講義名 生徒指導・進路指導論 ≪◇学部≫
講義開講時期 前期
曜日・時限 木5
単位数 2

担当教員
氏名
宇野 彰人

学習目標(到達目標) 1.学校教育における「生徒指導」の意義と役割を学校現場の視点から捉え、理解することができる。
(論理的・批判的思考力)DP-3,CP-3に相当
2.生徒指導上の今日的課題について法令や統計などの資料から的確に捉え説明できるとともに、対応策を考察することができる
(問題発見・解決力)DP-4,CP‐4(コミュニケーション力)DP-6、Cp-6に相当
3.キャリア教育の視点から進路指導を捉え、効果的な指導を工夫できる。
(問題発見・解決力)DP‐4、CP-4(世界の現状を理解し、説明する力)DP-2,CP‐2に相当

授業概要(教育目的) 本講義では、学校教育が教科教育を中心とした「認知文化」の習得と、生徒指導を中心とした「規範文化」の習得の両輪から教育効果を高めるという基本的理解に導く。そのため、生徒指導上のいくつかの課題について、様々な資料から個人研究やグループディスカッション、知識構成型ジグソー法を用いて主体的・対話的で深い学びを行い、教師のみならず社会人としてエビデンスに基づく考察や公正な判断、主体的な態度の育成を目指す。
授業計画表
 
項目内容
第1回生徒指導の意義と役割
⑴「校則」について考える
ブラック校則がマスコミに取り上げられている。新聞記事やその他の資料をもとに、「校則」がなぜ存在するのか、そして「校則」は必要なのか。必要ないのかディスカッションする。
【事前学習】2時間
「生徒指導提要」pp.142~147をよく読み、内容を共通理解のもとディスカッションできるようにしておくこと。
【事後学習】2時間
ブラック校則について自分の考えをまとめ、レポートを提出できるようにしておく。
第2回生徒指導の意義と役割
⑵規範意識の醸成
規範意識の低下の現状とコンプライアンスの関係を考察しながら規範意識の醸成の方策を追究する。
【事前学習】2時間
「規範」の意味を調べておく。また規範意識低下の具体例を挙げられるようにしておくこと。
【事後学習】2時間
規範意識を醸成する方策について自分の考えをまとめ、レポートを提出できるようにしておく。
第3回生徒指導の意義と役割
⑶生徒指導の意義と原理
生徒指導の定義と集団指導、個別指導の方法原理及び生徒指導の機能を考える。
【事前学習】2時間
「生徒指導提要」pp.1~22をよく読み、理解しておくこと。
【事後学習】2時間
授業内容を復習し、説明できるようにしておく。
第4回生徒指導の方法生徒指導の場面及び組織的・計画的運営について考える。
【事前学習】2時間
「生徒指導提要」pp.75~91をよく読み、理解しておくこと。
【事後学習】2時間
授業内容を復習し、説明できるようにしておく。
第5回生徒指導と関連法規「いじめ」「不登校」「虐待」など社会問題化している生徒指導上の諸課題について、事例と法令を通して考察する。
【事前学習】2時間
「生徒指導提要」の「Ⅱ個別の課題を抱える児童生徒への指導」の第6節、第10節、第12節をよく読み理解しておく。
【事後学習】2時間
法令等に基づく「定義」について覚え、次時のテストに備えておく。
第6回資料から見る生徒指導上の諸課題の現況及び「定義」に関するテスト「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果(文科省)」等の資料を通して生徒指導上の諸課題の現況を考察する。
【事前学習】2時間
「生徒指導」、「いじめ」、「不登校」、「虐待」の定義を覚えておく。
【事後学習】2時間
データから基本的事項をワークシートにまとめておく
第7回「不登校」と「ひきこもり」の課題と対応策「不登校」と「ひきこもり」を比較考察しながらその様々な対策を調べ考察する。
【事前学習】2時間
自治体やNPOなどの不登校対策を調べ、発表できるようにしておく
【事後学習】
授業内容を復習し、説明できるようにしておく

第8回「不登校」対策(「中1ギャップ」を克服するために中1で急激に増加する不登校の実態を捉え、その理由と対応策をディスカッションする。
【事前学習】2時間
ディスカッションで自分の意見を発表できるように準備しておくこと
【事後学習】2時間
ディスカッションを通して自分の考えをまとめ、レポートを作成し、提出できるようにしておく。
第9回「いじめ」を撲滅するために
⑴仮説を立てる:なぜいじめはなくならないのか
グループを構成し、いじめはなぜなくならないのかディスカッションし、仮説を立てる。あらかじめ用意された調査研究項目について担当者を決める。
【事前学習】2時間
古今東西で、いじめがなぜなくならないのか自分の考えをまとめておき、グループディスカッションで意見が言えるようにしておく。
【事後学習】4時間
自分の担当項目について文献やネットなどから情報収集・整理し、レポートにまとめ、発表できるようにしておく。
第10回「いじめ」を撲滅するために
⑵多面的・多角的な考察:項目ごとのグループにおける調査研究と結果の共有
同じ項目を担当した者同士でグループを作り、調査研究した内容を発表し合う。また共通理解できた部分等をプレゼンするための内容と方法を考える。
【事前学習】
自分の担当項目についてまとめ、データを示しながら発表できるようにしておくこと。
【事後学習>
互いに連絡を取り合い、担当項目についてプレゼンする準備を行う。
第11回「いじめ」を撲滅するために
⑶プレゼンテーション:各項目グループごとのプレゼンと総合評価
項目ごとのグループが調査研究のまとめをICT機器を使ってプレゼンする。その際参考文献等を明示する。各グループの発表について相互評価を行う。
【事前学習】2時間
グループ内で連絡を取り合い、プレゼンの準備を終わらせておく。
【事後学習】2時間
授業の内容を復習し、説明できるようにしておく。


第12回「いじめ」を撲滅するために
⑷仮説の検証とまとめ
元のグループに戻り、各自が仮説についてそれぞれの項目の専門家の立場から検証し、グループとしての結論をレポートにまとめる。
【事前学習】2時間
仮説を自分が調べた項目の立場から検証し、自分の意見を述べることができるようにしておくこと。
【事後学習】2時間
グループで一つにまとめたレポートを提出できるようにしておく。自己評価表を完成させておく。
第13回キャリア教育と進路指導
中教審答申(平成28年12月21日)をもとに、進路指導の現状や課題を明らかにしながらキャリア教育の視点から進路指導の在り方を考える。
【事前学習】2時間
答申を検索し、その内容を理解しておくこと。
【事後学習】2時間
ホームルームの時間に生徒に講話する場面を想定して、内容を考えておく。
第14回進路相談への対応進路や生き方などの悩みの相談に教師としてどのように対応するかシミュレーションする。各自の講話の相互評価を行う。
【事前学習】2時間
自分の講話内容を発表原稿にまとめておくこと。
【事後学習】2時間
一人一人の講話内容を振り返り、参考にする。
第15回まとめと自己評価生徒指導の授業全体を振り返るとともに、自己評価を行う
【事前学習】2時間
授業全体を振り返り、学んだことを発表できるようにしておくこと。
【事後学習】2時間
授業全体を復習する。
授業形式 資料の読み取りやグループディスカッション、知識構成型ジグソー法などを通して「主体的・対話的で深い学び」を実践しながら生徒指導・進路指導力を身に付ける。なお、授業中「法令」や「様々なデータ」にアクセスしながら進める場面が多くあるので、各自スマホやノートパソコンなどで随時検索できるよう準備をしておくこと。
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 授業への
参画度
その他 合計
0% 40% 30% 30% 0% 100%
評価の特記事項 中間時に生徒指導上の重要概念(定義)についての小テストを実施する。
テキスト 文部科学省『生徒指導提要』教育図書 290円
参考文献 苅谷剛彦『学校って何だろう』(ちくま書房) 770円
オフィスアワー(授業相談) 授業時に指示する。
事前学習の内容など,学生へのメッセージ 教職科目のなかでも「生活指導」に関する科目であるため、受講する学生自身の受講態度や提出物の提出状況等、教師を目指す者としてふさわしい態度が求められる。