講義名 文学B ≪◇学部≫
講義開講時期 通年
曜日・時限 月1
単位数 4

担当教員
氏名
渡邊 重人

学習目標(到達目標) 具体的な学習目標(到達目標)は以下のとおりです。
1言語芸術である文学について理解を深め,小説表現の特性と多様性について説明できる。
2文学理論を踏まえ,小説を読むという行為について説明できる。
3文学を享受する際の,異化と自動化について説明できる。
4文学・物語・人間の関係性について理解を深め,説明できる。
対応DP及びCP:1,2,8
授業概要(教育目的) 文学作品をただ読むのではなく,分析・考察を通して幅広い教養を身につけることを目指します。具体的には,多様な文学ジャンルの中から小説表現をとりあげ,その特性と多様性について分析・考察します。さらに,そこから得られた知見を踏まえて,文学と物語,物語と人間の関係性について理解を深めていきます。
授業計画表
 
項目内容
第1回イントロダクション学習活動の概略を把握します。
【事前学習】2時間
シラバスを熟読し、学習の見通しを立てておきます。
【事後学習】2時間
各自の立てた年間学習計画を見直します。
第2回小説表現の分析1小説サンプルAを読み,小説を読むという行為についてピア・ワークで確認します。
【事前学習】2時間
小説を読むという行為がどのようなものであるかを想起し、まとめておきます。
【事後学習】2時間
サンプルAをどのように読んだかについてまとめておきます。
第3回小説表現の分析2小説サンプルAを分析し,小説を読むという行為について考察します。
【事前学習】2時間
サンプルAをあらためて熟読し,ピア・ワークを振り返ります。
【事後学習】2時間
授業時に考察した,小説を読むという行為についてまとめておきます。
第4回小説表現の分析3小説サンプルBを読み,語り手の機能についてピア・ワークで考察します。
【事前学習】2時間
サンプルBを熟読し,語り手の機能にはどのようなものがあるかについてまとめておきます。
【事後学習】2時間
授業時に考察した,語り手の機能についてまとめておきます。
第5回小説表現の分析4夏目漱石『夢十夜』「第一夜」を読み,異化と自動化の概念について考察します。
【事前学習】2時間
『夢十夜』「第一夜」を熟読し,その印象についてまとめておきます。
【事後学習】2時間
異化と自動化の概念についてまとめておきます。
第6回小説表現の分析5夏目漱石『夢十夜』「第五夜」を読み,一人称小説の原則とその逸脱について考察します。
【事前学習】2時間
『夢十夜』「第五夜」を熟読し,その印象についてまとめておきます。
【事後学習】2時間
一人称小説の原則とその逸脱についてまとめておきます。
第7回小説表現の分析6横光利一『機械』を読み,一人称の語り手のヴァリアントについて考察します。
【事前学習】2時間
『機械』を熟読し,その印象についてまとめておきます。
【事後学習】2時間
授業時に考察した,一人称小説の特性,語り手の概念についてまとめておきます。
第8回小説表現の分析7田山花袋『蒲団』を読み,三人称小説の原則について考察します。
【事前学習】2時間
『蒲団』を熟読し,三人称小説の語り手の機能についてまとめておきます。
【事後学習】2時間
三人称小説の原則を踏まえて,その特性についてまとめておきます。
第9回小説表現の分析8尾崎紅葉『金色夜叉』を読み,ピア・ワークで登場人物の相関関係を捉えます。
【事前学習】2時間
『金色夜叉』を熟読し,映画版2種との比較に備えます。
【事後学習】2時間
登場人物の相関関係を整理しておきます。
第10回小説表現の分析9島耕二『金色夜叉』を視聴します。
【事前学習】2時間
『金色夜叉』を熟読し,キャラクター造形の特色についてまとめておきます。
【事後学習】2時間
島耕二監督版のキャラクター造形の特色についてまとめておきます。
第11回小説表現の分析10清水宏『金色夜叉』を視聴します。
【事前学習】2時間
昭和10年代,昭和20年代の時代状況について調べておきます。
【事後学習】2時間
清水宏監督版のキャラクター造形の特色についてまとめておきます。
第12回小説表現の分析11『金色夜叉』の原作と映画版2種について,ピア・ワークで分析します。
【事前学習】2時間
メロドラマ的想像力について調べ,原作小説と映画版2種の相違点についてまとめておきます。
【事後学習】2時間
相違点が生じた理由について考察しておきます。
第13回理解度の確認と解説小テスト(60分)によって学習内容の理解度を確認し,解説(30分)によって第12回までを振り返ります。
【事前学習】2時間
第12回までの学習内容を確認し,ノート・プリントを整理しておきます。
【事後学習】2時間
既習内容を振り返り,理解が不十分な点を復習で補います。
第14回小説表現と他の文化装置の表現の比較1泉鏡花『外科室』を読み,物語の構造を捉えます。
【事前学習】2時間
『外科室』を熟読し,登場人物の相関関係を整理しておきます。
【事後学習】2時間
『外科室』をあらためて熟読し,坂東玉三郎監督版との比較に備えます。
第15回小説表現と他の文化装置の表現の比較2坂東玉三郎『外科室』を視聴し,原作との相違点について考察します。
【事前学習】2時間
『外科室』を熟読し,場面構成についてまとめておきます。
【事後学習】2時間
小説と映画版の相違点について考察し,まとめておきます。
第16回小説表現と他の文化装置の表現の比較3アルフレッド・ヒッチコック『サイコ』を視聴します。
【事前学習】2時間
劇映画を享受する過程について,自分なりの考えをまとめておきます。
【事後学習】2時間
『サイコ』の演出,カット割りなどについてまとめておきます。
第17回小説表現と他の文化装置の表現の比較4『サイコ』前半部の表現を分析します。
【事前学習】2時間
『サイコ』前半部の表現と物語内容をまとめておきます。
【事後学習】2時間
『サイコ』前半部の表現の効果についてまとめておきます。
第18回小説表現と他の文化装置の表現の比較5『サイコ』後半部の表現を分析します。
【事前学習】2時間
『サイコ』後半部の表現と物語内容についてまとめておきます。。
【事後学習】2時間
『サイコ』後半部の表現の効果についてまとめておきます。
第19回小説表現と他の文化装置の表現の比較6ロバート・ブロック『サイコ』を読み,原作と映画版とをピア・ワークで比較します。
【事前学習】2時間
原作『サイコ』を熟読しておきます。
【事後学習】2時間
劇映画を享受する過程について説明できるように,自分なりの見解をまとめておきます。
第20回小説表現と他の文化装置の表現の比較7レイモンド・チャンドラー『湖中の女』を読み,小説表現の特性について考察します。
【事前学習】2時間
『湖中の女』を熟読しておきます。
【事後学習】2時間
『湖中の女』の語りの特色についてまとめておきます。
第21回小説表現と他の文化装置の表現の比較8ロバート・モンゴメリー『湖中の女』を視聴し,原作と比較します。
【事前学習】2時間
『湖中の女』の小説表現についてまとめておきます。
【事後学習】2時間
原作と映画版の相違点についてまとめておきます。
第22回小説表現と他の文化装置の表現の比較9綾辻行人『十角館の殺人』を読み,小説表現と劇映画表現の特性について考察します。
【事前学習】2時間
『十角館の殺人』を熟読しておきます。
【事後学習】2時間
小説表現の特性と小説を読むという行為の関係性についてまとめておきます。
第23回小説表現と他の文化装置の表現の比較10小説表現と劇映画表現の特性について,ピア・ワークで考察します。
【事前学習】2時間
第15回~第22回の学習内容を振り返り,小説表現と劇映画表現の特性についてまとめておきます。
【事後学習】2時間
ピア・ワークの成果をまとめておきます。
第24回小説表現の可能性1谷崎潤一郎『刺青』を読み,物神崇拝について考察します。
【事前学習】2時間
『刺青』を熟読し,物神崇拝について調べておきます。
【事後学習】2時間
『刺青』の特色と物神崇拝の関係性ついてまとめておきます。
第25回小説表現の可能性2谷崎潤一郎『春琴抄』を読み,谷崎文学における美と観念の先行について考察します。
【事前学習】2時間
『春琴抄』を熟読し,谷崎文学における美について調べておきます。
【事後学習】2時間
谷崎文学における美と観念の先行についてまとめておきます。
第26回小説表現の可能性3芥川龍之介『藪の中』を読み,小説表現の可能性について考察します。
【事前学習】2時間
『藪の中』を熟読し,登場人物の相関関係を整理しておきます。
【事後学習】2時間
小説表現と小説を読むという行為の関係性について,あらためてまとめておきます。
第27回小説表現の可能性4メタ・フィクションについて考察します。
【事前学習】2時間
メタ・フィクションについて情報収集しておきます。
【事後学習】2時間
メタ・フィクションの概念,小説表現の多様性についてまとめておきます。
第28回文学・物語・人間1文学ジャンルにおける小説の位置付けについて,ピア・ワークで考察します。
【事前学習】2時間
文学ジャンルにおける小説の位置付けについて,自分なりの考えをまとめておきます。
【事後学習】2時間
既習内容を踏まえて,文学についてまとめておきます。
第29回文学・物語・人間2レポート問2に取り組み,小説表現と小説を読むという行為について確認します。
文学・物語・人間の関係性について考察します。
【事前学習】2時間
既習内容を踏まえてレポート問1に取り組みます。
【事後学習】2時間
レポートの控えを読み返し,文学・物語・人間の関係性についてあらためてまとめておきます。
第30回まとめまとめとして講義内容を振り返り,最終課題に取り組みます。
【事前学習】2時間
既習内容を振り返り,最終課題に備えます。
【事後学習】2時間
既習内容を踏まえて,今後の読書活動や発展学習へつなげます。
授業形式 ・授業形式:講義による講読,個人もしくはピア・ワークによる作業です。
・提出物(演習問題):実施後、解説・全体講評をします。
・小テスト:採点後、返却・解説をします。
・レポート問1・問2:第30回に解説・全体講評をします。
・最終課題:作業後、解説をします。
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 授業への
参画度
その他 合計
0% 50% 20% 30% 0% 100%
評価の特記事項 授業内評価(平常点)での評価となります。なお,授業への参画度の内訳は,授業時の積極性と提出物です。
テキスト 授業時にプリントを配布します(小説サンプルについては,授業計画上,意図的に作品名を伏せています)。
参考文献 授業の進度に応じて,文学理論に関する文献を適宜紹介します。
オフィスアワー(授業相談) 授業の前後に教室,もしくは,後期の場合,月曜日12:10~12:40に本館2階講師室で質問に対応します。なお,ある程度時間が必要な場合はアポイントメントによって面談の時間を決めることとします。
事前学習の内容など,学生へのメッセージ 準備学習としてプリントの熟読と各回の授業内容のノート整理をし,事前学習・事後学習に取り組んでください(事前配布プリントがない場合は復習に重点を置いてください)。なお,授業時に実施する演習問題・小テスト・レポート問2・最終課題はノート・プリント参照可となります。