講義名 文学A ≪◇学部≫
講義開講時期 通年
曜日・時限 金2
単位数 4

担当教員
氏名
鹿野 しのぶ

学習目標(到達目標) 鴨長明・兼好法師の作品を読み解くことを通して,中世の隠者の思想を学びます。
前期は,鴨長明の「無名抄」「方丈記」「発心集」の3つの作品を、後期は兼好法師の「徒然草」をとりあげ、以下のことを学びます。
1,作品と執筆された時代背景を関連づけて説明できるようにします。
2,作品に登場するさまざまな人物の生き方について学び、読み継がれる理由を説明できるようにします。
3,長明・兼好という二人の隠者の考えに触れることで、現代を生きる私たちに通じる部分について、自らのことばで説明できるようにします。
対応DPおよびCP:1,2,8
授業概要(教育目的) 中世という乱世を生きた二人の隠者の、それぞれの作品を丁寧に読み解いていきます。前期は平安末期から鎌倉初期という時代に翻弄され、挫折を味わった長明が隠者として世の本質を見つめ、無常の世を如何に生きたかという点を分析します。
後期は、兼好法師の作品である徒然草に学びます。特に作品に記される人物描写に注目し、また歴史的事実と関連づけながら作品を読み解きます。作者の美意識やさまざまな思想について知り、教養を身につけてください。近年の研究成果を踏まえながら、兼好法師の伝記を解説します。その上で、なぜ文学を学ぶのか、文学研究のあり方も考えます。
授業計画表
 
項目内容
第1回イントロダクション
「文字」について
講義内容,講義の形式,評価方法、受講に当たってのルール・注意点について説明します。
文学を書き記す、「文字」について考えてみよう。
【事前学習】2時間
シラバスをよく読み、教科書購入して、ひととおり目を通しておいてください。
【事後学習】2時間
第1回の授業の内容をまとめ、復習をして、日本の「文字」の特徴を説明できるようにしておいてください。
第2回日本の文学史日本文学における時代区分について概説し,特に中世という時代に誕生した文学作品について考えます。
【事前学習】2時間
国語便覧などで日本文学史の区分について各自で調べてきてください。
【事後学習】2時間
第2回の授業の内容をまとめ、復習をして、日本文学史の区分について説明できるようにしておいてください。
第3回鴨長明の伝記について鴨長明に生い立ちについて学びます。また長明の和歌の師・音楽の師についても学びます。
【事前学習】2時間
第2回の授業で配布するプリントをよく読んできてください。
【事後学習】2時間
第3回の授業の内容をまとめ、復習をしておいてください。
第4回鴨長明の和歌について歌人としての鴨長明に注目し、その和歌表現の特徴について学びます。
【事前学習】2時間
和歌についても学びます。和歌の特徴について,高校時代に学んだことを復習してきてください。
【事後学習】2時間
第4回の授業の内容をまとめ、復習をしておいてください。
第5回無名抄について①鴨長明が書いた和歌に関する作品(歌学書)について学び、内容を読解します。
【事前学習】2時間              
第4回で配布する和歌に関するプリントをよく読んできてください。
【事後学習】2時間
第5回の授業の内容をまとめ、復習をしておいてください。
第6回無名抄について②無名抄に記される「予」に注目し、長明自身をどのように記しているか、その人物像を考えます。
【事前学習】2時間
前回までに配布するプリント(本文と口語訳)をよく読んできてください。
【事後学習】2時間
第6回の授業の内容をまとめ、復習をしておいてください。
第7回方丈記について①
随筆というジャンルについて学びます。また、作品が書かれた時代背景について映像を見ながら理解します。
【事前学習】2時間
随筆とは何か、高校時代に学んだことを復習してきてください。
【事後学習】2時間
第7回の授業の内容をまとめ、復習をしておいてください。
第8回方丈記について②
災害をリアルに描くジャーナリストとしての長明の表現力について学びます。
【事前学習】2時間
前回までに配布するプリント(本文と口語訳)をよく読んできてください。
【事後学習】2時間
第8回の授業の内容をまとめ、復習をしておいてください。
第9回方丈記について③
方丈記における長明の思想について考えます。
【事前学習】2時間
これまでのプリントを読み返してきてください。
【事後学習】2時間
第9回の授業の内容をまとめ、復習をしておいてください。
第10回発心集について①説話集というジャンルについて学びます。方丈記と共通する秀逸した筆致の仏教説話集である発心集の成立などについて考えます。
【事前学習】2時間
説話とは何か、高校時代に学んだことを復習してきてください。
【事後学習】2時間
第10回の授業の内容をまとめ、復習をしておいてください。
第11回発心集について②

作品を読み解きながら、「発心」とは何かを考えます。
【事前学習】2時間
前回までに配布するプリント(本文と口語訳)をよく読んできてください。
【事後学習】2時間
第11回の授業の内容をまとめ、復習をしておいてください。
第12回発心集について③
発心集に記される話と共通する先行作品の表現を比較しながら、発心集の特徴について考えます。
【事前学習】2時間
前回までに配布するプリント(本文と口語訳)をよく読んできてください。
【事後学習】2時間
第12回の授業の内容をまとめ、復習をしておいてください。
第13回発心集について④
長明が心の安定のために求めた数寄の境地と無常観について考えます。
【事前学習】2時間
「数寄」とはなにか、調べてきてください。
【事後学習】2時間
第13回の授業の内容をまとめ、復習をしておいてください。
第14回長明の文学観について鴨長明がどのような文学観も持っていたのかという点について考えます。
【事前学習】2時間
前期にとったノートや配布した補助プリントを読み返してきてください。
【事後学習】2時間
第14回の授業の内容をまとめ、復習をしておいてください。
第15回前期の内容に関する確認試験と解説
鴨長明について、授業で学んだことの確認試験(60分)および解説をします。
【事前学習】2時間
前期にとったノートや配布した補助プリントを読み返してきてください。
【事後学習】2時間
第15回の授業の内容をまとめ、復習をしておいてください。
第16回後期授業イントロダクション
『徒然草』について
前期の授業で学んだことを確認し、後期の授業予定について説明します。『徒然草』について概説します。
【事前学習】2時間
教科書の解説をよく読んできてください。
【事後学習】2時間
第16回の授業の内容をまとめ、復習をしておいてください。
第17回兼好法師について
兼好法師の伝記について学びます。
【事前学習】2時間
テキストの424ページ~433ページを読んできてください。
【事後学習】2時間
第17回の授業の内容をまとめ、復習をしておいてください。
第18回兼好法師の和歌について
歌人としての兼好法師の注目し学びます。
【事前学習】2時間
「和歌四天王」について調べてきてください。
【事後学習】2時間
第18回の授業の内容をまとめ、復習をしておいてください。
第19回徒然草の時代背景
徒然草の成立について、また当時の時代背景についてを学びます
【事前学習】2時間
テキストの解説423~424ページ,433~437ページをよく読んできてください。
【事後学習】2時間
第19回の授業の内容をまとめ、復習をしておいてください。
第20回徒然草の説話的章段①徒然草のいわゆる説話的章段について取り上げ、読解します。
【事前学習】2時間
前回指示するテキストの該当部分(本文と口語訳)をよく読んできてください。
【事後学習】2時間
第20回の授業の内容をまとめ、復習をしておいてください。
第21回徒然草の説話的章段②
前回に引き続き説話的章段を取り上げ、その内容を吟味します。
【事前学習】2時間
前回指示するテキストの該当部分(本文と口語訳)をよく読んできてください。
【事後学習】2時間
第21回の授業の内容をまとめ、復習をしておいてください。
第22回徒然草の有職故実的章段①
徒然草のいわゆる有職故実的章段について検討します。
【事前学習】2時間
「有職故実」とはなにか調べてきてください。
【事後学習】2時間
第22回の授業の内容をまとめ、復習をしておいてください。
第23回徒然草の有職故実的章段②
前回に引き続き、有職故実的章段を取り上げ、その執筆意図を考えます。
【事前学習】2時間
前回指示するテキストの該当部分(本文と口語訳)をよく読んできてください。
【事後学習】2時間
第23回の授業の内容をまとめ、復習をしておいてください。
第24回徒然草の随想的章段①
徒然草のいわゆる随想的章段を取り上げ、内容を吟味します。
【事前学習】2時間
前回指示するテキストの該当部分(本文と口語訳)をよく読んできてください。
【事後学習】2時間
第24回の授業の内容をまとめ、復習をしておいてください。
第25回徒然草の随想的章段②
前回に引き続き、随想的章段の内容を読解します。
【事前学習】2時間
前回指示するテキストの該当部分(本文と口語訳)をよく読んできてください。
【事後学習】2時間
第25回の授業の内容をまとめ、復習をしておいてください。
第26回徒然草の構想
「つれづれなるままに」書かれたとする作品の構想について考えます。
【事前学習】2時間
前回指示するテキストの該当部分をよく読んできてください。
【事後学習】2時間
第26回の授業の内容をまとめ、復習をしておいてください。
第27回徒然草の思想①
徒然草にみられる思想、その特徴について考えます。
【事前学習】2時間
テキストの440~446ページをよく読んできたください。
【事後学習】2時間
第27回の授業の内容をまとめ、復習をしておいてください。
第28回徒然草の思想②前回に引き続き徒然草に見られる兼好法師の思想とその特徴について考えます。
【事前学習】2時間
テキストの440~446ページを丁寧に読んできてください。
【事後学習】2時間
第28回の授業の内容をまとめ、復習をしておいてください。
第29回中世文学における思想
中世における遁世者と公家社会について、また仏教や老荘思想について学びます。
【事前学習】2時間
後期にとったノートや配布したプリントを読み返してきてください。
【事後学習】2時間
第29回の授業の内容をまとめ、復習をしておいてください。
第30回後期の内容に関する理解度の確認徒然草について、授業で学んだことの確認試験(60分)および解説をします。
【事前学習】2時間
テキスト、ノート、後期に配布したプリントを読んできてください。
【事後学習】2時間
第30回の授業の内容をまとめ、復習をしておいてください。
授業形式 前期は講師が用意したプリントを用い、後期はテキストを用いた講義形式の授業です。毎回ノートをとることが必要です。授業中は質疑や意見を述べてもらう場合もあります。到達度、理解度をはかるため、授業中適宜小テストを行います。なお、授業の進捗度によっては授業計画が一部変更になる場合もあります。
質問などのフィードバックは,翌週の講義で行います。







評価方法
定期試験 レポート 小テスト 授業への
参画度
その他 合計
70% 0% 20% 10% 0% 100%
評価の特記事項 30名以上の受講者がある場合は相対評価とします。






テキスト 小川剛生訳注『新版 徒然草 現代語訳付』角川ソフィア文庫,1080円.





参考文献 講義の中でなるべく多く紹介します。




オフィスアワー(授業相談) 講義終了後、教室で質問を受け付けます。






事前学習の内容など,学生へのメッセージ 日本の古典文学、日本文化や歴史に興味があり、積極的に学びたい学生の受講を希望します。テキスト以外の作品の内容については、現代語訳を配布します。各自その場面を想像してみてください。絵に描いてみるのもよいでしょう。専門用語については、適宜説明をします。
受講を希望する場合は第1回目の授業に必ず出席してガイダンスを受けてください。授業中の私語・食事・遅刻・途中入退出・携帯電話やスマートフォンの操作など授業の進行を妨げる行為、他の受講者に迷惑がかかる行為は厳禁です。