講義名 経済政策論Ⅱ ≪大学院≫
講義開講時期 後期
曜日・時限 金6
単位数 2

担当教員
氏名
杉原 茂

学習目標(到達目標) 経済政策の対象として大きなウエイトを占める医療や教育のサービス提供の生産性/効率性を、特にサービスの質を考慮して計測し改善していくにはどうすれば良いかについて、理論的及び実証的に理解し、医療・教育サービスの生産性/効率性の計測手法と生産性やサービスの質を改善するための政策手段について自分なりに論じることができるようになる。
授業概要(教育目的) 医療や教育のサービスの生産性/効率性の計測と改善のための政策手法について英語の文献を精読し、理論的な分析及び実証分析の仕方、データの扱い方などを学生に身に付けてもらい、自分なりの知見の形成や仮説の設定ができるようになることを目的とする。講義の最後に医療サービスの生産性/効率性の計測と改善のための政策手法についてのレポートを提出してもらう。
授業計画表
 
項目内容
第1回イントロダクション講義の進め方、評価の方法、履修上の注意事項等について説明する。
【事前学習】2時間
医療サービスの生産性/効率性に関して、各種文献や教科書等を基に、自分としての関心事項や政策課題等を整理して、授業において報告できるようにしておく。
【事後学習】2時間
今後の授業に備えて、必要な経済理論や統計学を復習しておく。
第2回医療サービスの生産性の計測手法医療サービスの生産性/効率性やサービスの質を計測する方法論を採り上げる。
【事前学習】2時間
テキスト:Glied and Smith, eds., Chap.29 Measuring Organizational Performanceを読み、概要を理解しておく。
【事後学習】2時間
授業で扱った内容をテキストで復習し、当該政策分野に関して現状や課題を自分なりに整理する。
第3回医療サービスの生産性のとらえ方医療サービスの生産性/効率性をどのようにとらえるべきなのかについて採り上げる。
【事前学習】2時間
テキスト:Glied and Smith, eds., Chap.30 Health System Productivityを読み、概要を理解しておく。
【事後学習】2時間
授業で扱った内容をテキストで復習し、当該政策分野に関して現状や課題を自分なりに整理する。
第4回教育サービスの生産性の計測手法(1)医療サービスの生産性/効率性の計測との対比で、教育サービスを計測する方法論を採り上げる。
【事前学習】2時間
参考文献:Hoxby and Stange, eds. Chap.1 What Health Care Teaches Us about Measuring Productivity in Higher Education?を読み、概要を理解しておく。
【事後学習】2時間
授業で扱った内容をテキストで復習し、当該政策分野に関して現状や課題を自分なりに整理する。
第5回教育サービスの生産性の計測手法(2)教育サービスの生産性/効率性を教育の生産関数として計測する方法論を採り上げる。
【事前学習】2時間
テキスト:Bradley and Green, eds., Chap.13 Education Production Functionsを読み、概要を理解しておく。
【事後学習】2時間
授業で扱った内容をテキストで復習し、当該政策分野に関して現状や課題を自分なりに整理する。
第6回生産性とマネジメント生産性を改善する手段として最近注目されているマネジメントについて、その一般的な役割を採り上げる。
【事前学習】2時間
Bloom, et al. The New Empirical Economics of Management. Journal of the European Economic Association, vol.12, pp.835-876, 2014を読み、概要を理解しておく。
【事後学習】2時間
授業で扱った内容をテキストで復習し、当該政策分野に関して現状や課題を自分なりに整理する。
第7回教育の質/生産性とマネジメントマネジメントを教育のサービスの質の向上/生産性の改善のために政策的に利用した実証的研究を採り上げる。
【事前学習】2時間
Dobbie and Fryer. Getting Beneath the Veil of Effective Schools. American Economic Journal: Applied Economics, vol.5, no.4, pp.28–60, 2013を読み、概要を理解しておく。
【事後学習】2時間
授業で扱った内容をテキストで復習し、当該政策分野に関して現状や課題を自分なりに整理する。
第8回医療の質/生産性とマネジメントマネジメントを医療サービスの質の向上/生産性の改善のために政策的に利用した実証的研究を採り上げる。
【事前学習】2時間
McConnell, et al. Management Practices and the Quality of Care in Cardiac Units. JAMA Internal Medicine, vol.173, no.8, pp.684-692, 2013を読み、概要を理解しておく。
【事後学習】2時間
授業で扱った内容をテキストで復習し、当該政策分野に関して現状や課題を自分なりに整理する。
第9回医療の質/生産性の改善の取組み(1)マネジメントの改善による医療サービスの質の向上/生産性の向上のためのアメリカ医学会の取組みを採り上げる。
【事前学習】2時間
Montoye and Eagle. An Organizational Framework for the AMI ACC-GAP Project. Journal of the American College of Cardiology, vol.46, no.10 (Supplement B), 2005を読み、概要を理解しておく。
【事後学習】2時間
授業で扱った内容をテキストで復習し、当該政策分野に関して現状や課題を自分なりに整理する。
第10回医療の質/生産性の改善の取組み(2)アメリカのCMS(Centers for Medicare and Medicaid Services)が医療の質の改善のために取り組んでいるプロジェクトHospital Compareを採り上げる。
【事前学習】2時間
CMS(Centers for Medicare and Medicaid Services)のホームページなどでHospital Compareについて調べ、概要を理解しておく。
【事後学習】2時間
授業で扱った内容をテキストで復習し、当該政策分野に関して現状や課題を自分なりに整理する。
第11回医療サービスの質のとらえ方医療サービスの質をどのようにとらえるかを採り上げる。
【事前学習】2時間
テキスト:Sloan and Hsieh, Chap. 7 Quality of Care and Medical Malpracticeを読み、概要を理解しておく。
【事後学習】2時間
授業で扱った内容をテキストで復習し、当該政策分野に関して現状や課題を自分なりに整理する。
第12回医療システムの評価と費用/便益分析医療サービスの生産性/効率性やサービスの質を評価する際に重要となる費用/便益分析の方法について採り上げる。
【事前学習】2時間
テキスト:Glied and Smith, eds., Chap.31 The Methods of Cost-Effectiveness Analysis to Inform Decisions about the Use of Health Care Interventions and Programsを読み、概要を理解しておく。
【事後学習】2時間
授業で扱った内容をテキストで復習し、当該政策分野に関して現状や課題を自分なりに整理する。
第13回費用/便益分析における不確実性と意思決定特に医療の費用/便益分析において重要となる不確実性を分析し意思決定をする方法について採り上げる。
【事前学習】2時間
テキスト:Glied and Smith, eds., Chap.32 Analyzing Uncertainty in Cost-effectiveness for Decision-makingを読み、概要を理解しておく。
【事後学習】2時間
授業で扱った内容をテキストで復習し、当該政策分野に関して現状や課題を自分なりに整理する。
第14回政策課題についての既存研究の整理参加者が医療・教育サービスの生産性/効率性の計測と改善のための政策手法について作成するレポートに関して既存研究をサーベイして発表する。
【事前学習】2時間
自分が取り上げるテーマに関連する既存研究を整理して報告できる形にまとめる。
【事後学習】2時間
今後さらに調査が必要な事項を整理する。
第15回政策課題についてのレポートの発表参加者が医療・教育サービスの生産性/効率性の計測と改善のための政策手法について作成するレポートを発表し、参加者間で議論する。
【事前学習】2時間
レポートを報告できる形にまとめる。
【事後学習】2時間
授業での議論を踏まえて、レポートを改訂する。
授業形式 受講者は指定された教科書の担当箇所を報告する。レポートは、サービスの生産性/効率性の計測と改善のための政策手法に関連したテーマについて、理論的分析と仮説の設定・データ分析、政策提言などを行ってもらいます。
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 授業への
参画度
その他 合計
0% 50% 0% 50% 0% 100%
評価の特記事項 授業への参画は、テキストの割り当てられた箇所の報告、及び、他の受講者の発表に対するコメント等である。
テキスト Glied & Smith, Oxford Handbook of Health Economics.
Bradley & Green, Economics of Education.
参考文献 Hoxby & Stange, Productivity in Higher Education.
Sloan & Hsieh, Health Economics.
Smith, et al., Performance Measurement for Health System Improvement.
オフィスアワー(授業相談) 火曜日15時~16時。授業中・授業後に質問・相談を受け付けます。それ以外の時間に質問・相談したい場合は、必ず事前にアポイントメントをとって下さい。
事前学習の内容など,学生へのメッセージ 報告やレポートの作成は自ら積極的に学習・調査に取り組むことが必要です。また、経済政策の分析には、一般的な経済学や統計学以外に、当該分野固有の知識などについても深い理解が必須となります。したがって、高い意欲と強い意思を持って授業に臨むことを求めます。