講義名 マクロ経済学Ⅰ ≪◇学部≫
講義開講時期 後期
曜日・時限 火5・金3
単位数 4

担当教員
氏名
大内 雅浩

学習目標(到達目標) 「マクロ経済学Ⅰ」では,一国の経済活動の決定要因と経済政策の基礎理論を中心に学ぶ。この講義を通じて,現実のマクロ経済現象を読み解くマクロ経済学の構造を理解するための,最低限必要な「基礎知識」を習得し,「分析手法」を身に付け,「経済学の考え方」を理解することができる。

対応DP及びCP:1,2,3,4,5,8
授業概要(教育目的) 「マクロ経済学Ⅰ」の講義範囲は,共通テキストにおける第1章~第6章とする。

定期試験で実施される共通試験が,評価の50%となる。
共通試験範囲は第2章~第6章とするが,第3章を除く。

なお,講義範囲が共通試験範囲を超える部分の扱いについては各担当教員のシラバスに従う。また,「マクロ経済学Ⅱ」の履修は「マクロ経済学Ⅰ」の単位取得を前提としている。高校までの数学の基礎知識の復習を強く勧める。
授業計画表
 
項目内容
第1回イントロダクション「マクロ経済学」の概要・講義方針・評価等について説明を行います。履修者は単位取得にかかわる説明があるので必ず出席してください。
【事前学習】2時間
テキストの目次および学習領域(1章-6章)を通して何を学ぶのかを自分なりに考えてみる。
【事後学習】2時間
ガイダンスを通じて、どのような視点から主にどのような経済学のツールを学ぶのかを言えるようにしておく。
第2回日本の経済循環と変動とくにバブル崩壊後の「失われた20年」の日本経済のマクロ経済の実際の動きを外観しながら,フロー量とストック量,マクロ経済学が対象とする「市場」について,名目と実質の区別等を学習します。
【学習準備】第1章
【学習目標】フロー量とストック量/名目と実質の区別
【事前学習】2時間
テキストを読んでおくこと。
【事後学習】2時間
講義内容をよく復習し,重要なキーワードや図の説明ができるようにしておくこと。
第3回GDPの概念と物価指数①GDPとは何か・・・なぜ経済的幸福度を表せるか。
【学習準備】第2章
【学習目標】国内総生産(GDP),付加価値、帰属計算等をマスターする。
【事前学習】2時間
テキストを読んでおくこと。
【事後学習】2時間
講義内容をよく復習し,重要なキーワードや図の説明ができるようにしておくこと。
第4回GDPの概念と物価指数②三面等価の『原則』とは何か。一国の生産面・支出面・分配面のしくみを考えます。
【学習準備】第2章
【学習目標】三面等価の原則をマスターする。
【事前学習】2時間
テキストを読んでおくこと。
【事後学習】2時間
講義内容をよく復習し,重要なキーワードや図の説明ができるようにしておくこと。
第5回GDPの概念と物価指数③I S バランスと財政収支・貿易サービス収支
【学習準備】第2章
【学習目標】ここまで学習してきたマクロ経済学の重要な式から,一国の経常収支と貯蓄・財政の関係をマスターする。
【事前学習】2時間
テキストを読んでおくこと。
【事後学習】2時間
講義内容をよく復習し,重要なキーワードや図の説明ができるようにしておくこと。
第6回GDPの概念と物価指数④物価指数の指標
【学習準備】第2章
【学習目標】物価を表す指標(GDPデフレーター/消費者物価指数等)についてマスターする。
【事前学習】2時間
テキストを読んでおくこと。
【事後学習】2時間
講義内容をよく復習し,重要なキーワードや図の説明ができるようにしておくこと。
第7回GDPの概念と物価指数のまとめGDPの指標がなぜ重要であったのか考える。確認小テストをする。
【事前学習】2時間
全体を通して配布プリント・テキストを読んでおくこと。
【事後学習】2時間
講義内容をよく復習し,重要なキーワードや図の説明ができるようにしておくこと。
第8回所得(GDP)の決定①所得(GDP)決定の考え方(1)。
【学習準備】第4章
【学習目標】マクロ経済の需要と供給の基本的な調整方法~数量調整(有効需要の原理)の考え方についてマスターする。
【事前学習】2時間
テキストを読んでおくこと。
【事後学習】2時間
講義内容をよく復習し,重要なキーワードや図の説明ができるようにしておくこと。
第9回所得(GDP)の決定②所得(GDP)決定の考え方(2)。
【学習準備】第4章
【学習目標】総需要における,消費関数/貯蓄関数をマスターする。
【事前学習】2時間
テキストを読んでおくこと。
【事後学習】2時間
講義内容をよく復習し,重要なキーワードや図の説明ができるようにしておくこと。
第10回所得(GDP)の決定③所得(GDP)決定の考え方(3)。
【学習準備】第4章
【学習目標】一国のGDPはどのような水準に決まるかを説明する「45度線モデル」をマスターする。
【事前学習】2時間
テキストを読んでおくこと。
【事後学習】2時間
講義内容をよく復習し,重要なキーワードや図の説明ができるようにしておくこと。
第11回所得(GDP)の決定④所得(GDP)決定の考え方(4)。
【学習準備】第4章
【学習目標】過少雇用均衡(失業者がいる場合)等に発動すべき財政政策と乗数という考えをマスターする。
【事前学習】2時間
テキストを読んでおくこと。
【事後学習】2時間
講義内容をよく復習し,重要なキーワードや図の説明ができるようにしておくこと。
第12回所得(GDP)の決定⑤所得(GDP)決定の考え方(5)。
【学習準備】第4章
【学習目標】金融市場で決まる利子率の動きに連動する投資関数について/インフレギャップ・デフレギャップ時の経済政策の方法についてマスターする。
【事前学習】2時間
テキストを読んでおくこと。
【事後学習】2時間
講義内容をよく復習し,重要なキーワードや図の説明ができるようにしておくこと。
第13回所得(GDP)の決定のまとめ
一国の所得がどのような理論でどのように説明されたのかを再び考える。確認小テストをする。
【事前学習】2時間
全体を通して配布プリント・テキストを読んでおくこと。
【事後学習】2時間
講義内容をよく復習し,重要なキーワードや図の説明ができるようにしておくこと。
第14回貨幣の需給と利子率①貨幣/利子率決定の考え方(1)。貨幣市場と債券市場とは。
【学習準備】第5章
【学習目標】「ワルラス法則」の考え方から貨幣市場をなぜ取り上げるのかをマスターする。
【事前学習】2時間
テキストを読んでおくこと。
【事後学習】2時間
講義内容をよく復習し,重要なキーワードや図の説明ができるようにしておくこと。
第15回貨幣の需給と利子率②貨幣/利子率決定の考え方(2)。<定義>貨幣とは何か。
【学習準備】第5章
【学習目標】貨幣に備わる3つの機能/債券価格と利子率の関係/貨幣需要関数をマスターする。
【事前学習】2時間
テキストを読んでおくこと。
【事後学習】2時間
講義内容をよく復習し,重要なキーワードや図の説明ができるようにしておくこと。
第16回貨幣の需給と利子率③貨幣/利子率決定の考え方(3)。マクロ経済学の『マネー』とは。
【学習準備】第5章
【学習目標】中央銀行と金融政策の仕組みについてマスターする。コールレート市場。
【事前学習】2時間
テキストを読んでおくこと。
【事後学習】2時間
講義内容をよく復習し,重要なキーワードや図の説明ができるようにしておくこと。
第17回貨幣の需給と利子率④貨幣/利子率決定の考え方(4)。
【学習準備】第5章
【学習目標】ハイパワードマネーのコントロールと金融政策についてマスターする。
【事前学習】2時間
テキストを読んでおくこと。
【事後学習】2時間
講義内容をよく復習し,重要なキーワードや図の説明ができるようにしておくこと。
第18回貨幣の需給と利子率⑤貨幣/利子率決定の考え方(5)
【学習準備】第5章
【学習目標】通貨乗数/預金(信用)創造という仕組みをマスターする。
【事前学習】2時間
テキストを読んでおくこと。
【事後学習】2時間
講義内容をよく復習し,重要なキーワードや図の説明ができるようにしておくこと。
第19回貨幣の需給と利子率⑥貨幣/利子率決定の考え方(6)。
【学習準備】第5章
【学習目標】貨幣市場の均衡と利子率の決定の仕組みをマスターする。
【事前学習】2時間
テキストを読んでおくこと。
【事後学習】2時間
講義内容をよく復習し,重要なキーワードや図の説明ができるようにしておくこと。
第20回貨幣の需給と利子率のまとめ貨幣残高の需給の世界で利子率がどのように決まり,説明されたのかを再び考える。確認小テストをする。
【事前学習】2時間
全体を通して配布プリント・テキストを読んでおくこと。
【事後学習】2時間
講義内容をよく復習し,重要なキーワードや図の説明ができるようにしておくこと。
第21回IS/LMモデル①IS/LMモデルを作る(1)。
【学習準備】第6章
【学習目標】ある利子率で均衡する財市場におけるGDPの水準を表す「IS曲線」をマスターする。投資関数の復習。
【事前学習】2時間
テキストを読んでおくこと。
【事後学習】2時間
講義内容をよく復習し,重要なキーワードや図の説明ができるようにしておくこと。
第22回IS/LMモデル②IS/LMモデルを作る(2)。
【学習準備】第6章
【学習目標】あるGDPで均衡する貨幣市場における利子率の水準を表す「LM曲線」をマスターする。貨幣需要関数の復習。
【事前学習】2時間
テキストを読んでおくこと。
【事後学習】2時間
講義内容をよく復習し,重要なキーワードや図の説明ができるようにしておくこと。
第23回IS/LMモデル③IS/LMモデルを作る(3)。
【学習準備】第6章
【学習目標】フロー量とストック量/名目と実質の区別
総需要管理政策とIS/LM曲線のシフトの仕方
【事前学習】2時間
テキストを読んでおくこと。
【事後学習】2時間
講義内容をよく復習し,重要なキーワードや図の説明ができるようにしておくこと。
第24回IS/LMモデル④IS/LMモデルを作る(4)。
【学習準備】第6章
【学習目標】財市場と貨幣市場の同時均衡(IS/LM均衡)を表すGDPと完全雇用GDPの区別をマスターする。
【事前学習】2時間
テキストを読んでおくこと。
【事後学習】2時間
講義内容をよく復習し,重要なキーワードや図の説明ができるようにしておくこと。
第25回IS/LMモデル⑤IS/LMモデルを作る(5)。
【学習準備】第6章
【学習目標】過少雇用均衡のケースで発動する総需要管理政策(財政政策と金融政策)についてマスターする。
【事前学習】2時間
テキストを読んでおくこと。
【事後学習】2時間
講義内容をよく復習し,重要なキーワードや図の説明ができるようにしておくこと。
第26回IS/LMモデル⑥IS/LMモデルを作る(6)。
【学習準備】第6章
【学習目標】利子率の下限が存在するケースで考えられる『流動性の罠』とは何かをマスターする。
【事前学習】2時間
テキストを読んでおくこと。
【事後学習】2時間
講義内容をよく復習し,重要なキーワードや図の説明ができるようにしておくこと。
第27回IS/LMモデルのまとめIS/LMモデルによって,所得と利子率が同時にどのように決定され,説明されることになったのかを再び考える。確認小テストをする。
【事前学習】2時間
全体を通して配布プリント・テキストを読んでおくこと。
【事後学習】2時間
講義内容をよく復習し,重要なキーワードや図の説明ができるようにしておくこと。
第28回IS/LMモデルで読み解く日本経済IS/LMモデルを用いて,1990年代のバブル崩壊から長期停滞に至る過程やアベノミクスなど,日本経済に起きた経済を考える。
【事前学習】2時間
テキスト第1章と第6章を読んでおくこと。
【事後学習】2時間
講義内容をよく復習し,重要なキーワードや図の説明ができるようにしておくこと。
第29回第2章GDPの決定 - 第4章所得/GDPの決定の補足まとめ(1)第2章GDPの決定 - 第4章所得/GDPの決定についての補足をする。
【事前学習】2時間
これまでの配布プリント・テキストを見直し,各章末にある練習問題を用いて復習しておくこと。
【事後学習】2時間
講義内容をよく復習し,重要なキーワードや図の説明ができるようにしておくこと。
第30回第5章ストック市場,貨幣の需給と利子率 - 第6章IS/LMと財政金融政策の補足まとめ(2)第5章ストック市場,貨幣の需給と利子率 - 第6章IS/LMと財政金融政策についての補足をする。
【事前学習】2時間
これまでの配布プリント・テキストを見直し,各章末にある練習問題を用いて復習しておくこと。
【事後学習】2時間
講義内容をよく復習し,重要なキーワードや図の説明ができるようにしておくこと。
授業形式 講義を行い,章毎に理解と定着のための確認テストを行う。
質問などへのフィードバックは時間が許す限り授業終了時に行う。
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 授業への
参画度
その他 合計
50% 0% 0% 0% 50% 100%
評価の特記事項 学年末に行われる定期試験(60分)で、共通試験と個別試験が同時に実施されます。成績評価については、50%は共通試験,残り50%は定期試験での個別試験及び各教員の配点とします。
テキスト 中谷巌『入門マクロ経済学』第5版,日本評論社。
参考文献 適宜,資料・プリントを配布する。
オフィスアワー(授業相談) 水曜日16:30- 詳細は講義時に指示する。
事前学習の内容など,学生へのメッセージ マクロ経済学は一国規模の経済をアカデミックに理解・分析する基礎文法です。マクロ経済学を理解する近道は(1)授業毎の予習によって理解が容易となるのでテキストを最低1回は読んでおくこと,(2)マクロ経済学の科目は積み木のように論理を積み重ねていくので欠席するとその後の理解が非常に困難になるので学生は真摯に取り組むこと,(3)何より講義中に理解しようとする姿勢で取り組むことです。特に(3)を疎かにすれば単位取得は困難です。マクロ経済学は世の中の基礎構造を知ることができる実践的ツールです。真面目についていけば新聞等の媒体から,学生自身が知識を積極的に広げていけるので知的に面白いでしょう。