにしておくこと

第5回収益Ⅱ ― 特別な収益の益金計上
①損害賠償金 、過年度損益修正、資産の評価益の取扱い について考える。
②制約のある取引の取扱いについて考える。
【事前学習】1時間
損害賠償金事件(最高裁昭和43.10.17)、過大徴収電気料金事件(最高裁平成4.10.29)、PL農場事件(大阪高裁昭和59.6.29)について勉強しておくこと
【事後学習】1時間
授業内容をよく復習して、授業中に説明した法人税法の基本的考え方、構造を説明できるようにしておくこと

第6回受取配当
①受取配当益金不算入、負債利子控除、外国子会社受取 配当益金不算入について考える。
②みなし配当について考える。
【事前学習】1時間
IBM事件(東京高裁平成27.3.25)、関係法人等株式の負債利子事件(東京高裁平成21.9.24)について勉強しておくこと
【事後学習】1時間
授業内容をよく復習して、授業中に説明した法人税法の基本的考え方、構造を説明できるようにしておくこと

第7回棚卸資産、短期売買商品
①棚卸資産、短期売買商品範囲、取得価額、期末評価に ついて考える。
②棚卸資産と売上原価との関係、債務確定基準との関係 について考える。
【事前学習】1時間
水道管工事見積費用事件(東京高裁平成8.4.17)、仮単価事件(大分地裁平成12.4.24)について勉強しておくこと
【事後学習】1時間
授業内容をよく復習して、授業中に説明した法人税法の基本的考え方、構造を説明できるようにしておくこと
第8回有価証券、デリバティブ取引
①有価証券の範囲、取得価額、期末評価について考え  る。
②特に、有価証券の取得価額の算定方法について考え  る。
【事前学習】1時間
相互タクシー事件(福井地裁平成13.1.17)、オーブンシャホールディング事件(東京高裁平成16.1.28)について勉強しておくこと
【事後学習】1時間
授業内容をよく復習して、授業中に説明した法人税法の基本的考え方、構造を説明できるようにしておくこと

第9回固定資産、繰延資産、リ-ス取引
①固定資産、繰延資産の範囲、取得価額、償却について 考える。
②リ-ス取引の範囲、処理方法について考える。
③資本的支出と修繕費について考える。
【事前学習】1時間
建物耐用年数事件(広島地裁平成5.3.23)、エントランス回線事件(東京高裁平成18.6.13)、用水路整備負担金事件(福岡高裁平成19.12.19)について勉強しておくこと
【事後学習】1時間
授業内容をよく復習して、授業中に説明した法人税法の基本的考え方、構造を説明できるようにしておくこと

第10回給与
①役員・給与の範囲、役員給与・使用人給与、役員退職 金について考える。
②出向の取扱いについて考える。
【事前学習】1時間
役員退職金事件(札幌地裁平成11.12.10)、みなし役員退職金事件(札幌地裁平成17.12.6)について勉強しておくこと
【事後学習】1時間
授業内容をよく復習して、授業中に説明した法人税法の基本的考え方、構造を説明できるようにしておくこと


第11回寄附金
①寄附金の意義、範囲について考える。
②寄附金の損金算入限度について考える。
【事前学習】1時間
南西通商事件(最高裁平成7.12.19)、損失負担金事件(東京高裁平成18.1.24)について勉強しておくこと
【事後学習】1時間
授業内容をよく復習して、授業中に説明した法人税法の基本的考え方、構造を説明できるようにしておくこと
第12回交際費①交際費の意義、範囲、について考える。
②交際費の損金算入限度について考える。
【事前学習】1時間
ドライブイン事件、萬有製薬事件、オリエンタルランド事件について勉強しておくこと
【事後学習】1時間
授業内容をよく復習して、授業中に説明した法人税法の基本的考え方、構造を説明できるようにしておくこと
第13回評価損、貸倒損失、海外渡航費、会費、租税公課
①評価損について考える。
②貸倒損失、海外渡航費、会費、租税公課について考え る。
【事前学習】1時間
住専事件(東京地裁平成14.3.14、最高裁平成16.12.24) 、貸倒損失事件(秋田地裁平成17.10.28) について勉強しておくこと
【事後学習】1時間
授業内容をよく復習して、授業中に説明した法人税法の基本的考え方、構造を説明できるようにしておくこと

第14回中間時の質疑応答質疑応答を受け、十分な理解を得るように説明し、議論する。
具体的な事例があれば、法人税法の適用について、説明し、議論する。
第15回まとめまとめ
授業形式 基本的には講義形式による。
適宜、質問し、それを踏まえて議論する。
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 授業への
参画度
その他 合計
0% 0% 50% 50% 0% 100%
テキスト プリント
参考文献 法令条文
オフィスアワー(授業相談) 土曜日16:20~18:00(事前に登録下さい)
事前学習の内容など,学生へのメッセージ 講義時に議論をするので、積極的に参加していただきたい。
条文の確認については、講義中は十分な時間が確保できないので、講義後条文を確認していただきたい。
例示した判例は、あらかじめ概要についてTKCデータベースを利用して勉強した後、各自のパソコンに論旨部分で必要と思う範囲をコピーして講義時に持参する(判決文全てをコピーする必要はない)。