講義名 教育原論 ≪◇学部≫
講義開講時期 前期
曜日・時限 金2
単位数 2

担当教員
氏名
松嶋 哲哉

学習目標(到達目標) 本講義では、教育の基礎的概念を思想・歴史を通じて学ぶことによって、「教育」を原理的に考察する視点・態度を身につけることを目標とする。具体的には、以下の理解・能力を身につけることを目指す。
①教育の基礎的な概念について、教育を成り立たせる諸要因との関係を理解できるようになる。
②教育の歴史的事実から、現代に至るまでの関係を理解できるようになる。
③教育思想から、現代の「教育」を反省的に省察する態度を身につける。
本講義では、これらの学習をもとに、自身の教育観を相対化しつつ再構築することを目指す。
授業概要(教育目的) 本講義では、教育の基礎的な概念を歴史・思想を通じて理解できるようになるための学習を行う。具体的には、大人と子どもの関係から教育の基礎的な概念を理解し、近代教育の思想と教授学の歴史及び日本の近代教育の歴史を通じて、現代の私たちが無意識的に持っている「教育観」の再構築を目指す。これらを学ぶことによって、現代の教育について、原理的=反省的にとらえていく能力を身につけられるようになる。そのために、本講義では、講義だけではなく、学生によるディスカッション、レポートの作成、コメントシートの記入などを通じて、自身の教育観を反省的に省察する機会を多くもうけ、自身の教育観と向き合っていってもらう。
授業計画表
 
項目内容
第1回イントロダクション:「教育」とは何かを考える教育の本質及び目標を理解するために、「教育」とは何かを原理的に捉えなすことの意義を学ぶ。
【事前学習】2時間
「教育」とな何かという問いに関する自身の意見をまとめる。
【事後学習】2時間
授業内容を復習した上で、授業時に提示した課題に取り組み、次時に提出すること。
第2回前近代社会における人間形成と子ども家族と社会による教育の歴史を理解するために、捨子・子殺しの・通過儀礼の習慣から、前近代の子ども観を学ぶ。
【事前学習】2時間
EcoLinkから資料をダウンロードし、よく読んでおくこと。
【事後学習】2時間
授業内容を復習した上で、授業時に提示した課題に取り組み、次時に提出すること。
第3回近代家族の形成と「<子ども>の誕生」家族や子どもに関わる教育の思想を理解するために、アリス『<子ども>の誕生』のテーゼを学ぶ。
【事前学習】2時間
EcoLinkから資料をダウンロードし、よく読んでおくこと。
【事後学習】2時間
授業内容を復習した上で、授業時に提示した課題に取り組み、次時に提出すること。
第4回近代教育の誕生と「子どもの発見」近代に成立した、教育の本質を反省的に理解するために、ルソー『エミール』の思想を学ぶ。
【事前学習】2時間
EcoLinkから資料をダウンロードし、よく読んでおくこと。
【事後学習】2時間
授業内容を復習した上で、授業時に提示した課題に取り組み、次時に提出すること。
第5回近代教育の思想と教授学の歴史(1):
コメニウス
学校や学習に関わる教育の思想を理解するために、コメニウスの思想を学ぶ。
【事前学習】2時間
EcoLinkから資料をダウンロードし、よく読んでおくこと。
【事後学習】2時間
授業内容を復習した上で、授業時に提示した課題に取り組み、次時に提出すること。
第6回近代教育の思想と教授学の歴史(2):
ペスタロッチ・フレーベル
家庭や子どもに関わる教育の思想を理解するために、ペスタロッチ・フレーベルの思想を学ぶ。
【事前学習】2時間
EcoLinkから資料をダウンロードし、よく読んでおくこと。
【事後学習】2時間
授業内容を復習した上で、授業時に提示した課題に取り組み、次時に提出すること。
第7回近代教育の思想と教授学の歴史(3):
ヘルバルト(主義)
学校や学習に関わる教育の思想を理解するために、ヘルバルトとヘルバルト主義の思想を学ぶ。
【事前学習】2時間
EcoLinkから資料をダウンロードし、よく読んでおくこと。
【事後学習】2時間
授業内容を復習した上で、授業時に提示した課題に取り組み、次時に提出すること。
第8回近代教育の思想と教授学の歴史(4):
デューイ
子ども・教員・家庭・学校など教育を成り立たせる要素とそれらの相互関係を理解すうために、デューイの思想を学ぶ。
【事前学習】2時間
EcoLinkから資料をダウンロードし、よく読んでおくこと。
【事後学習】2時間
授業内容を復習した上で、授業時に提示した課題に取り組み、次時に提出すること。
第9回日本の近代教育の歴史(1):
前近代の教育から近代の教育への転換
前近代教育から近代教育への転換を通じて、家庭・教育機関における教育のあり方が変化したこと理解するために、手習所・藩校における学びから、近代学校における教育へと転換したことを学ぶ。
【事前学習】2時間
EcoLinkから資料をダウンロードし、よく読んでおくこと。
【事後学習】2時間
授業内容を復習した上で、授業時に提示した課題に取り組み、次時に提出すること。
第10回日本の近代教育の歴史(2):
日本の近代教育の誕生
近代教育制度の成立と展開を理解するために、明治期に成立・整備される戦前日本における学校制度を学ぶ。
【事前学習】2時間
EcoLinkから資料をダウンロードし、よく読んでおくこと。
【事後学習】2時間
授業内容を復習した上で、授業時に提示した課題に取り組み、次時に提出すること。
第11回日本の近代教育の歴史(3):
近代教育の行き詰まりから戦時下へ
近代教育制度の限界を理解するために、「大正自由教育」を学び、その後の戦時下の教育制度への影響について学ぶ。
【事前学習】2時間
EcoLinkから資料をダウンロードし、よく読んでおくこと。
【事後学習】2時間
授業内容を復習した上で、授業時に提示した課題に取り組み、次時に提出すること。
第12回日本の近代教育の歴史(4):
戦後教育改革
現代社会における教育課題を歴史的な視点から理解するために、戦後の教育改革について学ぶ。
【事前学習】2時間
EcoLinkから資料をダウンロードし、よく読んでおくこと。
【事後学習】2時間
授業内容を復習した上で、授業時に提示した課題に取り組み、次時に提出すること。
第13回現代教育の展開(1):
教育内容の現代化と学校の「荒れ」
現代社会における教育課題を歴史的な視点から理解するために、1950年代〜1980年代の教育改革について学ぶ。
【事前学習】2時間
EcoLinkから資料をダウンロードし、よく読んでおくこと。
【事後学習】2時間
授業内容を復習した上で、授業時に提示した課題に取り組み、次時に提出すること。
第14回現代教育の展開(2):
「ゆとり」と「生きる力」
現代社会における教育課題を歴史的な視点から理解するために、1980年代以降の教育改革について学ぶ。
【事前学習】2時間
EcoLinkから資料をダウンロードし、よく読んでおくこと。
【事後学習】2時間
授業内容を復習した上で、授業時に提示した課題に取り組み、次時に提出すること。
第15回まとめに代えて:
レポート課題の振り返り
レポート課題について、学生によるディスカッションを行い、さらなる理解を深め、教員による全体のまとめ・補足を行う。
【事前学習】2時間
レポート作成。
【事後学習】2時間
本講義の内容を復習し、レポートを仕上げる。
授業形式 ・主に講義形成で行うが、学生間のディスカッションやグループワーク、発表などを適宜取り入れながら行う。
・授業中に課した課題については、次時にフィードバックを行う。
・レポートについては、最終授業時にフィードバックを行う。
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 授業への
参画度
その他 合計
0% 60% 0% 40% 0% 100%
評価の特記事項 最終レポートと授業への参画度によって評価する。授業中に課した課題については、授業への参画度として評価する。
テキスト 特に指定しない。講義毎に教員によるレジュメを配布する。
参考文献 講義毎に配布するレジュメの中で適宜参考文献を提示する。基本的な文献は以下の通りである。
今井康雄編著『教育思想史』有斐閣アルマ、2009年。
江藤恭二監修『新版 子どもの教育の歴史』名古屋大学出版会、2008年。
森川輝記『教養の教育学』三元社、2015年。
山田恵吾編著『日本の教育文化史を学ぶ』ミネルヴァ書房、2014年。
オフィスアワー(授業相談) 講義の前後をオフィスアワーとする。授業初回に、連絡先を示すため、事前にメールなどで連絡をすること。
事前学習の内容など,学生へのメッセージ 教職課程の基礎科目となるため、十分な予習・復習に努め、自身の教職観を見つめ、見直していってもらいたい。