講義名 スポーツ文化論 ≪◇学部≫
講義開講時期 前期
曜日・時限 火1
単位数 2

担当教員
氏名
波多野 圭吾

学習目標(到達目標) 本講義では、以下の能力を身につけることを目指す。
1)文化現象としてのスポーツと社会との関わりを理解し,それを様々な観点から批評・批判することができる。
2)現代スポーツが抱える諸課題について理解し,それに対する他者の見解を踏まえ,自らの見解を相対化して説明することができる。
対応DP及びCP:1,2,8
授業概要(教育目的) スポーツはそれ独自で存在するものではなく,歴史や政治・宗教・経済など社会の様々なものと密接に関わっている。本講義ではそうしたスポーツの文化・社会的な側面に着目し,スポーツが持つ力やそのあり方について考察する。全授業終了時には,スポーツと社会との関係を体系的に理解し,スポーツにおける諸課題を主体的に解決するための思考力を身につけられるようにする。
授業計画表
 
項目内容
第1回ガイダンス本講義の進め方,概要,評価方法などについて概説する。
【事前学習】シラバスに目を通しておくこと。(2時間)
【事後学習】授業で配布した資料にあらためて目を通しておくこと。(2時間)
第2回文化としてのスポーツ文化の概念について解説するとともに,スポーツの起源や歴史について概説する。
【事前学習】「文化」,「スポーツ」の意味,語源などを調べておく。(2時間)
【事後学習】授業で配布した資料にあらためて目を通し,文化とスポーツの概念についてより理解を深めておくこと。(2時間)
第3回スポーツ文化の変容各時代において,スポーツがどのように実施されていたのか,それらがどのような意味を持っていたのか等について解説する。また,スポーツという文化現象が時代の変化とともに変容してきたことを理解する。
【事前学習】「近代スポーツ」という用語の意味を調べておく。(2時間)
【事後学習】スポーツ文化の変容におけるターニングポイントについて整理しておく。(2時間)
第4回オリンピックとスポーツオリンピックの発祥や目的を概説し,現代のオリンピックが抱える諸課題について理解を深める。
【事前学習】日本オリンピック委員会などのHPにアクセスし,「オリンピズム」「オリンピック・ムーブメント」の解説に目を通しておくこと。(2時間)
【事後学習】授業内で配布する資料をもとに,オリンピックの諸課題に対する自分の見解をまとめておく。(2時間)
第5回パラリンピックとスポーツパラリンピックの発祥と目的などについて解説し,障がい者スポーツを取り巻く環境などについて理解する。
【事前学習】パラリンピックのシンボルマークの意味について調べておく。(2時間)
【事後学習】障がい者スポーツが抱える諸課題について,授業内で配布した資料などを用いて自らの見解を整理しておく。(2時間)
第6回スポーツとメディアの発展スポーツとメディアの関わりを理解する。特にメディアの技術発達に伴うスポーツの変化に着目する。
【事前学習】スポーツとテレビ等のメディアとの関わりについて,ニュース記事などを調べておく。(2時間)
【事後学習】スポーツとメディアが相互にどのような影響を及ぼし合っているか,具体的な事例などを整理しておく。(2時間)
第7回スポーツとジャーナリズム日本のスポーツジャーナリズムのあゆみについて概観するとともに,スポーツにおけるジャーナリズムの役割や課題等について理解する。
【事前学習】「ジャーナリズム」の語源について調べておく。(2時間)
【事後学習】ジャーナリズムの役割について復習し,スポーツとジャーナリズムの望ましいあり方について自らの見解をまとめておく。(2時間)
第8回スポーツと差別スポーツと人種や階級などの関わりについて概説し,どのような構造で差別が生じているのか理解する。
【事前学習】国内のスポーツにおける差別の事例を調べておく。(2時間)
【事後学習】スポーツのおける差別の事例を整理しておくとともに,差別撤廃に求められる取り組みなどについて自らの見解をまとめる。(2時間)
第9回スポーツとジェンダー(1)ジェンダーに関する概念を解説するとともに,スポーツにおけるジェンダー的な課題とそれが生じる背景について概説する。
【事前学習】「ジェンダー」の概念などについて調べておく。(2時間)
【事後学習】授業内で解説したスポーツとジェンダーの関係についての理解を深めておく。(2時間)
第10回スポーツとジェンダー(2)メディアで報じられるアスリートのジェンダー・イメージについて概説し,スポーツとジェンダー,メディアの関係について理解する。
【事前学習】第9回の授業内容を復習するとともに,アスリートが起用されたCMなどを動画共有サイトなどで調べておくこと。(2時間)
【事後学習】第9回,第10回の授業で解説した内容を踏まえ,スポーツとジェンダーの諸課題に対する自らの見解を整理する。(2時間)
第11回スポーツと政治1980年のモスクワオリンピックボイコットを題材に,スポーツと政治の関係やそのあり方について検討する。
【事前学習】1980年当時の世界情勢について調べておく。(2時間)
【事後学習】授業で解説した内容をもとに,他のオリンピックに類似の事例がないか考えてみる。(2時間)
第12回スポーツと教育スポーツと体育,部活動の関係について理解するとともに,スポーツを教育の一手段として用いることの是非について検討する。
【事前学習】スポーツと体育の違いについて調べておくこと。(2時間)
【事後学習】授業で解説した内容と自分自身の経験を踏まえ,スポーツと教育の望ましいあり方について自らの見解を整理する。(2時間)
第13回スポーツと社会貢献アスリートやスポーツ団体による社会貢献活動を取り上げ,それらの意味や機能について考える。
【事前学習】スポーツに関連する社会貢献活動にどのようなものがあるか,調べておく。(2時間)
【事後学習】授業で学習した内容を踏まえ,アスリートによる社会貢献活動がどのような可能性をもつものであるか,自らの見解を整理しておく。(2時間)
第14回スポーツと現代社会これまでの授業で取り扱った内容を振り返り,スポーツと現代社会の関係についてあらためて考える。
【事前学習】これまでに配布した資料等に目を通しておく。(2時間)
【事後学習】スポーツと現代社会の関わりについて理解を深めるとともに,どのような課題があるのか整理しておくこと。(2時間)
第15回確認試験と解説これまでに学習した内容に関する試験(60分)を実施し、その解説(30分)を行う。
【事前学習】試験に備え,これまでの学習内容を復習しておくこと。(2時間)
【事後学習】解説授業をもとに,あらためて授業内で提示されたスポーツの諸課題に関する自らの考えを整理する。(2時間)
授業形式 文献や資料,VTRを用いた講義形式を中心とする。また,場合によってはグループワークを行う。
2〜3回の授業に1度,授業内レポート(リアクションペーパー)の提出を求める。
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 授業への
参画度
その他 合計
60% 20% 0% 15% 5% 100%
評価の特記事項 ・授業全体の2/3以上の出席を求める。
・授業内レポートでは、授業の感想に留まることなく、授業内で提示した諸課題に対する自らの見解を述べることを期待します。
テキスト テキストは特に使用しないが,必要に応じて資料をEcoLinkにアップロードする。各自,前日までに確認の上,アップロードがある場合には印刷して持参すること。
参考文献 井上俊・菊幸一編著,『よくわかるスポーツ文化論』,ミネルヴァ書房,2012年.
髙橋徹編著,『はじめて学ぶ体育・スポーツ哲学』,みらい,2018年.
飯田貴子ほか編著,『よくわかるスポーツとジェンダー』,ミネルヴァ書房,2018年.
オフィスアワー(授業相談) 授業の前後10分間は,体育準備室(2号館1階)にて対応する。
それ以外の時間は授業内で提示するEメールアドレスまで連絡し,アポイントを取ること。
事前学習の内容など,学生へのメッセージ 遅刻や私語など、授業運営に支障をきたす行為は控えること。
スポーツ産業論と合わせて履修することで,スポーツの多面性を理解することができます。