講義名 法律学概論 ≪◇学部≫
講義開講時期 通年
曜日・時限 金6
単位数 4

担当教員
氏名
小堀 裕子

学習目標(到達目標) 「政治・経済」ないし「公民」における法律学の領域の基本的知識を身につけ,整理し,説明できることを目的とする。
授業概要(教育目的) 前期は,主に「法」全般の知識を確認する。その上で,政治経済に関係のある日本国憲法について知識をさらに深めてもらう。また,国際社会において法がどのように機能しているか確認をする。後期も引き続き教職に関係のある法について触れ,実際の事例を元に考えをまとめてもらう。
授業計画表
 
項目内容
第1回ガイダンス・導入授業方針の説明,および条文や判例の読み方について説明する。
【事前学習】2時間
シラバスを読んでおくこと。
【事後学習】2時間
授業で学んで実際に条文を六法やインターネットを使用し見ておくこと。
第2回法の種類(分類)法の分類方法のうち,公法・私法・社会法と実体法,手続法および,強行法・任意法,一般法・特別法の分類について説明する。
【事前学習】2時間。
配布したプリントを一読しておくこと。
【事後学習】2時間。
授業で扱った法の分類方法についてまとめておくこと
第3回国家と法,民主主義の発展,法の支配国家の意義,及び民主主義の意義について説明する。
【事前学習】2時間。
配布したプリントを一読しておくこと。
【事後学習】2時間。
国家とは何か,民主主義とは何か,まとめておくこと。
第4回国際社会の成立と国際法国家間同士の関係について,国際社会,国際法の観点から説明する。
【事前学習】2時間。
配布したプリントを一読しておくこと。
【事後学習】2時間。
国際社会の成立と国際法についてまとめておくこと。
第5回日本憲法史(明治憲法と日本国憲法)大日本帝国憲法(明治憲法)の制定に至るまでの歴史やその内容を理解した上で,日本国憲法の成立過程について考察する。
【事前学習】2時間。
配布したプリントを一読しておくこと。
【事後学習】2時間。
わが国の憲法史についてまとめておくこと。 
第6回国民主権と天皇の地位「国民主権」の意義を考察するとともに,明治憲法下での天皇と現行憲法下での天皇の地位や権能について比較し,現行憲法下における天皇は日本においてどのような存在か考察する。
【事前学習】2時間。
配布したプリントを一読しておくこと。
【事後学習】2時間。
国民主権について理解し,天皇の地位や権能についてまとめておくこと。
第7回主権者教育主権者教育(政治的教養の教育)の意義と必要性について説明する。
【事前学習】2時間。
配布したプリントを一読しておくこと。
【事後学習】2時間。
主権者教育の意義と必要性についてまとめておくこと。
第8回平和主義と安全保障いわゆる「平和主義」は憲法前文,9条に規定されているが,解釈をめぐり議論がある。9条の成立と,解釈,最高裁判例を考察する。さらに,近年問題となった集団的自衛権を含む解釈の問題や安全保障法制について考察する。
【事前学習】2時間。
配布したプリントを一読しておくこと。
【事後学習】2時間。
平和主義と憲法9条の解釈についてまとめ,自衛隊や自衛権のあり方についてまとめておくこと。 
第9回個人の尊厳と平等原則幸福追求権は,新しい人権概念に対応するための包括的基本権とされている。そこで具体的に新しい人権として今日挙げられているプライバシー権,環境権や自己決定権などについて判例ではどのように捉えられているか,その重要性や意義について考察する。
また,日本国憲法では14条に平等原則が規定されている。そこで14条にいう,「法の下」とは何か,「平等」とは何かを考察する。
【事前学習】2時間。
配布したプリントを一読しておくこと。
【事後学習】2時間。
幸福追求権と法の下の平等についてまとめておくこと。 
第10回精神的自由権内心の自由,信教の自由,学問の自由および表現の自由について,その意義を考察する。
【事前学習】2時間。
配布したプリントを一読しておくこと。
【事後学習】2時間。
思想・良心の自由と信教の自由について理解し,政教分離の意味についてまとめておくこと。また,学問の自由と表現の自由の意義についてまとめておくこと。  
第11回経済的自由権経済的自由として日本国憲法に規定されている職業選択の自由,居住・移転の自由,財産権の内容や特徴について考察する。
【事前学習】2時間。
配布したプリントを一読しておくこと。
【事後学習】2時間。
経済的自由の意義とその規制についてまとめておくこと。 
第12回身体的自由権人身の自由は,国家による恣意的な権力行使から身体的自由を確保するために規定されている。すなわち,法の適正な過程によらずして生命・自由・財産を奪うことを禁止している。そこで,日本国憲法に規定されている人身の自由の意義と,その制約について考察する。
【事前学習】2時間。
配布したプリントを一読しておくこと。
【事後学習】2時間。
人身の自由としてどのような自由権が日本国憲法には規定されているかまとめておくこと。
第13回社会権①(生存権・労働基本権)社会権は20世紀に入って誕生した新しい人権である。そこで,日本国憲法では社会権をどのように捉えているか,主に,生存権と労働基本権について,それぞれの内容を理解する。そして、それぞれどのような特徴があり、どのように扱われているのかを考察する。
【事前学習】2時間。
配布したプリントを一読しておくこと。
【事後学習】2時間。
社会権の成立と生存権、労働基本権についてまとめておくこと。
第14回社会権②(教育を受ける権利)前回に引き続き,社会権のうち,教育を受ける権利について意義・学説・判例を考察する。
【事前学習】2時間。
配布したプリントを一読しておくこと。
【事後学習】2時間。
教育を受ける権利についてまとめておくこと。
第15回前期まとめ14回の講義で学んだことを総括し,法学の基礎知識について確認する。
【事前学習】2時間。
14回目までのプリントやノートを読み返しておくこと。
【事後学習】2時間。
確認問題で間違えたところについて,前回までのプリントやノートで確認しておくこと。
第16回日本の政治機構と国会国会について,その地位と権能,構成について考察する。また,国会に関する重要な論点である衆議院の解散権の所在について学説を考察し,理解を深める。
【事前学習】2時間。
配布したプリントを一読しておくこと。
【事後学習】2時間。
立法権の意義,国会の組織や権能についてまとめておくこと。
第17回内閣の仕組みと行政権行政権の意義と,行政権を担う内閣について,その地位や制度について考察する。また,日本の内閣制度の基本となる議院内閣制について考察する。
【事前学習】2時間。
配布したプリントを一読しておくこと。
【事後学習】2時間。
行政権と議院内閣制の意義,内閣と内閣総理大臣の権限についてまとめておくこと。
第18回裁判所の仕組み司法権の範囲と限界について,判例や学説を説明する。また,憲法保障制度としての違憲審査権について,意義,性格,主体と対象,効力について考察する。
【事前学習】2時間。
配布したプリントを一読しておくこと。
【事後学習】2時間。
司法権の意義,限界,独立と裁判所の権能についてまとめておくこと。
第19回裁判員制度刑事司法手続きについて説明した上で,一般市民が刑事裁判に参加する裁判員制度の目的・内容・問題点について説明する。
【事前学習】2時間。
配布したプリントを一読しておくこと。
【事後学習】2時間。
裁判員制度の是非について考えておくこと。
第20回財政制度,地方自治,憲法改正財政民主主義,租税法律主義の意義を概観する。また,地方自治について,地方公共団体にどのような権限が付与されているのか,憲法上に規定されている「地方自治の本旨」とは何かを考察する。さらに,憲法改正条項について,手続を概観したうえで,憲法改正論について考察する。
【事前学習】2時間。
配布したプリントを一読しておくこと。
【事後学習】2時間。
財政制度,地方自治の本旨,憲法改正論についてまとめておくこと。
第21回法律学演習①【基本的人権】前期で学んできたことを踏まえて,主に,幸福追求権,法の下の平等,精神的自由権,経済的自由権,身体的自由権の条文を確認する。
【事前学習】2時間。
日本国憲法の条文について確認しておくこと。
【事後学習】2時間。
配布したプリントで間違えた個所を確認しておくこと。
第22回法律学演習②【統治機構】後期で学んできたことを踏まえて,主に,国会,内閣,裁判所の条文を確認する。
【事前学習】2時間。
日本国憲法の条文について確認しておくこと。
【事後学習】2時間。
配布したプリントで間違えた個所を確認しておくこと。
第23回法律学演習③【憲法総論】前期・後期で学んできたことを踏まえて,主に,憲法前文の内容について確認をする。
【事前学習】2時間。
日本国憲法の条文について確認しておくこと。
【事後学習】2時間。
配布したプリントで間違えた個所を確認しておくこと。
第24回法律学演習④【教育法規】主に,教育基本法,学校教育法の条文について確認する。
【事前学習】2時間。
教育法規について確認しておくこと。
【事後学習】2時間。
配布したプリントで間違えた個所を確認しておくこと。
第25回法律学演習⑤【未成年者の人権享有主体性】『未成年者の人権享有主体性と,外国人の子どもの教育を受ける権利,生徒の自己決定権』をテーマに,関連判例の問題点,学説,裁判所の見解を説明する。
【事前学習】2時間。
配布したプリントを一読しておくこと。
【事後学習】2時間。
判例について自分の見解をまとめておくこと。
第26回法律学演習⑥【学校事故の賠償と防止】『学校事故の賠償と防止』をテーマに,関連判例の問題点,学説,裁判所の見解を説明する。
【事前学習】2時間。
配布したプリントを一読しておくこと。
【事後学習】2時間。
判例について自分の見解をまとめておくこと。
第27回法律学演習⑦【国旗・国歌問題】『国旗・国歌問題』をテーマに,関連判例の問題点,学説,裁判所の見解を説明する。
【事前学習】2時間。
配布したプリントを一読しておくこと。
【事後学習】2時間。
判例について自分の見解をまとめておくこと。
第28回法律学演習⑧【裁判員裁判】『裁判員裁判』をテーマに,関連判例の問題点,学説,裁判所の見解を説明する。
【事前学習】2時間。
配布したプリントを一読しておくこと。
【事後学習】2時間。
判例について自分の見解をまとめておくこと。
第29回法律学演習⑨【安全保障と法、国際関係】『安全保障と法、国際関係』をテーマに,関連判例の問題点,学説,裁判所の見解を説明する。
【事前学習】2時間。
配布したプリントを一読しておくこと。また,
【事後学習】2時間。
判例について自分の見解をまとめておくこと。
第30回後期まとめ16回目以降の講義で学んだことを総括し,法学の基礎知識について確認する。
【事前学習】2時間。
29回目までのプリントやノートを読み返しておくこと。
【事後学習】2時間。
確認問題で間違えたところについて,前回までのプリントやノートで確認しておくこと。
授業形式 講義形式で行う。レジュメを配布し,必要に応じて板書を行う。
なお、法律学演習に関しては、適宜教育に関する法的問題について取り扱う。
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 授業への
参画度
その他 合計
45% 0% 45% 10% 0% 100%
評価の特記事項 前期は試験を行い,後期は演習としてレポートを授業内に書いてもらう。
テキスト 前期,後期ともプリントを配布する。
参考文献 授業中に適宜説明する。
オフィスアワー(授業相談) 授業後,必要に応じて質問を受け付ける。
事前学習の内容など,学生へのメッセージ 1回目のガイダンスに出席すること。新聞・テレビで報道される事例等に関心をもつこと。