回 | 項目 | 内容 |
第1回 | イントロダクション:ジェンダーとは何か?
| ジェンダー論を理解するための基礎知識について説明する。
【事前学習】2時間 予習としてはジェンダー論の入門書を読み、ジェンダー論に関連する基本用語を学んでおくことがよい。
【事後学習】2時間 講義で配布した資料や紹介した参考文献を読むなどして、自らの考えを文章としてまとめること。 |
第2回 | 性別役割分業:家族,労働の現場における女/男の区分
| 日本社会における性別役割分業の歴史と現状について学ぶ。
【事前学習】2時間 講義前にジェンダー論の入門書を読んでおくこと。また、性別役割分業というキーワードを辞典等で調べておくこと。
【事後学習】2時間 講義後は補助資料を読み返し、さらに講義中に紹介した文献を読むことが望ましい。 |
第3回 | メンズリブ・男性学(「男」は社会的につくられる)
| ジェンダー論の一分野である男性学について学ぶ。男性もまたジェンダー化された存在であるということを理解してもらう。
【事前学習】2時間 予習としては「男性学」に関する文献を読んでおくことを勧める。例えば、この講義のシラバスに示している参考文献を読むと、講義内容の理解が深まるだろう。
【事後学習】2時間 復習としては、配布資料を読み返しておき、男性学の論点をノートにまとめておくことを薦める。また、講義で紹介した参考文献を調べてみることも勧める。 |
第4回 | 就労におけるジェンダー格差とジェンダー規範について――非正規雇用労働者、若年無業者を事例として
| ジェンダー研究に関連する理論ないし概念を踏まえ、女性の就労問題および男女間の賃金格差などの諸問題を考える。また、就労におけるジェンダー規範を考える。
【事前学習】2時間 講義の予習は第2回、第3回の配布資料を読んでおくこと。取り上げるテーマについてさらに関心のある人は、若年労働者の問題に関する研究書やニュース記事を読んでおくとよい。
【事後学習】2時間 講義後は配布資料を熟読してノートに論点をまとめること。さらに講義で紹介した参考文献を読んでおくと理解が深まる。付け加えて、ジェンダー論の入門書を読めば、雇用労働におけるジェンダーの不平等問題が分かるようになる。
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第5回 | 「肉食系」男子と「草食系」男子(恋愛におけるジェンダー意識の変容)
| 現代日本社会における若年男性の恋愛行動および恋愛観について、男性のジェンダー規範の変容という観点から説明する。
【事前学習】2時間 講義の予習は第2回、第3回配布資料を読んでおくとよい。取り上げるテーマについてさらに関心のある人は、出生動向基本調査もしくは若者の「性」白書などの若年者の恋愛意識、結婚観、性行動に関する統計調査を見ることを勧める。
【事後学習】2時間 配布資料を熟読し、ノートに論点をまとめること。また、講義では「草食系男子」についての参考文献を示すので、講義後に読んでおくとよい。 |
第6回 | ポルノグラフィと性差別
| ポルノグラフィの是非について、フェミニズムの問題提起を踏まえて、性暴力ならびに家父長制という概念と女性に対する人権侵害という観点から説明する。
【事前学習】2時間 講義の予習としてはフェミニズムにおけるポルノグラフィについての研究知見を調べることを勧める。
【事後学習】2時間 参考文献を講義内で指示するので、講義内容の理解を深めるために講義後に読むことを勧める。また、配布資料を熟読すること。 |
第7回 | ゲイ/クィアスタディーズ
| ゲイ・スタディーズ、クィア・スタディーズという学問領域における研究知見をもとに、同性愛/異性愛という区分により生じる諸問題について学ぶ。
【事前学習】2時間 セクシュアル・マイノリティに関する入門書を読むことが望ましい。また、LGBTといった基本的なキーワードを調べておくとよい。
【事後学習】2時間 復習としては配布資料に示されているキーワードについて、文献などを用いて調べることを勧める。 |
第8回 | 同性婚とパートナーシップ制度 | 現代社会における同性婚もしくはパートナーシップ制度をめぐる状況とそのニーズについて説明する。
【事前学習】2時間 予習としては第7回の配布資料を熟読しておくこと。
【事後学習】2時間 講義後は講義内で紹介した文献を読むか、配布資料を熟読すること。 |
第9回 | 父親としての男性(男性の家事・育児参加について) | メンズ・リブの歴史を踏まえつつ、現状における男性の家事参加および育児休業取得の問題まで説明する。
【事前学習】2時間 予習としては男性の家事・育児参加がなぜ社会の中で求められているのかについてあらかじめ調べておくこと。その際、この授業の第2回、第3回の配布資料を参考とするとよい。
【事後学習】2時間 講義後は講義内で紹介する参考文献にあたり、性別役割分業の問題点を整理すること。 |
第10回 | ケアとジェンダー(少子高齢化社会の保育と介護) | 幼児保育もしくは高齢者介護などのケアに関するジェンダーの不平等問題について性別役割分業などのキーワードをもとに説明する。
【事前学習】2時間 保育と介護に関する時事問題について新聞等で調べておくとよい。また、第2回目の配布資料を読んでおくこと。
【事後学習】2時間 ケアに関するジェンダー問題について、講義での説明の要点を抑え、理解しておくこと。学習方法はほかのテーマと同じく、配布資料を読み、講義内容の論点をノートにまとめておくこと。 |
第11回 | ジェンダーと暴力①―DV、デートDV | DV、デートDVについて学ぶ。DVがはびこる一つの要因としてジェンダー容認感覚があることの理解を促す。
【事前学習】2時間 予習としてはDV、デートDVとは何かについてあらかじめ調べておくこと。
【事後学習】2時間 講義後の復習は、DV、デートDVとジェンダー容認(性役割の容認)感覚との関連性について、配布資料を熟読し、理解を深めてほしい。また、DVに関するジェンダー研究の入門書を紹介するので、それを参考にすること。 |
第12回 | ジェンダーと暴力その➁(男性同士の間で起こる暴力――教育空間における暴力を中心に) | 男性同士の間で生じる暴力の問題について、体罰もしくはいじめ、児童虐待などの問題を事例として考察する。
【事前学習】2時間 第10回目の配布資料を参考にすること。なお、予習・復習ともに以下の文献を参考とすることを薦める。渋谷知美,2009,『平成オトコ塾――悩める男子のための全6章』筑摩書房.
【事後学習】2時間 講義後は配布資料を熟読すること。また、事前学習の項で薦めている文献を読んでおくと理解が深まる。 |
第13回 | 美しさとジェンダー(ルッキズムの諸問題) | ルッキズム(容姿差別)が性差別とつながっていることをフェミニズムの論点から理解する。また、極端な痩身願望による健康被害の問題をジェンダーの観点から理解する。
【事前学習】2時間 予習としては、わかりやすい参考文献として次のものを参考にすること。千田有紀,2009,『女性学/男性学(ヒューマニティーズ)』岩波書店.
【事後学習】2時間 復習としては配布資料を熟読し、さらに講義で紹介した参考文献を読むとよい。 |
第14回 | ファッションとジェンダー | ファッションが表象するジェンダーを具体例として、現代社会におけるジェンダー規範について説明する。
【事前学習】2時間 予習としては第13回の配布資料を熟読しておくこと。または第13回の講義で紹介した文献を読んでおくこと。
【事後学習】2時間 復習としては講義の配布資料を読み、また講義で紹介した参考文献を読むこと。 |
第15回 | ジェンダー論のまとめ | 講義で説明したジェンダー論の基本概念を復習したうえで、現代社会に残るジェンダー問題について論点を整理し、説明する。
【事前学習】2時間 すべての配布資料を熟読しておくこと。
【事後学習】2時間 講義終了後は、講義で紹介したジェンダー論の基本概念(基礎知識)について、その定義を説明できるように、ノートにまとめておくとよい。 |