講義名 日本語表現A ≪◇学部≫
講義開講時期 通年
曜日・時限 木2
単位数 4

担当教員
氏名
塩野 加織

学習目標(到達目標) この科目では、日本語を論理的に書くための様々な方法を学び、自分の力で期末レポートが書けるようになることを最終到達目標とします。
各回の授業では、①基礎的な日本語の表記・表現方法、②問いの立て方、③文献の探し方、④資料やデータの読み取り方、⑤文献注記の書き方など、レポートを書くために必要なスキルを段階的に学ぶことで、感想文やエッセイとは異なる学術的文章が書けるようになります。それはまた、単に「書く」だけでなく、論理的に「読む」/「話す」ためのスキルアップにも役立ちます。
対応DP及びCP:1,2,8
授業概要(教育目的) 論理的で客観的な文章を書くためには、ある程度の技術と訓練が必要です。この科目では、学生が作成した各種の文章を相互に批評したり教員が添削することを通して、学術的文章の作成方法を指導していきます。
学術的文章を書くために必要なスキルというのは、レポートの作成時だけに限らず、社会生活の様々な場面で役立つものです。授業では、メールや履歴書の書き方、敬語の使い方、プレゼンテーションの仕方等についても実践的に学び、社会生活に活用できる文章能力を磨いていきます。
授業計画表
 
項目内容
第1回ガイダンス:「書くこと」と「話すこと」について授業の概要(授業目的、受講上の注意、成績評価方法など)について理解する。
【事前学習】2時間
シラバスを読み、この科目で自分が身につけたいことを2つ以上設定する。
【事後学習】2時間
配布されたプリントと、書き取ったノートの内容をもう一度読み返し、学修内容を整理する。
第2回日本語表現のための基本的なルールレポート作成と口頭発表、それぞれにおいて必要となる日本語表現の基本的なルールについて学ぶ。
【事前学習】2時間
自分が文章を書くときの癖を、2つ以上考えてくる。
【事後学習】2時間
配布されたプリントと、書き取ったノートの内容をもう一度読み返し、難しかった点や理解しにくかった点などを中心的に復習する。
第3回文章の種類と表現①:敬語・メール文社会の様々な文章の種類を知る。この回では、文章の種類に適した表現を理解した上で、敬語の正しい使い方を学ぶ。ここでは実践例として、電子メールの文章を作成する。
【事前学習】2時間
資料にある場面設定に従って、実際にメールの文章を作成する。
【事後学習】2時間
新たに学修した内容を復習した上で、提示された課題に取り組む。
第4回文章の種類と表現②:履歴書・エントリーシート前週同様、社会の様々な文章の種類を知る。この回では、エントリーシートと履歴書の特徴について学ぶ。また、複数のサンプルを比較しながら、その書き方を分析する。
【事前学習】2時間
書き方例を参考にしながら、自分の履歴書を作成する。
【事後学習】2時間
新たに学修した内容を復習した上で、提示された課題に取り組む。
第5回学術的文章の種類と目的①:レポートの構成要素社会の様々な文章の種類と学術的文章との違いを知る。文章の種類によって使い分けるべき表現の種類(常体と敬体、話し言葉と書き言葉、アカデミックワード等)を理解する。
【事前学習】2時間
配布された新聞記事を読んで、各記事の違いを見つける。
【事後学習】2時間
新たに学修した内容を復習した上で、提示された課題に取り組む。
第6回パラグラフについてパラグラフの役割について学ぶ。
【事前学習】2時間
配付資料にあるそれぞれの例文を読んで、適切だと思われるパラグラフごとに区切る。
【事後学習】2時間
配布されたプリントと、書き取ったノートの内容をもう一度読み返し、難しかった点や理解しにくかった点などを中心的に復習する。
第7回文章の構造について文章の構造を学ぶ。事前に作成し提出しておいた課題文について、構造とパラグラフを意識しながら見直し、必要な箇所を書き直す。
【事前学習】2時間
先週学習したパラグラフを意識して、自分の文章を見直す。
【事後学習】2時間
配布されたプリントと、書き取ったノートの内容をもう一度読み返し、難しかった点や理解しにくかった点などを中心的に復習する。
第8回学術的文章の種類と目的②:レポートの目的レポートや論文等の種類について学び、課題の性質によっていくつかの種類があることを知る。また、序論・本論・結論の構造や注表記について理解する。
【事前学習】2時間
自分の作成した文章を、レポートに適した文体になるように修正する。
【事後学習】2時間
新たに学修した内容を復習した上で、提示された課題に取り組む。
第9回分析と問題設定問いの立て方について学ぶ。課題文献の比較を通して、どのような問題設定が可能かを話し合い、考察する。
【事前学習】2時間
配布された新聞記事を読み、それぞれの論者の主張をワークシートに沿って整理する。その上で、できるだけ多くの「問い」を考えてくる。
【事後学習】2時間
配布されたプリントと、書き取ったノートの内容をもう一度読み返し、難しかった点や理解しにくかった点などを中心的に復習する。
第10回文献調査と資料収集文献調査の方法について理解する。論文の検索方法や、事典/辞典の活用方法、新聞雑誌記事の入手方法など、文献ごとの性質とその探し方を知る。
【事前学習】2時間
自分が関心を持ったテーマの書籍を探し、授業当日に一冊持参する。
【事後学習】2時間
指示に沿って、文献調査と資料収集の課題を行う。
第11回引用の方法①:ルールと注意点「引用」について学ぶ。剽窃と孫引きについて理解し、適切な引用方法を修得する。
【事前学習】2時間
課題文のうち、自分が作成するレポート内容に重要だと思われる箇所をコピーして持参する。
【事後学習】2時間
配布されたプリントと、書き取ったノートの内容をもう一度読み返し、難しかった点や理解しにくかった点などを中心的に復習する。
第12回引用の方法②:適切に引用するための実践前週の授業内容を踏まえた上で、中間レポートの内容に即した引用方法を実践する。
【事前学習】2時間
ワークシートを使って、自分のレポートの中に、課題文の一節を正しく引用する。
【事後学習】2時間
配布されたプリントと、書き取ったノートの内容をもう一度読み返し、難しかった点や理解しにくかった点などを中心的に復習する。
第13回中間レポート作成の注意点①:アウトライン事実と意見の違いに注意しながら、中間レポートの草稿作成を進める。また、他の受講者のアウトラインを参考にして、自身のレポート内容を推敲する。
【事前学習】2時間
中間レポートのアウトラインを一通り作成する。
【事後学習】2時間
配布されたプリントと、書き取ったノートの内容をもう一度読み返し、難しかった点や理解しにくかった点などを中心的に復習する。
第14回中間レポート作成の注意点②:相互批評草稿の相互批評を行う。中間レポートを作成する。
【事前学習】2時間
中間レポートの草稿を提出する。また相互批評の仕方と注意点について、配付資料で確認しておく。
【事後学習】2時間
相互批評の内容を踏まえて、中間レポートの内容をブラッシュアップする。
第15回中間レポートの完成これまでの成果を中間レポートとして提出する。
【事前学習】2時間
決められた書式に沿って、レポートを完成させる。
【事後学習】2時間
講義内容全体を振り返り、成果を確認する。
第16回ガイダンス後期授業のねらいと概要を説明。実用的文章、口頭発表、期末レポートそれぞれの目的と方針について理解する。
【事前学習】2時間
前期の配付資料を通読しておく。
【事後学習】2時間
後期の授業内容を確認し、提示された課題に取り組む。
第17回研究テーマの設定①先行研究について先行研究の重要性について理解し、自分のテーマに即した先行研究を探して入手する。
【事前学習】2時間
自分の取り組みたいテーマを絞って、2つ以上の参考文献を探しておく。さらに、その資料の奥付等、出典情報が確認できるものを準備する。
【事後学習】2時間
配布されたプリントと、書き取ったノートの内容をもう一度読み返し、難しかった点や理解しにくかった点などを中心的に復習する。
第18回研究テーマの設定②問いの立て方ケーススタディをもとに、一つのテーマからどのような問題設定が可能なのかについて、グループディスカッションを行う。
【事前学習】2時間
自分の取り組みたいテーマに関する先行研究を持参する。
【事後学習】2時間
授業内容を踏まえて、自分が取り組むテーマと問題設定を練り直す。
第19回研究テーマの設定③有効な「問い」とは?引き続き、問題設定の仕方を学ぶ。様々な「問い」の種類を認識し、どのような取捨選択があり得るかを議論する。
【準備学習】2時間
授業で理解した内容を活用してワークシートを作成し、持参する。
【事後学習】2時間
授業内容を踏まえて、自分が取り組むテーマと問題設定を練り直す。
第20回プレゼンテーションの準備①プレゼンテーション用のレジュメの作り方を学ぶ。レポートとは異なる点、共通する点の双方を理解し、効果的なレジュメの作成をめざす。
【事前学習】2時間
配布されたプレゼン用の書式をもとにして、自分の取り組みたいテーマを書き入れる。
【事後学習】2時間
指示に沿って、プレゼンテーション用のレジュメの下準備を行う。
第21回プレゼンテーションの準備②口頭での発表方法を学ぶ。聞き取りやすい話し方や、議論の進め方、司会者の役割等について確認する。
【事前学習】2時間
レジュメを作成する。
【事後学習】2時間
指示に沿って、プレゼンテーション用のレジュメの下準備を行う。
第22回プレゼンテーション発表者はレジュメに基づいてプレゼンテーションを行い、その後クラスで議論する。
【事前学習】2時間
進行表をもとに自分の役割を再度確認し、プレゼンの準備を行う。当日はレジュメ集を持参する。
【事後学習】2時間
コメントシートの記入と評価を行う。
第23回プレゼンテーション発表者はレジュメに基づいてプレゼンテーションを行い、その後クラスで議論する。
【事前学習】2時間
進行表をもとに自分の役割を再度確認し、プレゼンの準備を行う。当日はレジュメ集を持参する。
【事後学習】2時間
コメントシートの記入と評価を行う。
第24回プレゼンテーション発表者はレジュメに基づいてプレゼンテーションを行い、その後クラスで議論する。
【事前学習】2時間
進行表をもとに自分の役割を再度確認し、プレゼンの準備を行う。当日はレジュメ集を持参する。
【事後学習】2時間
コメントシートの記入と評価を行う。
第25回プレゼンテーション発表者はレジュメに基づいてプレゼンテーションを行い、その後クラスで議論する。
【事前学習】2時間
進行表をもとに自分の役割を再度確認し、プレゼンの準備を行う。当日はレジュメ集を持参する。
【事後学習】2時間
コメントシートの記入と評価を行う。
第26回プレゼンテーションの講評プレゼンテーションの評価コメントをもとに、自分の発表を総括する。期末レポートの作成に向けて、内容を整理し必要な資料や情報を把握する。
【事前学習】2時間
返却された全てのコメントシートを通読し、自分のレポートのアウトラインを見直す。
【事後学習】2時間
授業内容を復習し、指示された課題に取り組む。
第27回期末レポートの準備①:アウトラインの確認レジュメの内容をもとに、期末レポートのアウトラインを作成する。期末レポートの草稿準備にとりかかる。
【事前学習】2時間
期末レポートのアウトラインを提出する。
【事後学習】2時間
期末レポートの草稿執筆に取り組む。
第28回期末レポートの準備②:相互批評草稿の相互批評を行い、レポートをブラッシュアップさせる。
【事前学習】2時間
期末レポートの草稿を提出する。
【事後学習】2時間
相互批評の内容を踏まえて、期末レポートの内容をさらにブラッシュアップする。
第29回期末レポートの作成前回の相互批評の結果と、添削内容を踏まえて、期末レポートの作成する。
【事前学習】2時間
口頭発表で気づいた点や改善点をもとにしながら、期末レポートを書き進める。
【事後学習】2時間
授業で学習した執筆時の注意点を確認し、期末レポートの総仕上げを行う。
第30回期末レポートの完成と授業のまとめこれまでの授業内容を踏まえた成果として、期末レポートを提出する。
【事前学習】2時間
決められた書式に沿って、期末レポートを完成させる。
【事後学習】2時間
講義内容全体を振り返り、自己評価を行う。
授業形式 講義と演習を組み合わせた授業形式。指定課題に対するフィードバックは原則として授業中に行います。授業各回で出された課題に沿って、文章の読み書き・相互批評・口頭発表を行なう実践方式の授業です。
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 授業への
参画度
その他 合計
0% 40% 0% 60% 0% 100%
評価の特記事項 評価は、授業各回で出す課題の提出状況と、授業内の取り組みを特に重視します。
テキスト 授業時に配布する資料をテキストとして使用します。
参考文献 授業内で適宜示します。
オフィスアワー(授業相談) 毎回の授業開始前と終了後に、適宜質問を受け付けます。個別に相談がある場合には、別途時間を設けますので、事前に口頭やメールでお知らせ下さい。具体的な連絡方法については初回授業時に説明します。
事前学習の内容など,学生へのメッセージ この授業は、レポートを初めて書く学生と基礎から学びたい学生向けの内容です。
履修者は各回の授業で出された課題を必ず提出することが求められますので、授業には主体的に取り組んでください。なお、実際の受講者人数や授業の理解度に即して、授業計画を微調整する場合があります。