回 | 項目 | 内容 |
第1回 | 総論 | 自己紹介と講義全体の概要説明。経済と地域の関係、グローバリゼーション、人口減少社会、社会関係資本などの基礎的な概念を解説。 |
第2回 | 災害と復興・防災 | 東日本大震災・福島第一原発事故を中心に、災害が地域に与えるダメージとその回復はどのようにもたらされるかを考察。「復興」とは何か、いわゆる「ソフト防災」や「事前復興」の考え方にも言及。 |
第3回 | エネルギーと地域 | 原発事故からさかのぼり、エネルギー政策と地域経済の関係について歴史的に考察。脱・化石燃料と再生可能エネルギーの開発を通じた「里山資本主義」の考え方と実例も紹介。 |
第4回 | 少子高齢化と地域 | 少子高齢化とその帰結としての人口減少が地域の社会と経済にどのような影響をもたらすかを考察。いわゆる限界集落や地方消滅の実態を示し、国や自治体の取り組みを概観。 |
第5回 | 老いていく都市 | 人口減少と高齢化の都市部への影響を考察。いわゆる都市のスポンジ化や空き地・空き家(負動産)の増大、都市型限界集落などの問題について、その現状と国・自治体による対策を紹介。 |
第6回 | 経済発展と地域社会 | 東京一極集中の源流を高度経済成長期までさかのぼり、過疎・過密、公害問題など「成長の病」に政治はどう対処しようとしたのか、「国土の均衡ある発展」は成功したのか――などを考察。 |
第7回 | 食と農林水産業 | 経済成長の陰で衰退を続けてきた日本の農林水産業と農山漁村。その縮小過程と現状を確認する。食料安全保障と農林水産業の多面的機能の概念も紹介し、その非経済的価値をどのように維持・再生していくかを考える。 |
第8回 | 消費のかたち | 流通システムの巨大化・複雑化で生産と消費の現場は遠のき、そこにさまざまなリスクとゆがみが生じている。「コンビニ」や「ネット通販」の問題を通じ、望ましい消費市場の在り方を再考する。 |
第9回 | 地方経済の苦悩 | グローバル化を背景に工場の海外移転や商店街の空洞化に悩まされるローカル経済。主軸のサービス産業は人口減少を背景に人手不足が深刻化し、中小零細企業の事業承継も課題になっている。その動向と解決策を探る。 |
第10回 | 地域おこしの挑戦 | 「地方消滅」の危機感が高まる中、埋もれた地域資源の掘り起こしやコミュニティビジネスの起業、関係人口の獲得など新たな地域おこしの挑戦が各地で始まっている。さまざまな実例を紹介しながら、その可能性を検討。 |
第11回 | 市街地再生の試み | 人口減少を背景に模索が続けられる「コンパクトシティー&ネットワーク」(街の集約と連携)について実例を挙げつつ考察。危機に瀕する公共交通や医療機関の再編・再生についても問題点を整理し、解決の方向を探る。 |
第12回 | 地方自治と分権 | 地域を支える最大の制度的インフラは「自治体」だが、人口減少はその基盤をも揺るがす。市町村合併、ふるさと納税、住民参加(市民との協働)、公益事業の民営化、公務員の非正規化などの動きについて功罪を考える。 |
第13回 | 社会的孤立と包摂 | 所得格差の拡大や地縁・血縁の希薄化がもたらす社会的孤立。ひきこもり、単身高齢者、ひとり親・子どもの貧困など課題は多様化。地域共生社会の構築による社会的包摂は可能か。「子ども食堂」など具体的取り組みも紹介。 |
第14回 | 働き方と働き手 | 非正規雇用の増大で流動性を高めてきた労働市場。正社員も過酷な勤務を強いられ、過労死や過労自殺が深刻化している。同一賃金・同一労働、働き方改革、ユニバーサル就労などの動きについて論じる。 |
第15回 | 持続可能な社会 | 再生可能エネルギーの導入など地域再生の営みは人類共通の課題解決にもつながる。国連の掲げる「持続可能な開発目標」(SDGs)を手掛かりに「グローカル」(global+local)な視点で地域と地球の未来を展望。 |