講義名 社会学　≪◇学部≫
講義開講時期 通年
曜日･時限 月２
単位数 4

担当教員
氏名
氏川　雅典

学習目標(到達目標) 1．社会学の基本的概念、発想法について説明できるようになる。
2．現代日本の具体的社会問題について分析できるようになる。
3．コミュニケーションを分析できるようになる。
対応DP及びCP：１，２，３，６，８
授業概要(教育目的) 　社会とは，言葉を通じ人々やモノが相互に関わり合う場であり、社会学は、そのような場がいかにして可能になるのかを研究する学問です。
　このコースは前期、後期で2部構成になっています。前期では、社会学の基礎概念と発想法を具体的な事例――犯罪、教育、芸術、労働、エスニシティ――を交えて解説していきます。後期では前期の知識を踏まえコミュニケーションの社会学的分析を行います。具体的には映画『12人の怒れる男』を素材に、集合的意志決定が、議論を通じていかに行われるのかについて扱います。社会学的なコミュニケーション分析の習得を目指します。
授業計画表
 
回項目内容
第1回イントロダクションガイダンスおよびコース概要について説明します。
【事前学習】２時間
シラバスをよく読んでおくこと。
【事後学習】２時間
授業内容を復習し、授業中に出てきたキーワードを取り出し、相互に関係づけ、文章化すること。課題が出された場合は締切までに提出すること。
第2回社会ネットワーク論：弱い紐帯の強さ就活を事例に人々のつながり（社会的ネットワーク論）について考えます。
【事前学習】２時間
EcoLinkから資料をダウンロードし、内容の理解に努めること。
【事後学習】２時間
授業内容を復習し、弱い紐帯の強さ、ブローカー概念について、具体例を挙げて自分の言葉で説明できるようにすること。課題が出された場合は締切までに提出すること。
第3回感情労働：管理される心労働現場における感情管理の実態について具体例を交え解説します。
【事前学習】２時間
EcoLinkから資料をダウンロードし、内容の理解に努めること。
【事後学習】２時間
授業内容を復習し、感情労働、燃え尽きについて、具体例を挙げて自分の言葉で説明できるようにすること。課題が出された場合は締切までに提出すること。
第4回予言の自己成就具体的な事例をもとに、個人的には合理的な行為が蓄積されると集合的には不合理な結果に陥ることを学習します。
【事前学習】２時間
EcoLinkから資料をダウンロードし、内容の理解に努めること。
【事後学習】２時間
授業内容を復習し、予言の自己成就、意図せざる結果について、具体例を挙げて自分の言葉で説明できるようにすること。課題が出された場合は締切までに提出すること。
第5回監視社会：社会的振り分けによるデジタル貧困監視社会における格差拡大について、具体例を交えながら考えていきます。
【事前学習】２時間
EcoLinkから資料をダウンロードし、内容の理解に努めること。
【事後学習】２時間
授業内容を復習し、デジタル貧困について、具体例を挙げて自分の言葉で説明できるようにすること。課題が出された場合は締切までに提出すること。
第6回ラベリング論スクールカーストを事例に、私たちが日常生活で何気なく行っている「分類」活動がどのような帰結をもたらすかについて解説します。
【事前学習】２時間
EcoLinkから資料をダウンロードし、内容の理解に努めること。
【事後学習】２時間
授業内容を復習し、ラベリング、予言の自己成就について、具体例を挙げて自分の言葉で説明できるようにすること。課題が出された場合は締切までに提出すること。
第7回アート・ワールド私たちの個人的な「趣味」というものが、実は広く芸術産業の一環として巻き込まれていることを解説していきます。
【事前学習】２時間
EcoLinkから資料をダウンロードし、内容の理解に努めること。
【事後学習】２時間
授業内容を復習し、授業中に出てきたキーワードを取り出し、相互に関係づけ、文章化すること。課題が出された場合は締切までに提出すること。
第8回アート・ワールド（２）：贋作の世界芸術の世界における贋作ビジネスについて、具体例を交えつつ考えていきます。
【事前学習】２時間
EcoLinkから資料をダウンロードし、内容の理解に努めること。
【事後学習】２時間
課題が出された場合は締切までに提出すること。
第9回表現における正当と異端印象派絵画の事例を参考に、イノベーションについて説明していきます。
【事前学習】２時間
EcoLinkから資料をダウンロードし、内容の理解に努めること。
【事後学習】２時間
授業内容を復習し、フィールド理論について、具体例を挙げて自分の言葉で説明できるようにすること。課題が出された場合は締切までに提出すること。
第10回文化資本：趣味・教育・階層趣味と階層の関係を、学校制度という観点から考えていきます。。
【事前学習】２時間
EcoLinkから資料をダウンロードし、内容の理解に努めること。
【事後学習】２時間
授業内容を復習し、文化資本について、具体例を挙げて自分の言葉で説明できるようにすること。課題が出された場合は締切までに提出すること。
第11回グローバリゼーションファストファッションの展開を事例に、商品がいかに生産、流通、消費、そして廃棄されるネットワークがグローバルに形成されているかを解説します。
【事前学習】２時間
EcoLinkから資料をダウンロードし、内容の理解に努めること。
【事後学習】２時間
授業内容を復習し、グローバリゼーションについて、具体例を挙げて自分の言葉で説明できるようにすること。課題が出された場合は締切までに提出すること。
第12回エスニシティ（１）：日本人とは何者か？スポーツを事例に、「日本人」というアイデンティティについて解説します。
【事前学習】２時間
EcoLinkから資料をダウンロードし、内容の理解に努めること。
【事後学習】２時間
授業内容を復習し、エスニシティについて、具体例を挙げて自分の言葉で説明できるようにすること。課題が出された場合は締切までに提出すること。
第13回エスニシティ（２）：ダブルリミテッドと不就学日本における外国人労働者がどのような問題に直面しているのか，外国人労働者子弟の「ダブルリミテッド」と「不就学」を事例に説明します。
【事前学習】２時間
EcoLinkから資料をダウンロードし、内容の理解に努めること。
【事後学習】２時間
授業内容を復習し、ダブルリミテッド、不就学問題について、、具体例を挙げて自分の言葉で説明できるようにすること。課題が出された場合は締切までに提出すること。
第14回エスニシティ（３）：日本における難民日本における難民問題について、具体例を交えつつ考えていきます。
日本における外国人労働者がどのような問題に直面しているのか，外国人労働者子弟の「ダブルリミテッド」と「不就学」を事例に説明します。
【事前学習】２時間
EcoLinkから資料をダウンロードし、内容の理解に努めること。
【事後学習】２時間
これまでの授業内容の復習に努めること。
第15回中間試験これまでの内容の理解度を確認する試験（60分）を実施します。試験後は重要なポイントについて解説（30分）を行います。持ち込みは不可です。
【事前学習】２時間
これまでの授業の総復習に努めること。
【事後学習】２時間
後期に向けて授業内容をよく復習しておくこと。
第16回現代社会と議論現在社会における議論の必要性の高まりについて解説します。
【事前学習】２時間
これまでの授業の総復習に努めること。
【事後学習】２時間
授業内容を復習し、授業中に出てきたキーワードを取り出し、相互に関係づけ、文章化すること。課題が出された場合は締切までに提出すること。
第17回社会学における議論研究社会学における議論研究について解説します。
【事前学習】２時間
EcoLinkから資料をダウンロードし、内容の理解に努めること。
【事後学習】２時間
授業内容を復習し、授業中に出てきたキーワードを取り出し、相互に関係づけ、文章化すること。課題が出された場合は締切までに提出すること。
第18回アメリカの陪審制度と日本の裁判員制度社会のなかの制度化された議論について、アメリカの陪審鮮度と日本の裁判員制度を比較して解説します。
【事前学習】２時間
EcoLinkから資料をダウンロードし、内容の理解に努めること。
【事後学習】２時間
授業内容を復習し、授業中に出てきたキーワードを取り出し、相互に関係づけ、文章化すること。課題が出された場合は締切までに提出すること。
第19回議論のプロセス――「12人の怒れる男」映画「12人の怒れる男」を素材に、議論の具体的プロセスについて解説します。
【事前学習】２時間
EcoLinkから資料をダウンロードし、内容の理解に努めること。
【事後学習】２時間
授業内容を復習し、授業中に出てきたキーワードを取り出し、相互に関係づけ、文章化すること。課題が出された場合は締切までに提出すること。
第20回議論における様々なバイアス：情報と評価認知科学の視点から議論の必要性について解説します。
【事前学習】２時間
EcoLinkから資料をダウンロードし、内容の理解に努めること。
【事後学習】２時間
授業内容を復習し、授業中に出てきたキーワードを取り出し、相互に関係づけ、文章化すること。課題が出された場合は締切までに提出すること。
第21回議論のレイアウト：S．トゥールミンの議論モデル議論を分析するツールとして、トゥールミンの研究を解説します。
【事前学習】２時間
EcoLinkから資料をダウンロードし、内容の理解に努めること。
【事後学習】２時間
授業内容を復習し、授業中に出てきたキーワードを取り出し、相互に関係づけ、文章化すること。課題が出された場合は締切までに提出すること。
第22回批判：分けて他の可能性を探究する議論とセットである批判という実践について解説します。
【事前学習】２時間
EcoLinkから資料をダウンロードし、内容の理解に努めること。
【事後学習】２時間
授業内容を復習し、授業中に出てきたキーワードを取り出し、相互に関係づけ、文章化すること。課題が出された場合は締切までに提出すること。
第23回レトリック：意味の層の移動手段時間は有限ですのでいつまでも議論できません。そこで効率化をはかる「レトリック」が用いられます。議論におけるレトリックの効用について解説します。
【事前学習】２時間
EcoLinkから資料をダウンロードし、内容の理解に努めること。
【事後学習】２時間
授業内容を復習し、授業中に出てきたキーワードを取り出し、相互に関係づけ、文章化すること。課題が出された場合は締切までに提出すること。
第24回ドラマとしての謝罪議論とは出会いの場であり、そのプロセスで社会関係が傷つくこともあります。社会関係の修復実践としての「謝罪」について解説します。
【事前学習】２時間
EcoLinkから資料をダウンロードし、内容の理解に努めること。
【事後学習】２時間
授業内容を復習し、授業中に出てきたキーワードを取り出し、相互に関係づけ、文章化すること。課題が出された場合は締切までに提出すること。
第25回アブダクション――いかにアイデアを思いつくか？議論のなかで、いかに新しいアイデアを生み出すか。アブダクションについて解説します。
【事前学習】２時間
EcoLinkから資料をダウンロードし、内容の理解に努めること。
【事後学習】２時間
授業内容を復習し、授業中に出てきたキーワードを取り出し、相互に関係づけ、文章化すること。課題が出された場合は締切までに提出すること。
第26回「モノ」語りとしての議論――アクター・ネットワーク理論議論とは、相手を説得するために様々な「モノ」を導入することでもあります。アクター・ネットワーク理論に基づき「モノ」の意義について解説します。
【事前学習】２時間
EcoLinkから資料をダウンロードし、内容の理解に努めること。
【事後学習】２時間
授業内容を復習し、授業中に出てきたキーワードを取り出し、相互に関係づけ、文章化すること。課題が出された場合は締切までに提出すること。
第27回「法廷に立つ科学」――「証拠」はいかに作られる？議論における専門的知識の役割について、法廷において「証拠」がいかに機能するのかを事例に解説します。
【事前学習】２時間
EcoLinkから資料をダウンロードし、内容の理解に努めること。
【事後学習】２時間
授業内容を復習し、授業中に出てきたキーワードを取り出し、相互に関係づけ、文章化すること。課題が出された場合は締切までに提出すること。
第28回議論のなかの交渉議論におて相手を効果的に説得するためには、複数のコミュニケーション様式を状況に応じて使い分けることが求められます。交渉という様式について解説します。
【事前学習】２時間
EcoLinkから資料をダウンロードし、内容の理解に努めること。
【事後学習】２時間
授業内容を復習し、授業中に出てきたキーワードを取り出し、相互に関係づけ、文章化すること。課題が出された場合は締切までに提出すること。
第29回可能性の綱引きとしての議論議論とは、ありうる可能性を互いに探究するプロセスであることを解説します。
【事前学習】２時間
EcoLinkから資料をダウンロードし、内容の理解に努めること。
【事後学習】２時間
授業内容を復習し、授業中に出てきたキーワードを取り出し、相互に関係づけ、文章化すること。課題が出された場合は締切までに提出すること。
第30回議論の社会学に向けてこれまでの授業を振り返り、議論を社会学的に捉えることの意義について解説します。
【事前学習】２時間
これまでの授業の総復習に努めること。
【事後学習】２時間
レポート執筆のため授業内容をよく復習しておくこと。
授業形式 　講義形式で進めますが、新聞／雑誌記事を読みワークシートの設問に回答することが求められます。リアクションペーパーには適宜フィードバックします。また授業の理解度を確認するための自修課題を出題することがあります。
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 授業への
参画度 		その他 合計
65% 0% 0% 15% 20% 100%
評価の特記事項 　前期試験は持ち込み不可。後期試験はレポート。欠席すると減点。また欠席が多い者はその時点で失格とします。参加度は授業内ワークシートの提出。「その他」は課題提出です（締切を過ぎたものは受理しない）。
テキスト 使用しない。毎回レジュメを配布します。
参考文献 友枝敏雄・浜日出夫・山田真茂留『社会学の力』，有斐閣，2017年，2700円（税抜）．
エイムレン他『議論学への招待――建設的コミュニケーションんのために』，大修館書店，2018年，2700円（税抜）．
オフィスアワー(授業相談) 授業終了後，教室にて対応します。
事前学習の内容など，学生へのメッセージ 以下，履修上の注意点です。
1．配布資料は当日限りとします。
2．ワークシートを提出しない場合は欠席とします。
3．欠席理由を証明する公的文書がない場合は成績評価の際に配慮しません。各自，体調管理には十分気を付けてください。
4．他の学生の聴講の妨げとなる迷惑行為（私語など）を行った学生は，退出の上，当日は欠席扱いとします。
5．人数や理解度に応じて授業内容や順序を変更する場合があります。