回 | 項目 | 内容 |
第1回 | 本講義の概要解説 | 交通経済論Ⅱにおける各回の講義概要を解説する。
【事前学習】2時間
テキスト(交通の経済分析:発展)の全体に目を通し,興味がわくテーマ,難解なテーマなどを予めピックアップしておくこと。
【事後学習】2時間
この時間に説明を受けた授業の目的と概要が自らが思い浮かべていたものと一致しているかどうか,どのような点が異なっているか,チェックすること。それを踏まえて教員への必要な質問を準備すること。 |
第2回 | 交通需要の予測モデル(1):逐次決定型モデル | 交通投資計画における単一方程式需要予測モデルについて述べる。
【事前学習】2時間
テキスト(交通の経済分析:発展)の土地利用パターンと交通需要の因果連鎖を表した図に目を通しておくこと。
【事後学習】2時間
土地利用パターンの推定に始まり,発生・誘因交通量,分布交通量,モード選択に至る段階的な需要予測構造と各段階における予測モデルを学修して理解する。 |
第3回 | 交通需要の予測モデル(2):同時決定型モデル,グラビティーモデル,効用最大化モデル | 交通投資計画における交通需要予測のための同時方程式型Kauモデルおよび単一方程式モデルでOD間分布交通量を予測するための重力モデル,そして交通モード間需要配分を予測する非効用モデルについて述べる。
【事前学習】2時間
テキスト(交通の経済分析:発展)で同時決定型Kauモデル,グラビティーモデル,非効用比較モデルを読んでおくこと。
【事後学習】2時間
同時決定型需要予測モデルの構造を理解するとともに,グラビティーモデルと非効用比較モデルの含意を学修する。 |
第4回 | 交通需要関数の推定(1):OLSのパラメータ推定 | 最小二乗回帰モデルパラメータ推定について解説する。
【事前学習】2時間
テキスト(交通の経済分析:発展)の「OLS」を読み,パラメータの推定手法について目を通しておくこと。
【事後学習】2時間
OLSモデルによる交通需要関数のパラメータをExcelを使って実際に推定してみる。 |
第5回 | 交通需要関数の推定(2):決定係数と推定値の検定 | 推定したパラメータの統計学的検定について述べる。
【事前学習】2時間
決定係数とパラメータ推定値のt値の求め方,およびこれらの検定の方法についてテキストを読んでおくこと。
【事後学習】2時間
OLSに基づいて交通需要関数の決定係数、t値、ダービン・ワトソン比を実際に推定してみる。 |
第6回 | 重回帰モデルによる航空輸送需要関数の推定 | 実際の航空輸送データを使った需要関数のOLS推定をExcelで実習する。
【事前学習】2時間
表計算ソフトExcelの使用法をマスターしておくこと。表計算ソフトに習熟していない受講生は使い込んで習熟しておくこと。
【事後学習】2時間
重回帰型の輸送需要関数を仮説的なデータを使って実際に推定し,推定結果を評価する。 |
第7回 | 小売り流通業における商圏の実際 | 小売業の業態と業態別に見た実際の商圏について述べる。
【事前学習】2時間
テキスト(交通の経済分析:発展)で第3章1節「卸・小売と商圏」について読んでおくこと。
【事後学習】2時間
小売業にあるさまざまな業態を理解し,それぞれに該当する主な企業と各業態に設定されている商圏を確認しておく。
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第8回 | 商圏決定のハフモデル | 商圏算定の基礎である「消費者の購買地選択確率が店舗の品揃え量に比例し,居住地~店舗間の距離に反比例する」とするハフモデルについて述べる。
【事前学習】2時間
テキスト(交通の経済分析:発展)で第3章2節「ハフモデル」の項を読んでおくこと。
【事後学習】2時間
ハフモデルに示された商圏設定モデルの考え方を理解する。 |
第9回 | 輸送費と市場領域(商圏の理論):市場領域モデル | 輸送費の水準によって市場が分割され,商圏が決まるとする考え方を理論的に解説する。
【事前学習】2時間
テキスト(交通の経済分析:発展)で第4章「市場モデル」および「商圏の理論」について読んでおくこと。
【事後学習】2時間
通常の物品の需要関数と輸送費を取り込んだ供給関数による市場の均衡点を求め,このモデルに基づいて商圏モデルが導出されるプロセスを理解する。 |
第10回 | 立地決定の方法(1):一般的な立地決定要因ー資源分布と人口動態 | 製造業の工場や流通業の販売店舗の立地決定に影響する資源賦存状況と人口・賃金の分布について述べる。
【事前学習】2時間
テキスト(交通の経済分析:発展)の第5章1節を読み,資源分布状況と人口動態が立地決定にいかなる影響を及ぼすのかについて考えておくこと。
【事後学習】2時間
生産する商品によって異なる自然条件が立地決定に及ぼす影響と,人口の規模、年齢構成、教育水準、賃金水準など人口動態に係る要因と立地決定の関わりを理解する。 |
第11回 | 立地決定の方法(2):一般的な立地決定要因ー交通インフラと産業クラスター | 立地選択に影響を与える交通インフラと産業集積について述べる。
【事前学習】2時間
テキスト(交通の経済分析:発展)の第5章1節を読み,交通インフラと産業クラスタ―が立地決定にいかなる影響を及ぼすのかについて考えておくこと。
【事後学習】2時間
高速道路や港湾・空港が立地に決定に重要な役割を果たす事例および産業集積の事例を調べる。 |
第12回 | 立地決定の方法(3):古典的立地理論 | チューネンの地代モデルとウェーバーの工業立地モデルについて述べる。
【事前学習】2時間
テキスト(交通の経済分析:発展)の第5章2節「立地理論の史的系譜」を読んでおくこと。
【事後学習】2時間
立地論の古典的理論であるチューネン,ウェーバー,フーバーの考え方を理解する。 |
第13回 | 立地決定の方法(4):直線型モデルとユークリッド型モデル | 実際の立地点を求めるためのもっとも簡略な二つのモデルについて述べる。
【事前学習】2時間
テキスト(交通の経済分析:発展)の第5章3節で多様な立地問題と多様な立地決定の方法論を学修し,簡単な二つのモデルによる最適立地点の求出法を見ておくこと。
【事後学習】2時間
ハブ&スポーク理論で重要となるターミナルの基本的な立地選定モデルの全体像を理解し,立地点の解法を学修する。 |
第14回 | 立地決定の方法(5):混合型モデル | 実用性に優れた産業立地選定モデルについて述べる。
【事前学習】2時間
工場や物流センターの立地点を求める第三の方法であるヒューリスティック法について,テキスト(交通の経済分析:発展)の第5章3節でその概要を理解しておくこと。
【事後学習】2時間
直線型モデル,ユークリッド型モデル,混合型モデルを使って立地決定をシミュレートする。 |
第15回 | 確認試験と試験の講評 | 第1回から第14回までの講義を通して学んだことの確認試験(60分)と解説(30分)を行う。 |