講義名 外国史概説 ≪◇学部≫
講義開講時期 通年
曜日・時限 水3
単位数 4

担当教員
氏名
高草木 邦人

学習目標(到達目標) 本講義では、以下の能力を身につけることを目指します。
 1.世界史の基礎的な知識を学び、世界史の概略を説明することができる
 2.縦軸(時間)と横軸(地理)から、前近代の諸王朝の興亡と各文化圏の交流・対立を理解することができる
 3.縦軸(時間)と横軸(地理)から、近現代におけるヨーロッパ列強の台頭と超大国の出現を理解することができる 
 4.東アジア世界、ヨーロッパ・地中海世界、イスラーム世界の特徴を学び、各世界の政治・経済・文化などを比較検討することができる
 5.世界史における様々な事象や事件を因果関係で結び付け、歴史の流れを他者に対して論理的に説明することができる
授業概要(教育目的) ある国・地域の歴史は、その国で完結するものではなく、近隣諸国や他の文化圏との関連をもちます。そこで、本講義は、時間の流れを縦軸として、また地理的広がりを横軸として、世歴史を概観してきます。この広い視点から歴史をとらえることで、各国・各地域の政治・経済・文化などを比較検討していきます。また、本講義は、暗記科目としての歴史ではなく、学習した知識をもとに思考し、その知識を整理し、他者に伝達することも重視しています。単に歴史的知識を覚えるだけでなく、事象の因果関係を意識し、歴史の流れを学ぶようにしてください。そして、講義で得た知識を他者にわかりやすく伝えられるように、まとめる能力を養ってください。
授業計画表
 
項目内容
第1回オリエント世界と東アジア世界の形成【前8世紀~前4世紀】アケメネス朝ペルシアからアレクサンドロス大王の帝国までのオリエント世界、春秋戦国時代の東アジアについて学びます。
【事前学習】2時間
 高等学校の世界史の教科書などを使い、古代オリエント、古代ギリシア、ヘレニズム時代、中国の初期王朝(殷・周)、春秋・戦国時代を復習しておくこと。
【事後学習】2時間
 講義で配布した資料をもとに復習しておくこと。
第2回古代帝国の形成【前3世紀~前1世紀】共和政ローマによる地中海帝国の形成過程と秦漢王朝による中華帝国の形成について学びます。
【事前学習】2時間
 テキストの「秦漢帝国」の前半、および「ローマの発展と帝国形成」を読んでおくこと。
【事後学習】2時間
 講義で配布した資料をもとに復習しておくこと。
第3回古代帝国の変容と発展【1世紀~2世紀】帝政ローマによる地中海世界の支配と後漢による東アジア世界の支配を学びます。
【事前学習】2時間
 テキストの「秦漢帝国」の後半、および「ローマ帝国の繁栄とキリスト教」を読んでおくこと。
【事後学習】2時間
 講義で配布した資料をもとに復習しておくこと。
第4回古代帝国の分裂と衰退【3世紀~5世紀】地中海世界における軍人皇帝時代とゲルマン人の移動と東アジア世界における三国時代と五胡十六国について学びます。
【事前学習】2時間
 テキストの「分裂と融合の時代」、および「ローマ帝国の衰退」を読んでおくこと。
【事後学習】2時間
 講義で配布した資料をもとに復習しておくこと。
第5回古代における世界帝国とその周辺地中海世界と東アジア世界の世界帝国に従属していた諸地域について学びます。
【事前学習】2時間
第4回までの講義の内容を復習して、重要なポイントをまとめておくこと。
【事後学習】2時間
 講義で配布した資料をもとに復習しておくこと
第6回イスラームの誕生と中華帝国の拡大【6世紀~7世紀】東ローマ帝国とササン朝ペルシアの対立、イスラームの誕生とウマイヤ朝の成立、隋唐帝国の成立について学びます。
【事前学習】2時間
 テキストの「隋唐帝国と東アジア」の前半、「イスラーム教の誕生とカリフ政権」の前半、および「古代から中世へ」を読んでおくこと。
【事後学習】2時間
 講義で配布した資料をもとに復習しておくこと。
第7回イスラーム帝国と2つのキリスト教国【8世紀~9世紀】アッバース朝の成立、「西ローマ帝国」の復活、唐の衰退について学びます。
【事前学習】2時間
 テキストの「隋唐帝国と東アジア」の後半、「イスラーム教の誕生とカリフ政権」の後半、および「カール大帝とヨーロッパ」の前半を読んでおくこと。
【事後学習】2時間
 講義で配布した資料をもとに復習しておくこと。
第8回帝国における最高権威の変容と分裂【10世紀~11世紀】ヨーロッパ世界における叙任権闘争、イスラーム世界におけるアッバース朝の衰退、東アジア世界における宋と北方諸民族について学びます。
【事前学習】2時間
 テキストの「宋と周辺諸国」の前半、「政治と文化の多元性」の前半、および「カール大帝とヨーロッパ」の後半を読んでおくこと。
【事後学習】2時間
 講義で配布した資料をもとに復習しておくこと。
第9回挟撃されたイスラーム世界【12世紀~13世紀】十字軍によるキリスト教世界の拡大とモンゴルによる世界帝国の形成について学びます。
【事前学習】2時間
 テキストの「宋と周辺諸国」の後半と「モンゴル帝国」、「政治と文化の多元性」の後半、および「教皇権の確立と十字軍」と「ヨーロッパの膨張と成熟」を読んでおくこと。
【事後学習】2時間
 講義で配布した資料をもとに復習しておくこと。
第10回ポスト・モンゴルとキリスト教世界の形成【14世紀】朱元璋による明帝国の建国、ティムールによる帝国の復興、ヨーロッパ世界におけるローマ教皇の弱体化について学びます。
【事前学習】2時間
 テキストの「宋と周辺諸国」の後半と「モンゴル帝国」、「政治と文化の多元性」の後半、および「教皇権の確立と十字軍」と「ヨーロッパの膨張と成熟」を読んでおくこと。
【事後学習】2時間
 講義で配布した資料をもとに復習しておくこと。
第11回皇帝権力と中央集権化【15世紀】永楽帝による明帝国の拡大、メフメト2世によるオスマン帝国の拡大、英・独・仏の国家形成について学びます。
【事前学習】2時間
 テキストの「明代の朝貢世界」の後半、「オスマン朝」の前半および「ヨーロッパの危機と再生」の後半を読んでおくこと。
【事後学習】2時間
 講義で配布した資料をもとに復習しておくこと。
第12回中世における世界帝国とその周辺地中海世界、東アジア世界、イスラーム世界の世界帝国に従属していた諸地域について学びます。
【事前学習】2時間
 第11回までの講義の内容を復習して、重要なポイントをまとめておくこと。
【事後学習】2時間
 講義で配布した資料をもとに復習しておくこと。
第13回3つの世界の接触【16世紀前半】ヨーロッパ世界における大航海時代と宗教改革、イスラーム世界におけるオスマン帝国の台頭、東アジア世界における北虜南倭について学びます。
【事前学習】2時間
 テキストの「大交易時代の東アジア・東南アジア」の前半、「オスマン朝」の後半と「サファヴィー朝とムガル朝」の前半、「近世のはじまり」および「宗教改革」の前半を読んでおくこと。
【事後学習】2時間
 講義で配布した資料をもとに復習しておくこと。
第14回中央集権化と地域の抵抗【16世紀後半】ヨーロッパ世界におけるスペインの盛衰、イスラーム世界におけるサファヴィー朝の台頭、東アジア世界における明帝国の衰退について学びます。
【事前学習】2時間
 テキストの「大交易時代の東アジア・東南アジア」の後半、「オスマン朝」の後半と「サファヴィー朝とムガル朝」の後半、「宗教改革」の後半および「主権国家体制」の前半を読んでおくこと。
【事後学習】2時間
 講義で配布した資料をもとに復習しておくこと。
第15回3つの世界における再編成【17世紀前半】ヨーロッパ世界における三十年戦争の勃発と終結、イスラーム世界における三王朝の棲み分け、東アジア世界における王朝交代について学びます。
【事前学習】2時間
 テキストの「大交易時代の東アジア・東南アジア」の後半、および「主権国家体制」の後半を読んでおくこと。
【事後学習】2時間
 試験の解説をもとに試験の復習をしておくこと。
第16回ヨーロッパ世界の勢力均衡と東アジア世界の一体化【17世紀後半】ルイ14世の外交政策、オスマン帝国の弱体化、康熙帝による東アジア世界の統治について学びます。
【事前学習】2時間
 テキストの「清朝支配の拡大」の前半、および「オランダの覇権から英・仏の抗争へ」を読んでおくこと。
【事後学習】2時間
 講義で配布した資料をもとに復習しておくこと。
第17回中華帝国の拡大とヨーロッパ世界の再編【18世紀前半】康熙帝から雍正帝の外交と内政、ヨーロッパ世界におけるロシアとプロイセンの台頭、サファヴィー朝の滅亡について学びます。 
【事前学習】2時間
 テキストの「清朝支配の拡大」の中盤、および「北欧・東欧の動向」を読んでおくこと。
【事後学習】2時間
 講義で配布した資料をもとに復習しておくこと。
第18回近世における世界帝国とその周辺地中海世界、東アジア世界、イスラーム世界の世界帝国に従属していた諸地域について学びます。
【事前学習】2時間
 第17回までの講義の内容を復習して、重要なポイントをまとめておくこと。
【事後学習】2時間
 講義で配布した資料をもとに復習しておくこと
第19回華夷秩序の完成と大西洋革命の勃発【18世紀後半】乾隆帝のもとでの清朝の最盛期、アメリカ独立戦争およびフランス革命の勃発、オスマン帝国におけるセリム3世の諸改革について学びます。
【事前学習】2時間
 テキストの「清朝支配の拡大」の後半、「アメリカ革命」、および「フランス革命とナポレオン」の前半を読んでおくこと。
【事後学習】2時間
 講義で配布した資料をもとに復習しておくこと。
第20回国民国家理念の拡大と非西欧世界の弱体化【19世紀前半】ナポレオン戦争からウィーン体制期における国民国家理念の発展、オスマン帝国におけるマフムト2世の諸改革、アヘン戦争と清朝の弱体化について学びます。       
【事前学習】2時間
 テキストの「東アジアの動揺」の前半、「西アジアの動揺」の前半、「フランス革命とナポレオン」の後半、および「反動と改革」を読んでおくこと。
【事後学習】2時間
 講義で配布した資料をもとに復習しておくこと。
第21回国民国家の建設と非西欧地域の西欧化【19世紀半ば】ヨーロッパ世界における1848年革命と国民国家建設の試み、清朝における太平天国とアロー戦争、オスマン帝国におけるギュルハネ勅令とミドハト憲法について学びます。
【事前学習】2時間
 テキストの「東アジアの動揺」の後半、「西アジアの動揺」の後半、「1848年革命」、および「クリミア戦争とヨーロッパの再編」を読んでおくこと。
【事後学習】2時間
 講義で配布した資料をもとに復習しておくこと。
第22回ヨーロッパ世界の平和と中華帝国の滅亡【19世紀後半~1914年】ヨーロッパ世界における帝国主義と社会主義、オスマン帝国におけるアブドゥルハミト2世とサロニカ革命、辛亥革命と清朝の滅亡について学びます。
【事前学習】2時間
 テキストの「アジアの民族運動」、および「帝国主義と列強」を読んでおくこと。
【事後学習】2時間
 講義で配布した資料をもとに復習しておくこと。
第23回総力戦と世界の再編【1914年~1918年】ヨーロッパ世界における第一次世界大戦とロシア革命、オスマン帝国の滅亡とトルコ共和国の成立、東アジア世界における中華民国と大日本帝国の関係について学びます。
【事前学習】2時間
 テキストの「第一次世界大戦とロシア革命」、および「アジアの動向」の前半を読んでおくこと。
【事後学習】2時間
 講義で配布した資料をもとに復習しておくこと。
第24回近代における西欧列強とその周辺西欧列強に従属していた諸地域や植民地について学びます。
【事前学習】2時間
 第23回までの講義の内容を復習して、重要なポイントをまとめておくこと。
【事後学習】2時間
 講義で配布した資料をもとに復習しておくこと。
第25回平和機構の設立と戦争の脅威【1919年~1939年】国際連盟の設立と軍縮会議、ソ連邦の誕生とファシズム勢力の台頭について学びます。
【事前学習】2時間
 テキストの「ヴェルサイユ体制と欧米諸国」、「世界恐慌とファシズム」、および「アジアの動向」の後半を読んでおくこと。
【事後学習】2時間
 講義で配布した資料をもとに復習しておくこと。
第26回2つの世界の戦争の接続【1939年~1945年】東アジア世界におけるアジア太平洋戦線とヨーロッパ世界におけるヨーロッパ戦線について学びます。
【事前学習】2時間
 テキストの「世界恐慌とファシズム」の後半、および「第二次世界大戦」を読んでおくこと。
【事後学習】2時間
 講義で配布した資料をもとに復習しておくこと。
第27回ヨーロッパ世界の冷戦と非ヨーロッパ地域の熱戦【1945年~1960年代】東西ドイツの分裂と朝鮮戦争の勃発、雪解けとキューバ危機について学びます。
【事前学習】2時間
 テキストの「東西対立の始まり」、「アジアにおける冷戦と中東での展開」、および「第三世界自立の模索と社会主義圏の動揺」の前半を読んでおくこと。
【事後学習】2時間
 講義で配布した資料をもとに復習しておくこと。
第28回冷戦構造の変容と世界の多極化【1960年代~1989年】中ソ対立とECの成立、ベトナム戦争と西ドイツの東方外交、イラン革命と石油危機、デタントと新冷戦について学びます。
【事前学習】2時間
 テキストの「第三世界自立の模索と社会主義圏の動揺」の後半、「超大国の動揺と第三世界の動向」および「新冷戦と冷戦の終結」の前半を読んでおくこと。
【事後学習】2時間
 講義で配布した資料をもとに復習しておくこと。
第29回冷戦の終結とポスト冷戦の諸問題【1989年以降】東欧革命と天安門事件、ソ連の解体とEUの成立、超大国アメリカとイスラーム過激派について学びます。
【事前学習】2時間
 テキストの「新冷戦と冷戦の終結」の後半、「超大国アメリカの外交」、および「EUの実験とロシアの動向」を読んでおくこと。
【事後学習】2時間
 講義で配布した資料をもとに復習しておくこと。
第30回現代における大国(超大国)とその周辺大国(超大国)に従属していた諸地域や植民地について学びます。
【事前学習】2時間
 第29回までの講義の内容を復習して、重要なポイントをまとめておくこと。
【事後学習】2時間
 試験の解説をもとに試験の復習をしておくこと。
授業形式 主に講義形式で行います。
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 授業への
参画度
その他 合計
0% 20% 0% 30% 50% 100%
評価の特記事項 レポートについては、2回程度を予定しています。授業への参画度については、事前学習の成果で評価します。その他については、第5回、第12回、第18回、第24回、第30回でおこなう小レポートで評価します。
テキスト 岸本美緒ほか『新世界史B』(世306)山川出版社,2019年
参考文献 授業時に指示します。
オフィスアワー(授業相談) 月曜日 13:00~14:00
金曜日 13:00~14:00
事前学習の内容など,学生へのメッセージ 私語など他の学生に迷惑がかかる行為は厳禁です。なお、欠席が多い受講生については、授業態度が悪いと判断し、授業参画度を減点します。