講義名 日本の文化A(留学生用) ≪◇学部≫
講義開講時期 前期
曜日・時限 金4
単位数 2

担当教員
氏名
佐藤 秋成

学習目標(到達目標) 本講義では、日本文化を切り口に日本社会の形成と変容のメカニズム、とりわけ日本の現代家族にかかわる諸現象や諸問題にフォーカスを当てる。受講生は映画作品を通して、日本文化における変容の歴史を知り、日本映画における家族の肖像の系譜を考察し、それを通じて日本の文化や社会ないし家族像の変遷と本質を見る力を習得できるようになる。
対応DPおよびCP:1
授業概要(教育目的) 本講義では、日本文化の諸相を日本映画の面から考えていく。時代を代表する映画作家とその作品を取り上げ、その価値や特徴を明らかにするとともに、それらの作品が誕生した背景や描かれた歴史的、文化的、あるいは社会的諸要素の理解を深めていくことを目標とする。
授業計画表
 
項目内容
第1回プロローグ講義概要・形式、受講ルール、評価方法、履修上の注意点について説明する。
【事前学習】2時間
シラバスをしっかりと目を通しておくこと。
【事後学習】2時間
授業内容をよく復習し、授業中に出てきたキーワードや専門用語を説明できるようにしておくこと。
第2回
小津安二郎『東京物語』(1953)
親と子の成長を通じて、日本の家族制度をどう崩壊していくのか。
【事前学習】2時間
前回の授業時に提示した課題をよく準備しておくこと。
【事後学習】2時間
授業内容をよく復習し、授業中に出てきたキーワードを説明できるようにしておくこと。
第3回
木下惠介『楢山節考』(1958)、
今村昌平『楢山節考』(1983)
『姥捨て山』の棄老伝説に材を採り、戦後の日本人の家族観に不気味な傷跡を残す。
【事前学習】2時間
前回の授業時に提示した課題をよく準備しておくこと。
【事後学習】2時間
授業内容をよく復習し、授業中に出てきたキーワードを説明できるようにしておくこと。
第4回
市川崑「金田一耕助」シリーズ(1976~1979)
家族の証しである血縁に囚われ、そのストレスに苦しめられる。
【事前学習】2時間
前回の授業時に提示した課題をよく準備しておくこと。
【事後学習】2時間
授業内容をよく復習し、授業中に出てきたキーワードを説明できるようにしておくこと。

第5回
森田芳光『家族ゲーム』(1983)
血縁、肉親といった灼然たるルールを無効化する。
【事前学習】2時間
前回の授業時に提示した課題をよく準備しておくこと。
【事後学習】2時間
授業内容をよく復習し、授業中に出てきたキーワードを説明できるようにしておくこと。
第6回
石井聡互『逆噴射家族』(1984)
小さな一戸建て住宅を手に入れた五人の家族が狂気に飲み込まれていく様を過激で乾いたタッチで活写する。
【事前学習】2時間
前回の授業時に提示した課題をよく準備しておくこと。
【事後学習】2時間
授業内容をよく復習し、授業中に出てきたキーワードを説明できるようにしておくこと。
第7回
大林宣彦『異人たちとの夏』(1988)
幼い頃死んだはずの両親と再会する不思議な体験を通じて、幻となった家族の束の間の温もりを懐かしく描く。
【事前学習】2時間
前回の授業時に提示した課題をよく準備しておくこと。
【事後学習】2時間
授業内容をよく復習し、授業中に出てきたキーワードを説明できるようにしておくこと。
第8回
山田洋次『男はつらいよ』シリーズ(1969~1995)
家族という理想郷を永遠不滅に謳歌する。
【事前学習】2時間
前回の授業時に提示した課題をよく準備しておくこと。
【事後学習】2時間
授業内容をよく復習し、授業中に出てきたキーワードを説明できるようにしておくこと。
第9回
竹中直人『連弾』(2001)
離婚問題に揺れる家族の葛藤を、ユーモアラスに描写する。
【事前学習】2時間
前回の授業時に提示した課題をよく準備しておくこと。
【事後学習】2時間
授業内容をよく復習し、授業中に出てきたキーワードを説明できるようにしておくこと。

第10回
山崎貴『ALWAYS 三丁目の夕日』(2005~2012)
ノスタルジーという原点に回帰し、古き良き時代の懐かしさを温かな目線で描き出す。
【事前学習】2時間
前回の授業時に提示した課題をよく準備しておくこと。
【事後学習】2時間
授業内容をよく復習し、授業中に出てきたキーワードを説明できるようにしておくこと。
第11回
山田洋次『東京家族』(2013)
小津安二郎の『東京物語』にオマージュをささげ、『東京物語』の舞台を現代に移し、老夫婦と子供たちの姿を通じて、家族の絆と喪失、夫婦と親子、老いや死についての問い方を見つめる。
【事前学習】2時間
前回の授業時に提示した課題をよく準備しておくこと。
【事後学習】2時間
授業内容をよく復習し、授業中に出てきたキーワードを説明できるようにしておくこと。

第12回
是枝裕和『海街diary』(2015)
湘南を舞台に、異母妹を迎えて四人となった姉妹の共同生活を送るなか、様々な出来事を経て家族の絆を深めていく姿を追う。
【事前学習】2時間
前回の授業時に提示した課題をよく準備しておくこと。
【事後学習】2時間
授業内容をよく復習し、授業中に出てきたキーワードを説明できるようにしておくこと。
第13回
是枝裕和『万引き家族』(2018)
犯罪でしか繋がれなかった家族の姿を通して、真の“繋がり”とは何かを問う。
【事前学習】2時間
前回の授業時に提示した課題をよく準備しておくこと。
【事後学習】2時間
授業内容をよく復習し、授業中に出てきたキーワードを説明できるようにしておくこと。
第14回エピローグ理解度の確認と総括
授業全体の復習と要点のまとめ。 
【事前学習】2時間
前回の授業時に提示した課題をよく準備しておくこと。
【事後学習】2時間
これまで行われたすべての授業内容をよく復習し、キーワードやポイントをしっかりとまとめたうえで次の確認試験に備えること。
第15回確認試験と解説授業を通して学んだことの確認試験(60分)および解説(30分)を行う。
授業形式 講義や関連映画作品の部分と全体上映を中心とした講演形式。
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 授業への
参画度
その他 合計
50% 20% 0% 30% 0% 100%
評価の特記事項 定期試験のほかに,授業内に課する教場レポートを1~2回を実施する。
テキスト 授業時に必要に応じてプリントを配布する。
参考文献 授業時に適時指示する。
オフィスアワー(授業相談) 5限授業終了後、教室または本館二階講師室にて20分間は対応している。
事前学習の内容など,学生へのメッセージ 毎時間,映画作品を上映するため,私語,遅刻など他の受講生の迷惑がかかる行為は厳禁とする。講義内容は十分な予習・復習に努めること。