講義名 フランス語Ⅰ ≪◇学部≫
講義開講時期 前期
曜日・時限 水4・金2
単位数 2

担当教員
氏名
安田 靜

学習目標(到達目標) 1年次のフランス語(I・II)の学習目標は,フランス語習得の基盤となる文法的知識,および簡単な日常会話表現の習得(仏検4級相当)です。フランス語I(前期)終了時には現在形で簡単な自己紹介ができるようになります。
また,語学学習とともに,授業を通してフランスの文化,社会,生活習慣などについても学びます。
なお,フランス語Iは1年次の場合前期科目(週2コマ・半期で単位認定),再履修の場合は通年科目(週1コマ・通年で単位認定)となります。

対応DP及びCP:2,6,8
授業概要(教育目的) 5つの母音のみで成立する日本語と異なり,たくさんの母音を持つフランス語については,音声面での緻密な学習が不可欠です。初歩の文法的内容の理解・習得とともに,フランス語Iでは発音練習も重視します。
なお,フランス語の動詞の活用や形容詞の使い方には英語と大きく異なる点がたくさんあります。主語に応じて変化する様々な形を正しく身につけて,実際にフランス語で発話し,簡単な挨拶や自己紹介などでコミュニケーションの糸口が掴めるようになりましょう。
授業計画表
 
項目内容
第1回ガイダンスフランス語学習全般の進め方,授業の進め方,音声資料の使い方,辞書の使い方+単語の調べ方と単語帳の作り方などについて説明します。
【事前学習】1時間
テクストと指定辞書を持参すること。なお,この授業では必ずしも教科書の順番にはこだわらず,重要と思われる事項を中心に進めていきますので,毎回,予習と復習(ex.練習問題)の指定箇所に十分注意してください。
【事後学習】1時間
授業時に指示します。
第2回基礎編フランス語のアルファベットの読み方,
発音の基本事項について説明します。
簡単な挨拶の仕方も覚えましょう。
【事前学習】1時間
音声資料の「アルファベ」を聞き,自分なりにカタカナでふりがなを振ってみましょう。
【事後学習】1時間
授業で習った発音記号や練習内容を踏まえて,自宅で何度も練習してみましょう。
第3回主語人称代名詞と
動詞êtreの活用
英語よりもずっとたくさんある主語の言い方に慣れましょう。それらの主語に合わせて,動詞の活用もたくさん出てきますが,実際に聞こえてくる音の種類は限られています。音と一緒に,綴りもしっかり覚えましょう。
【事前学習】1時間
êtreの発音にふりがなをつけておきましょう。
【事後学習】1時間
発音,綴りが正しくできるよう,何度も練習しましょう。
第4回名詞の性と数フランス語の名詞にはすべて,男か女かの区別があります。机や椅子にも,そのような区別がつけられています。
【事前学習】1時間
名詞について,あらかじめ辞書で調べ,単語帳にまとめましょう。
【事後学習】1時間
単語帳を整理し,正しく発音しながら書き取りをして覚えましょう。

第5回形容詞主語が男性か女性か,単数なのか複数なのかによって,職業などを言う場合の形が変わっていきます。また,車や本などの無生物の単語についても,その単語が持つ固有の性別に基づき,形容詞の形を変える必要があります。
【事前学習】1時間
よく使われる形容詞の男女・単複に応じた変化を一覧表にしておきましょう。
【事後学習】1時間
次回の小テストに向けて,発音と綴り及び文法内容をしっかり覚えましょう。
第6回<形容詞の小テスト>

冠詞(定冠詞と不定冠詞)
授業内に行う小テストは,フランス語を聞き取ってフランス語で書く,という聞き取りのテストです。正しい綴りで普段から練習しておきましょう。
【事前学習】1時間
小テストの準備を万全に行って下さい。また,英語の定冠詞・不定冠詞の使い方をしっかり復習しておくこと。
【事後学習】1時間
難しかったところ,解答できなかったところは,前期期末試験に備え,重点的に復習しておきましょう。
第7回部分冠詞
中性代名詞概説
部分冠詞という名称はフランス語に特有のものですが,考え方としては英語の「不可算名詞」とよく似ています。
【事前学習】1時間
英語の「不可算名詞」にはどんなものがあるか,具体例だけでなく,それらをとりまとめるグループの名前も調べておきましょう。
【事後学習】1時間
フランス語特有の中性代名詞の使い方を重点的に復習しておきましょう。
第8回parler, aimerの活用

エリズィオン
-er型規則動詞のうち,頻繁に使われる動詞を学びます。
フランス語の発音をしやすくするために,弱い発音の母音を削ってしまうことがあります。日本人には苦手な部分なので,しっかり覚えましょう。
【事前学習】1時間
parlerとaimerの活用を全ての人称について書き出し,音声資料を聞いてふりがなを振っておきましょう。
【事後学習】1時間
活用に気をつけて,発音もしっかり練習しておきましょう。
第9回様々な-er型規則動詞の活用

国名,国民名,言語名
フランス語動詞の90%を占める,といわれている-er型規則動詞の活用を練習してゆきます。
国名を覚える際には,必ず冠詞(男女の区別)も一緒に覚えておきましょう。ただし,言語名は常に男性形です。
【事前学習】1時間
日独仏の他,イタリア,スペイン,中国,アメリカ,英国について調べておきましょう。
【事後学習】1時間
前置詞+定冠詞の縮約形に注意して,国ごとに異なる様々な使い方を整理し,正しく覚えましょう。
第10回<-er型規則動詞の小テスト>

avoirの活用
faireの活用
小テストは聞き取り問題です。

所有を表すなど普段の生活でよく使うだけでなく,後期の授業ではêtre同様,過去の時制を作る際にも必要になる重要な単語,avoirについて学びます。
【事前学習】1時間
小テストの準備をしっかりと。また,avoirとfaireの活用を書き出し,ダウンロード音声を聞いてふりがなを振っておきましょう。
【事後学習】1時間
授業時の説明を参考にして,発音記号をもとに正しい発音で練習し,綴りも覚えましょう。
第11回基数形容詞 1-24

時刻と年齢の表現
数に関する表現を学びます。プレゼンテーションでも必要になる部分ですから,正しく発音し,書けるようにしておきましょう。
【事前学習】1時間
音声資料を聞き,1から24までの数字の読み方にふりがなを振ってみましょう。
【事後学習】1時間
授業時の説明を参考にして,発音記号をもとに正しい発音で練習し,綴りも覚えましょう。
第12回<avoir及び時刻・年齢の表現の小テスト>

allerの活用と近接未来
allerは「行く」,という意味の動詞ですが,それだけではなく,近接未来,という表現にも使うことのできる大変便利な動詞です。しっかり覚えましょう。
【事前学習】1時間
小テストの準備に加え,allerの活用を書き出して,ふりがなを振っておくこと。
【事後学習】1時間
授業時の説明を参考にして,発音記号をもとに正しい発音で練習し,綴りも覚えましょう。
第13回前置詞+冠詞の縮約行く,来るといった動詞は,国名,都市名などを組み合わせて使う必要があります。その際,前置詞と国名に付く冠詞の2語は,合体して「縮約形」という特別な形になるので,注意が必要です。
【事前学習】1時間
第9回で学んだ国名とaller,venirを組み合わせるとどのように変化するか,あらかじめ調べてみましょう。
【事後学習】1時間
授業時の説明を参考にして,発音記号をもとに正しい発音で練習し,綴りも正確に覚えましょう。
第14回venirの活用と近接過去venirは「来る」という意味の動詞で,allerと対にして覚えておくべき大事な動詞です。近接過去の表現にも使われます。
【事前学習】1時間
venirの活用と読み方をあらかじめ調べておきましょう。
【事後学習】1時間
授業時の説明を参考にして,発音記号をもとに正しい発音で練習し,綴りも正確に覚えましょう。
第15回<aller, venirの直説法現在と
近接未来・近接過去の小テスト>

命令法,指示形容詞
命令法についてはおさらいのみ,期末テストでの出題は後期に行う予定です。
【事前学習】1時間
小テストの準備として,現在形だけでなく,近接未来と近接過去の使い方もしっかりおさらいしておくこと。
【事後学習】1時間
出題されたもの以外の人称での活用もしっかり復習しておきましょう。
第16回様々な提示表現
(Il y a+名詞の構文を含む)
ここに〜があります,など,英語のThere is (are)構文に相当する表現を学びます。
【事前学習】1時間
関連して,Voilàの表現やC'est〜の表現も調べておきましょう。
【事後学習】1時間
授業時の説明を参考にして,発音記号をもとに正しい発音で練習し,綴りも正確に覚えましょう。
第17回非人称構文時刻や天候,提示の表現など,日常よく使われる非人称構文を学びます。
【事前学習】1時間
様々な提示表現や時刻の表し方などをおさらいしておくこと。また,faireの活用や使い方を調べておきましょう。
【事後学習】1時間
授業時の説明を参考にして,発音記号をもとに正しい発音で練習し,綴りも正確に覚えましょう。
第18回全体疑問文:3つの構文疑問文について,意味は同じでもニュアンスが異なる3つの構文を学びます。
【事前学習】1時間
倒置疑問文に注意して,授業で指定された動詞の倒置形を調べておきましょう。
【事後学習】1時間
授業時の説明を参考にして,発音記号をもとに正しい発音で練習し,綴りも正確に覚えましょう。
第19回否定文
否定文と冠詞の変化
否定疑問文
否定文の作り方を学びます。
フランス語では,否定文になると冠詞を変化させなければならない場合があるので注意が必要です。また,否定疑問文で聞かれた際のSiとNonの使い分けにも十分注意してください。
【事前学習】1時間
英語の否定疑問に対する答え方を復習しておきましょう。
【事後学習】1時間
授業時の説明を参考にして,発音記号をもとに正しい発音で練習し,綴りも正確に覚えましょう。
第20回所有形容詞
形容詞の位置
名詞・形容詞の変化
所有形容詞は「私の」,とか「彼の」,という意味で使われる重要なパーツです。英語のhis, herなどの表現とは使い方が大きく異なるため,注意が必要です。
【事前学習】1時間
これまでに習った名詞の男女の区別をもう一度おさらいしておくこと。
【事後学習】1時間
授業時の説明を参考にして,発音記号をもとに正しい発音で練習し,綴りも正確に覚えましょう。
第21回-oir型動詞

疑問詞qui, quoi
voirやpouvoir, vouloirなど,日常よく使われる単語の活用を学びます。
【事前学習】1時間
授業で指定された動詞の活用をあらかじめ調べて,ふりがなを振っておきましょう。また,目的語に何をとるのか,使い方も調べておきましょう。
【事後学習】1時間
授業時の説明を参考にして,発音記号をもとに正しい発音で練習し,綴りも正確に覚えましょう。
第22回前置詞+疑問詞qui, quoi
序数詞
à+qui, à+quoiなどを用いた疑問文について学びます。
【事前学習】1時間
第11回で習った数詞の表現をもとに,序数詞の読み方を調べておきましょう。
【事後学習】1時間
授業時の説明を参考にして,発音記号をもとに正しい発音で練習し,綴りも正確に覚えましょう。
第23回疑問形容詞quelフランス語では疑問形容詞quelも,そのあとに続く単語の性数に合わせて,形を変える必要があります。
【事前学習】1時間
時刻や年齢を尋ねる表現を復習し,単語によって疑問形容詞が変化する実例を調べておきましょう。
【事後学習】1時間
授業時の説明を参考にして,発音記号をもとに正しい発音で練習し,綴りも正確に覚えましょう。
第24回疑問副詞où, quandどこで,いつ,などを尋ねるための,基本的な疑問文を作れるようにしましょう。
【事前学習】1時間
est-ce queとの組み合わせでどのような音の変化が起こるか,辞書で調べておきましょう。
【事後学習】1時間
授業時の説明を参考にして,発音記号をもとに正しい発音で練習し,綴りも正確に覚えましょう。
第25回疑問副詞comment, pourquoi, combienどのように,なぜ,どのくらい,などを尋ねるための基本的な疑問文の作り方を学びます。
【事前学習】1時間
それぞれの疑問副詞に対する答えの典型について,あらかじめ調べておきましょう。
【事後学習】1時間
授業時の説明を参考にして,発音記号をもとに正しい発音で練習し,綴りも正確に覚えましょう。
第26回様々な日常表現のまとめ旅行会話や日常表現としてすぐに役立つフレーズを,これまでの文法内容と関連づけて学びます。
【事前学習】1時間
辞書の付録CDに収録されているダイアローグのうち,指定されたものを聞いておくこと。
【事後学習】1時間
授業時の説明を参考にして,発音記号をもとに正しい発音で練習し,綴りも正確に覚えましょう。
第27回フランス語プレゼンテーション対策講座前期学習内容をもとに,自己紹介プレゼンテーションを準備するための解説を行います。
【事前学習】1時間
まずは日本語で自己紹介の内容を準備し,必要になる単語を下調べしましょう。
【事後学習】1時間
授業時の説明をもとに,プレゼンテーションを準備します。Wordで作成し必ずプリントアウトしたものを提出していただきます。
第28回フランス語でプレゼンテーション(配点:10点満点)名前,職業,年齢など,前期で学習した内容をもとに,簡単な自己紹介をフランス語で行ってもらいます。文法,発音の両方から評価します。
【事前学習】1時間
自分のプレゼンテーションをスムーズに行えるよう,繰り返し発音練習をしておくこと。
【事後学習】1時間
プレゼンテーション準備を前期テスト準備に生かしましょう。
第29回半年の学習内容を総復習半年間の学習内容全体を復習します。
【事前学習】1時間
前期の聞き取り問題を,すべての人称に変えて,練習してみましょう。
【事後学習】1時間
音声教材を使いながら,発音練習もしっかり行いましょう。
第30回確認試験と解説半年間の総ざらい。
100点満点のうち,40点分は小テストと同じ形式のフランス語聞き取り問題です。
【事前学習】2時間
聞き取り問題を中心に,半年分の総復習をしておきましょう。
【事後学習】1時間
後期に備えて,難しかったところをおさらいしておきましょう。
授業形式 講義と演習(フランス語聞き取り小テストを含む)を行います。特に,発音練習については毎回授業中に丁寧にフィードバックを行います。「確実に通じるフランス語」が話せるようになりましょう。
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 授業への
参画度
その他 合計
60% 0% 30% 0% 10% 100%
評価の特記事項 筆記試験(100点満点→60%の60点で計算)+小テスト(30点満点)+プレゼンテーション(10点満点)=100点,合計60点以上で合格。なお,4分の1以上欠席した場合は筆記試験の受験を認めません。
テキスト テクスト:東海麻衣子他著,『シェ・マドレーヌ』,駿河台出版社,2400円+税.
辞書:『プチ・ロワイヤル仏和辞典 第5版 小型版』,旺文社,税込4180円.
参考文献 授業時に随時紹介します。
オフィスアワー(授業相談) 可能な限り水曜または金曜の授業終了時にアポイントを取って下さい。もしくは金の12:20-12:30の間に,本館2階講師室で所在(授業後教室に残っていることや会議で不在のことがあります)を確認後,面接予定のアポイントを取り,指示された時間に本館2階講師室に来ること。
事前学習の内容など,学生へのメッセージ  語学の授業は1回でも休むと自分で取り返すのは困難です。毎回参加を習慣づけましょう。期末テストでは小テストと同様の聞き取り問題を4割分出題します。毎回8割は確保しましょう。
 授業では紙の辞書を徹底的に使い倒します。最新版の第5版(2020年刊行)を本館地下桜門書房で購入のこと。古い版や別な辞書を購入すると,頁数が一致せず支障が生じるので要注意。なお,実際の授業進行は教科書及びシラバスの順序とは異なることがあります。
 年2回,6月と11月に仏語検定試験が実施されています。(申込:約2ヶ月前。検定料4000~5000円。詳細は「仏検」で検索の上参照のこと)秋にはぜひ挑戦してみて下さい。