講義名 経済史Ⅰ ≪◇学部≫
講義開講時期 前期
曜日・時限 火3
単位数 2

担当教員
氏名
上村 能弘

学習目標(到達目標) 本講義では,以下の能力を身につけることを目指します。
1.世界資本主義経済の歴史的な成立過程を説明できる。
2.特に1870年代までの世界商品市場の歴史的な展開を説明できる。
3.特に1870年代までの世界金融市場の歴史的な展開を説明できる。
4.上記を綜合し,世界資本主義経済の歴史的な本質や特徴を理解できる。
対応DP及びCP:1, 2, 3, 5, 8
授業概要(教育目的) 「経済史」は,経済学の基幹科目のひとつである。1年次配当の本講義においては比較的幅広いテーマを扱うこととなるが,この講義が受講生諸君の次年度以降の本格的な経済学研究の出発点となるよう特に留意したい.また,観念的な理解に陥らないように,可能な限り具体的な史料によりながら講義を進めるつもりである。講義の進捗にあわせて,参考図書や補足的な史料についても紹介するので,下記のテキストとあわせ,これらを図書館等で大いに利用されたい。
授業計画表
 
項目内容
第1回授業ガイダンス履修上の注意,テキストと参考文献の紹介。
第2回「経済史」とはどんな学問か経済学における「経済史」の位置づけを明らかにする。
【準備学習】2時間
テキストの23~42ページを読んで,要点をメモしておくこと。
【事後学習】2時間
授業内容をよく復習し,授業中に出てきたキーワードを説明できるようにしておくこと。
第3回資本主義的「世界経済」の成立商品経済の歴史的契機を説明するとともに,準備的諸概念の整理を行う。
【準備学習】2時間
テキストの43~46ページを読んで,要点をメモしておくこと。
【事後学習】2時間
授業内容をよく復習し,授業中に出てきたキーワードを説明できるようにしておくこと。
第4回「拡張の16世紀」16世紀のヨーロッパにおける人口増加と農業生産の拡大について説明し,それを基礎としたヨーロッパの「拡張」の経済史的意義を明らかにする。
【準備学習】2時間
テキストの46~49ページを読んで,要点をメモしておくこと。
【事後学習】2時間
授業内容をよく復習し,授業中に出てきたキーワードを説明できるようにしておくこと。
第5回「危機の17世紀」17世紀の「危機」の本質と,特にフランドルとイングランドにおける「危機」への対応を説明する。
【準備学習】2時間
テキストの46~49ページを読んで,要点をメモしておくこと。
【事後学習】2時間
授業内容をよく復習し,授業中に出てきたキーワードを説明できるようにしておくこと。
第6回大西洋地域における奴隷貿易の展開Stapleの生産における社会的分業システムの形成過程について説明する。
【準備学習】2時間
テキストの49~53ページを読んで,要点をメモしておくこと。
【事後学習】2時間
授業内容をよく復習し,授業中に出てきたキーワードを説明できるようにしておくこと。
第7回「世界の綿工業」と世界恐慌「産業革命」の歴史的意義を,労働力の商品化の観点から考察するとともに,世界恐慌のメカニズムについて説明する。
【準備学習】2時間
テキストの57~65ページを読んで,要点をメモしておくこと。
【事後学習】2時間
授業内容をよく復習し,授業中に出てきたキーワードを説明できるようにしておくこと。
第8回世界商品市場の成立と展開〔Ⅰ〕綿製品と棉花,アヘンと茶と絹の交易を事例として取り上げながら,世界商品市場の成立と展開の経済史的意義について考察する。
【準備学習】2時間
テキストの65~68ページを読んで,要点をメモしておくこと。
【事後学習】2時間
授業内容をよく復習し,授業中に出てきたキーワードを説明できるようにしておくこと。
第9回世界商品市場の成立と展開〔Ⅱ〕世界商品市場における通商の具体的な仕組みについて説明する。
【準備学習】2時間
テキストの65~68ページを読んで,要点をメモしておくこと。
【事後学習】2時間
授業内容をよく復習し,授業中に出てきたキーワードを説明できるようにしておくこと。
第10回世界金融市場の成立と展開〔Ⅰ〕委託荷販売制度と,それを主導したマーチャント・バンカーの活動を取り上げながら,世界短期金融市場の成立と展開の経済史的意義について考察する。
【準備学習】2時間
テキストの68~74ページを読んで,要点をメモしておくこと。
【事後学習】2時間
授業内容をよく復習し,授業中に出てきたキーワードを説明できるようにしておくこと。
第11回世界金融市場の成立と展開〔Ⅱ〕ロンドンにおける各国政府債の発行状況を概説し,世界長期金融市場の成立と展開の経済史的意義について考察する。
【準備学習】2時間
テキストの74~84ページを読んで,要点をメモしておくこと。
【事後学習】2時間
授業内容をよく復習し,授業中に出てきたキーワードを説明できるようにしておくこと。
第12回鉄道建設の世界的進展「鉄道建設の第Ⅰ期」におけるイギリス,ヨーロッパ大陸,東インド,北アメリカの鉄道建設の事例を概説する。
【準備学習】2時間
テキストの84~99ページを読んで,要点をメモしておくこと。
【事後学習】2時間
授業内容をよく復習し,授業中に出てきたキーワードを説明できるようにしておくこと。
第13回鉄工業の発展「世界の鉄工所」から鉄道建設用資材が供給されたことを説明し,鉄工業の主導産業としての特徴を考察する。
【準備学習】2時間
テキストの101~110ページを読んで,要点をメモしておくこと。
【事後学習】2時間
授業内容をよく復習し,授業中に出てきたキーワードを説明できるようにしておくこと。
第14回鉄道建設のための資金調達ロンドンにおける鉄道債の発行と,それに果たしたマーチャント・バンカーの役割を概説し,世界金融市場の構造変動の意義を考察する。
【準備学習】2時間
テキストの111~124ページを読んで,要点をメモしておくこと。
【事後学習】2時間
授業内容をよく復習し,授業中に出てきたキーワードを説明できるようにしておくこと。
第15回まとめまとめ
【準備学習】2時間
テキストの124~130ページを読んで,要点をメモしておくこと。
【事後学習】2時間
授業内容をよく復習し,授業中に出てきたキーワードを説明できるようにしておくこと。
授業形式 講義形式。各回ごとに質疑応答の時間を設ける予定。時間内に十分な応答ができなければ,翌週の講義でフィードバックを行う。
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 授業への
参画度
その他 合計
50% 50% 0% 0% 0% 100%
評価の特記事項 「レポート」については,6月上旬ごろに実施の予定。また,前期末に実施する「定期試験」は,論述形式を予定。
テキスト 入江節次郎『世界経済史の方法と展開――経済史の新しいパラダイム(1820-1914年)』藤原書店,2002年,4,410円.ISBN:4-89434-273-1.
参考文献 講義の進捗にあわせ,適宜紹介する。
オフィスアワー(授業相談) 毎週水曜日14:00-14:30,本館2階講師室にて対応。事前にアポイントをとり,指示された時間帯に本館2階講師室に来ること。
事前学習の内容など,学生へのメッセージ 第1回目の「授業ガイダンス」の時間に,履修方法や事前学習・事後学習の方法・内容について説明を行うので,履修希望者は必ず出席されたい(毎年,特に履修方法を間違え,結果的に単位を取得できなくなる学生がいるので,十分注意されたい)。
また,上記「授業計画表」で示した各回の授業は,その都度,独立したテーマを扱うわけではなく,ひとつながりとなったものである。病気等のやむを得ない事情で授業を欠席した場合には,次回以降の授業内容が理解できなくなる可能性があるので,補習方法等についても講義担当者に相談されたい。