講義名 統計学Ⅰ ≪大学院≫
講義開講時期 前期
曜日・時限 木3
単位数 2

担当教員
氏名
大澤 秀雄

学習目標(到達目標) 経済・経営および社会分析で重要性を増しつつある多変量解析のうち, 本講により次の事項ができるようになる。
1. 目的変量の動向を予測・説明する相関・回帰分析を用いた分析ができる。
2. 多変量データから目的変量の要因を探ることができる。
3. 多変量データを通して,目的変量の動向を説明することができるようになる。
4. 多変量データを通して,目的変量の将来に対する予測を説明することができるようになる。
対応DP及びCP:1,2,8
授業概要(教育目的) 経済・経営分析で近年さらに重要性を増している多変量解析の基本的な考え方,処理法,分析法を学び,確実な統計分析力を身につけることを目的とする。その目標達成のために Excel で利用できる統計ツールを用いる。本講義においては多変量のデータから何が分析できるのか,どのように解釈をできるかを中心に学び,学生それぞれのゼミにおけるテーマに関連付けて実質的な分析能力を磨くこともねらいとする。
授業計画表
 
項目内容
第1回ガイダンス・統計知識の確認
本講義を受講するための必要な統計理論の事項を確認する。また Excel 使い方についても確認する。
[準備学習] 統計的推定・仮説検定についての内容を十分に復習しておくこと。
第2回相関・回帰分析(1) 2変量データにおける関係性を分析する相関分析法の理論を学ぶ。
[講義項目] 相関分析
[準備学習] 与えられたデータの基本統計値を求めておくこと。
第3回相関・回帰分析(2) 3変量以上を説明変量とする重回帰モデルを解説する。
[講義項目] 重回帰モデル/重回帰の統計量
[準備学習] 演習データの2重回帰モデルを考察しておくこと。
第4回重回帰分析(1) 単回帰では十分説明し得ない現象が多変量で説明精度が上がる例から重回帰への必要性を解説する。
[講義項目] 2重回帰モデル/モデルの有効性
[準備学習] 与えられたデータの単回帰モデルを考察しておくこと。
第5回重回帰分析(2) 3変量以上を説明変量とする重回帰モデルを解説する。
[講義項目] 重回帰モデル/重回帰の統計量
[準備学習] 演習データの2重回帰モデルを考察しておくこと
第6回重回帰分析(3) 重回帰モデルに起こり得る望ましくない現象を見出し,最適なモデル作成の手順を解説する。
[講義項目] 多重共線性/変量の選択
[準備学習] 演習データの重回帰モデルを考察しておくこと。
第7回重回帰分析の演習 前回までの内容を実データを用いて分析する。
[講義項目] 重回帰データの分析 
[準備学習] 与えられたデータの処理をして問題点を探っておくこと。
第8回主成分分析(1)主成分分析で構成される複数の主成分から情報性の高い指標を選択して解釈を与えることを学ぶ。
[講義項目] 固有値/寄与率/因子負荷量 
[準備学習] 主成分分析ツールで予め処理結果を出しておくこと。
第9回主成分分析(2)主成分分析のデータ処理演習を行う。
[準備学習] 与えられたデータについて処理結果をまとめられるように準備しておくこと。
第10回主成分分析の演習主成分分析のデータ処理演習を行う。
[準備学習] 与えられたデータについて処理結果をまとめられるように準備しておくこと。
第11回判別分析 (1)判別分析の基本となる理論を学ぶ。
[講義項目] 多変量データの距離/判別理論 
[準備学習] 分散・共分散についての理解を深めておくこと。
第12回判別分析 (2) 判別分析の代表的な分析法について学ぶ。
[講義項目] 2群の判別, 多群の判別
[準備学習] 判別データを処理しておくこと。
第13回判別分析によるデータ分析演習
判別分析のデータ処理演習を行う。 
[準備学習] 与えられたデータについて処理結果をまとめられるように準備しておくこと。
第14回総合演習(1)およびその解説 13回までの理解度の確認(試験を兼ねる)と解説を行う。
第15回総合演習(2)およびその解説社会的多変量データを分析し、レポートをまとめる。
授業形式 基本的に講義形式とPCによる演習で進める。この段階の分析では, 高度な計算処理が求められ, 短時間で分析のためのフォームを作りあげるのは困難である。そこで, 基本的な統計分析ツールを利用する。講義においては統計学 I と同様, 実際にデータ処理を行い毎時限ごとにレポート提出をさせる予定である。講義内容は状況に応じて変更もありうる。
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 授業への
参画度
その他 合計
40% 40% 0% 20% 0% 100%
評価の特記事項 講義で出されるレポート,講義中に作成する Excel のファイルはすべて提出すること。総合演習は試験も兼ねる。
オフィスアワー(授業相談) 講義時おいて指示する。
事前学習の内容など,学生へのメッセージ 「統計学」の基礎事項である統計的推定,仮説検定法, 相関回帰分析法の内容を前提として講義する。従って,受講するためには学部の「基礎統計」についての素養があることを前提とする。
また, Excel の統計ツールを使って統計処理を行うので,空き時間などを利用してその操作にも十分に慣れてもらう必要があり,片手間では習得することは困難であることを心得ていただきたい。
内容的にも毎時間積み上げていく。欠席した場合はその時間の講義内容を自学自習してもらうことが必要であるので,必ず連絡を取ることを求める。
他に習得した分析法で任意にレポート提出したものも評価する。