講義名 文学A ≪◇学部≫
講義開講時期 通年
曜日・時限 火3
単位数 4

担当教員
氏名
川下 俊文

学習目標(到達目標) 1. 明治文学に描かれた大学生の生活や思想にふれることを通じて,現代に生きる大学生としての自己を省み,社会への主体的な姿勢を培うことができる。
2. 明治前期および後期の代表的な文学作品を読むことで,当時の日本社会が経験した劇的な変化(特に資本主義の発展)と,それによって生じるひずみを理解する。それによって,流動化する現代社会への考察を深めることができる。
3. 文語体・口語体という,文体の大きく異なる小説を読み比べることで,日本語の豊かな教養を身につけることができる。
対応DP及びCP:1, 2, 8
授業概要(教育目的) 本授業では,明治初期における「書生」(=学生)の登場から, 明治末期における大学生が直面した閉塞的な状況までを, 文学作品の通読によって追体験する。前期は明治前期の坪内逍遥『当世書生気質』(1885-86)・二葉亭四迷『浮雲』(1887-89), 後期は明治後期の夏目漱石『三四郎』(1909)を中心に扱う。
明治初期, 身分制社会の解体とともに「学問による立身出世」というスローガンが生み出され, 学歴社会が成立することになる。それは今日に至るまで, 多かれ少なかれ機能し続けている。本授業ではその原点に立ち返ることで,現代社会を生き抜くための新たな視野を獲得してほしい。
授業計画表
 
項目内容
第1回ガイダンス・前期の導入本授業の進め方を説明し, 明治時代における書生・学生の誕生について概説する。
【事前学習】2時間
近世・近代の日本史と文学について, 高校までに習ったことを復習する。
【事後学習】2時間
授業内容を復習する。
第2回『当世書生気質』を読む1以下の授業では坪内逍遥『当世書生気質』を通読し, 明治10年代の世相および書生の生活について学ぶ。
【事前学習】2時間
『当世書生気質』第一回・第二回の本文を読んでおく。
【事後学習】2時間
授業内容を復習する。
第3回『当世書生気質』を読む2引き続き坪内逍遥『当世書生気質』を通読する。
【事前学習】2時間
『当世書生気質』第三回~第五回の本文を読んでおく。
【事後学習】2時間
授業内容を復習する。
第4回『当世書生気質』を読む3引き続き坪内逍遥『当世書生気質』を通読する。
【事前学習】2時間
『当世書生気質』第六回~第八回の本文を読んでおく。
【事後学習】2時間
授業内容を復習する。
第5回『当世書生気質』を読む4引き続き坪内逍遥『当世書生気質』を通読する。
【事前学習】2時間
『当世書生気質』第九回・第十回の本文を読んでおく。
【事後学習】2時間
授業内容を復習する。
第6回『当世書生気質』を読む5引き続き坪内逍遥『当世書生気質』を通読する。
【事前学習】2時間
『当世書生気質』第十一回・第十二回の本文を読んでおく。
【事後学習】2時間
授業内容を復習する。
第7回『当世書生気質』を読む6引き続き坪内逍遥『当世書生気質』を通読する。
【事前学習】2時間
『当世書生気質』第十三回・第十四回の本文を読んでおく。
【事後学習】2時間
授業内容を復習する。
第8回『当世書生気質』を読む7引き続き坪内逍遥『当世書生気質』を通読する。
【事前学習】2時間
『当世書生気質』第十五回~第十七回の本文を読んでおく。
【事後学習】2時間
授業内容を復習する。
第9回『当世書生気質』を読む8引き続き坪内逍遥『当世書生気質』を通読する。
【事前学習】2時間
『当世書生気質』第十八回~第二十回の本文を読んでおく。
【事後学習】2時間
授業内容を復習する。
第10回『浮雲』を読む1以下の授業では二葉亭四迷『浮雲』を通読し,「学問による立身出世」に挫折する青年の苦悩について考察する。
【事前学習】2時間
『浮雲』第一回~第三回の本文を読んでおく。
【事後学習】2時間
授業内容を復習する。
第11回『浮雲』を読む2引き続き二葉亭四迷『浮雲』を通読する。
【事前学習】2時間
『浮雲』第四回~第六回の本文を読んでおく。
【事後学習】2時間
授業内容を復習する。
第12回『浮雲』を読む3引き続き二葉亭四迷『浮雲』を通読する。
【事前学習】2時間
『浮雲』第七回~第九回の本文を読んでおく。
【事後学習】2時間
授業内容を復習する。
第13回『浮雲』を読む4引き続き二葉亭四迷『浮雲』を通読する。
【事前学習】2時間
『浮雲』第十回~第十二回の本文を読んでおく。
【事後学習】2時間
授業内容を復習する。
第14回『浮雲』を読む5引き続き二葉亭四迷『浮雲』を通読する。
【事前学習】2時間
『浮雲』第十三回~第十五回の本文を読んでおく。
【事後学習】2時間
授業内容を復習する。
第15回『浮雲』を読む6・前期のまとめ前期の授業内容を振り返り, 書生の登場から明治前期までの展開について把握する。
【事前学習】2時間
『浮雲』第十六回~第十九回の本文を読み,前期で扱った作品を読み返す。
【事後学習】2時間
授業内容を復習する。
第16回後期の導入高等教育機関の整備や資本主義社会の進展などによる, 立身出世主義の変容について概説し, 後期の導入とする。
【事前学習】2時間
第15回授業で参考文献を指示するので,読んでおく。
【事後学習】2時間
授業内容を復習する。
第17回『三四郎』を読む1
以下の授業では夏目漱石『三四郎』を通読し, 明治末期における大学生の生活や思想について学ぶ。
【事前学習】2時間
『三四郎』一の本文を読んでおく。
【事後学習】2時間
授業内容を復習する。
第18回『三四郎』を読む2
引き続き夏目漱石『三四郎』を通読する。
【事前学習】2時間
『三四郎』二の本文を読んでおく。
【事後学習】2時間
授業内容を復習する。
第19回『三四郎』を読む3
引き続き夏目漱石『三四郎』を通読する。
【事前学習】2時間
『三四郎』三の本文を読んでおく。
【事後学習】2時間
授業内容を復習する
第20回『三四郎』を読む4引き続き夏目漱石『三四郎』を通読する。
【事前学習】2時間
『三四郎』四を読んでおく。
【事後学習】2時間
授業内容を復習する。
第21回『三四郎』を読む5引き続き夏目漱石『三四郎』を通読する。
【事前学習】2時間
『三四郎』五を読んでおく。
【事後学習】2時間
授業内容を復習する。
第22回『三四郎』を読む6引き続き夏目漱石『三四郎』を通読する。
【事前学習】2時間
『三四郎』六を読んでおく。
【事後学習】2時間
授業内容を復習する。
第23回『三四郎』を読む7引き続き夏目漱石『三四郎』を通読する。
【事前学習】2時間
『三四郎』七を読んでおく。
【事後学習】2時間
授業内容を復習する。
第24回『三四郎』を読む8引き続き夏目漱石『三四郎』を通読する。
【事前学習】2時間
『三四郎』八を読んでおく。
【事後学習】2時間
授業内容を復習する。
第25回『三四郎』を読む9引き続き夏目漱石『三四郎』を通読する。
【事前学習】2時間
『三四郎』九を読んでおく。
【事後学習】2時間
授業内容を復習する。
第26回『三四郎』を読む10引き続き夏目漱石『三四郎』を通読する。
【事前学習】2時間
『三四郎』十を読んでおく。
【事後学習】2時間
授業内容を復習する。
第27回『三四郎』を読む11引き続き夏目漱石『三四郎』を通読する。
【事前学習】2時間
『三四郎』十一を読んでおく。
【事後学習】2時間
授業内容を復習する。
第28回『三四郎』を読む12引き続き夏目漱石『三四郎』を通読する。
【事前学習】2時間
『三四郎』十二を読んでおく。
【事後学習】2時間
授業内容を復習する。
第29回『三四郎』を読む13引き続き夏目漱石『三四郎』を通読する。
【事前学習】2時間
『三四郎』十三を読んでおく。
【事後学習】2時間
授業内容を復習する。
第30回後期のまとめ後期の授業内容を振り返り, 夏目漱石がとらえた明治四十年代の青年像や文学観について理解する。
【事前学習】2時間
『三四郎』全体を読み返し,授業内容を整理しておく。
【事後学習】2時間
授業内容を復習する。
授業形式 講義形式により行う。授業では作品の理解をより深められるように, 作品中に登場する文化的・社会的事項について, 配布プリントなどにより解説する。質問等のフィードバックは,翌週の講義にて行う。
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 授業への
参画度
その他 合計
0% 90% 0% 10% 0% 100%
評価の特記事項 各学期末のレポートに, 平常点を加味して評価する。レポートは必ず2回とも提出すること。
テキスト 坪内逍遥,『当世書生気質』,岩波文庫,2006年,700円(税抜).
二葉亭四迷,『浮雲』,岩波文庫,2004年,600円(税抜).
夏目漱石,『三四郎』,岩波文庫,1990年,500円(税抜).
参考文献 十川信介『近代日本文学案内』,岩波文庫別冊,2008年,760円(税抜).
石原千秋編『夏目漱石『三四郎』をどう読むか』,河出書房新社,2014年,1750円(税抜).
その他,講義中に適宜紹介する。
オフィスアワー(授業相談) 講義終了後, 教室または本館2階講義室で質問を受け付ける。
事前学習の内容など,学生へのメッセージ 前期では文語文を毎週読むことになるので, 高校で習う程度の古文の知識をもっていることを前提とするが, もちろん熟達している必要はない。文学作品そのものだけでなく, そこに描かれた文化的背景について興味を持つ学生を歓迎する。
第1回の授業内でガイダンスを行うので, 必ず出席したうえで履修登録をすること。また, 私語・飲食・携帯電話の使用といった, 授業の妨げとなる行為は厳禁とする。