令和4年度 大学院要覧

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概 要

大学院経済学研究科の沿革

日本大学経済学部は,明治37年3月,大学部の商科として設置されました。大正9年4月,大学令による大学として商学部に昇格したのち,大正13年1月,商学部に経済学科が増設され,昭和9年3月には商経学部と改称されました。商経学部は,昭和19年2月に経済学部と改称され,その後,昭和24年に本学が新制大学に移行した際,経済学科と経営学科の2科が設置されました。そして,経済学部経営学科は,昭和32年分離独立して日本大学商学部となり,昭和39年に産業経営学科が設置され,さらに,平成22年には金融公共経済学科が新設され,本学部の新たな形が整いました。

日本大学大学院経済学研究科は,昭和26年4月,本学に新学制による大学院が設置されることになり,大学院経済学研究科修士課程(経済学専攻)として誕生しました。昭和28年4月には,博士課程(当時は金融経済学専攻)が設けられました。昭和42年の経済学部本館の竣工に続いて,昭和48年5月,大学院の授業教室と図書館が含まれている3号館が落成しました。また,昭和51年には博士課程金融経済学専攻は廃止されて,博士課程経済学専攻が設置され,現在の大学院経済学研究科の形になりました。平成11年度からは社会人の再教育と高度な実務者の養成を目的として社会人入試を実施しています。

日本大学経済学部は,平成16年に創設100周年を迎えました。その記念事業として7号館が建設され,大学院教育の主要施設を集約し,21世紀にふさわしいより高度な教育と研究の拠点として,新たな歴史を刻んでおります。

具体的には,これまでの大学院教育の主眼であった研究者の養成に加え,高度専門職業人の育成,社会人の再教育,さらには資格取得への積極的援助という目的を掲げ,社会の要請に応えようとしています。

このため,本学大学院の特色である多彩な専門科目と豊富な教員スタッフの設置に基づき,これまでの体制を維持するとともに,博士前期課程においては,本学大学院のリソースの再編成を通じ,より特化した高度専門職業能力の修得やキャリアアップを目的とした「コース制」によるカリキュラム運営を実施しています。

日本大学教育憲章

日本大学は,本学の「目的及び使命」を理解し,本学の教育理念である「自主創造」を構成する「自ら学ぶ」,「自ら考える」及び「自ら道をひらく」能力を身につけ,「日本大学マインド」を有する者を育成する。

日本大学マインド

日本の特質を理解し伝える力
日本文化に基づく日本人の気質,感性及び価値観を身につけ,その特質を自ら発信することができる。

多様な価値を受容し,自己の立場・役割を認識する力
異文化及び異分野の多様な価値を受容し,地域社会,日本及び世界の中での自己の立ち位置や役割を認識し,説明することができる。

社会に貢献する姿勢
社会に貢献する姿勢を持ち続けることができる。

「自主創造」の3つの構成要素及びその能力

<自ら学ぶ>
豊かな知識・教養に基づく高い倫理観
豊かな知識・教養を基に倫理観を高めることができる。

世界の現状を理解し,説明する力
世界情勢を理解し,国際社会が直面している問題を説明することができる。

<自ら考える>
論理的・批判的思考力
得られる情報を基に論理的な思考,批判的な思考をすることができる。

問題発見・解決力
事象を注意深く観察して問題を発見し,解決策を提案することができる。

<自ら道をひらく>
挑戦力
あきらめない気持ちで新しいことに果敢に挑戦することができる。

コミュニケーション力
他者の意見を聴いて理解し,自分の考えを伝えることができる。

リーダーシップ・協働力
集団のなかで連携しながら,協働者の力を引き出し,その活躍を支援することができる。

省察力
謙虚に自己を見つめ,振り返りを通じて自己を高めることができる。

日本大学大学院経済学研究科の教育理念と教育目標

日本大学大学院経済学研究科は,本学の建学の精神に基づき,経済学及びその関連学術分野において,深い学識を備え,革新的な研究を担うことのできる研究者を養成するとともに,高度に専門的な知識をもち,高度専門職業人としての能力と資質を有する人材を育成することを使命とする。この使命に従い,研究者の養成,高度専門職業人の養成,社会人の職業的再教育,実務的専門知識の涵養を目標とする。

大学院経済学研究科教育研究上の目的

経済学及びその関連学術分野(経営・会計・情報等)における専門的な理論並びに応用の研究を進めるとともに,学術界や実業界においてプロフェッショナルとして求められる高度の専門知識・能力を備えた人材を養成する。このため,①研究者の養成,②高度専門職業人の養成,③社会人の職業的再教育・実務的専門知識の涵養を3本柱とし,加えて,学生の資格取得ニーズにも積極的支援を行う。

博士前期課程

経済学及びその関連学術分野における,①専門知識の教授及び研究能力の涵養を通じた研究者の養成,②資格取得を含め目的に沿った専門知識・能力の涵養を通じた高度専門職業人の養成,③社会人の職業的再教育・実務的専門知識の涵養を3本柱としており,加えて,学生の資格取得ニーズにも積極的支援を行う。

博士後期課程

経済学及びその関連学術分野において,研究者又はその他の高度な専門性が求められる職業に従事する者に対し,適切な指導を通じ,高度の研究能力及びその基礎となる豊かな学識を涵養する。

大学院経済学研究科アドミッション・ポリシー(入学者の受け入れに関する方針)

大学院経済学研究科は,本学が掲げる教育の理念をもとに,深い学識を有する研究者,高度な専門知識を要する職業人,深い学識を備え活躍できる社会人の養成を教育目標としている。
そのため,入学試験においては,研究に不可欠な次のような資質をもった人材を大学院生として受け入れる。

1 博士前期課程では以下のような人材を選抜する。

① 経済コース,金融コース,公共経済コース,経営コース,会計コースでは,基礎的な学力に加え,以下のような素養を有している者。
(1) 志望する研究分野・研究課題に関する知識
(2) 各コースで必要とする教育・研究を継続的に学ぶ資質
(3) 将来的に研究者,高度職業人となりうる思考力・コミュニケーション能力

② 会計コース(特に公認会計士,税理士を目指す者),税法コースでは,以下のような素養を有している者。
(1) 各専門領域に関する知識
(2) 各コースで必要とする教育・研究を継続的に学ぶ資質
(3) 高度専門職業人に対する多様なニーズに応えうる能力


また,各コースでは一般入試,社会人入試,外国人留学生入試を選抜入試として実施しており,各入試では以下を考慮した選抜を行う。

① 一般入試では,上記各コースに必要な資質のなかでも,基礎的な学力,各コースで必要とする教育・研究を継続的に学ぶ資質に重点を置いた選抜を行う。

② 社会人入試では,上記各コースに必要な資質のなかでも,各専門領域に関する知識と,各コースで必要とする教育・研究を継続的に学ぶ資質に重点を置いた選抜を行う。

③ 外国人留学生入試では,上記各コースに必要な資質のなかでも基礎的な学力,将来的に研究者,高度職業人となりうる思考力・コミュニケーション能力に重点を置いた選抜を行う。


2 博士後期課程では研究者,より高度な専門職に必要な資質として,以下を基準に判定する。
① 専攻分野でのより深い学識
② 独創的な研究を行うことができる分析能力
③ 研究成果を海外に発信する能力

大学院経済学研究科カリキュラム・ポリシー
(教育課程の編成及び実施に関する方針)

大学院経済学研究科は,本学が掲げる教育の理念をもとに,深い学識を有する研究者,高度な専門知識を要する職業人,深い学識を備え活躍できる社会人を養成する。そのため,大学院経済学研究科では上記の目標とする人材に求められる資質と能力を,以下のとおり定める。
また,各科目等における教育内容・方法及び成績評価方法等については,シラバスに明示し,学修成果の評価に関しては,授業形態に即して公正かつ厳格に実施する。

博士前期課程においては,各コースにおける専門科目を体系的に学修することにより,以下のような人材を養成することを目的とする。

1 経済学及びその関連分野において深い学識を備え,博士後期課程に進学し,研究者を目指すに十分な資質と能力をもつ者。

2 中央官庁ならびに地方自治体等の行政機関,シンクタンク等の研究機関,民間企業において,経済学及びその関連分野の専門的知識を要する職業人として活躍できる資質と能力をもつ者。

3 公認会計士,税理士として,会計及び税法分野の専門知識のみならず,経済学及びその関連分野に関する深い学識を備え,活躍できる能力をもつ者。


博士後期課程においては,コースワークとリサーチワークを組み合わせた体系的な授業形態を組み入れた教育課程を通じて,経済学及びその関連分野における深い学識と独創的な研究を行うことができる分析能力を身に付け,研究成果を海外に発信できる十分な能力と資質をもつ者を養成することを目的とする。

本研究科の教育課程は,上記の人材の養成を実現するために以下の方針に基づいて編成・運営される。

1 本研究科で学ぶ者が,経済学及びその関連分野において,幅広い知識を修得することを可能とするために,経済学だけでなく,経営学,会計学等の広範な領域をカバーする多彩な科目を設定する。

2 本研究科で学ぶ者が,特定の領域において,高度に専門的な知識を修得することを可能とするために,特定の領域に属する科目を集中的に修得できるよう,経済,経営,会計,金融,税法,公共経済の各領域ごとに,コース制を設ける。

3 本研究科で学ぶ者が,修得した知識を基礎として,学術研究の発展に寄与する優れた学位論文を提出することを可能とするために,複数の教員による指導体制をとることで,研究指導の強化・充実を図る。

4 本研究科で学ぶ者が,研究科全体として研究交流を深めるだけでなく,修了後も相互に交流し,人的ネットワークを形成することで,研究者及び職業人としての諸活動を促進する場を設ける。

大学院経済学研究科ディプロマ・ポリシー(学位授与の方針)

大学院経済学研究科は,本学が掲げる教育の理念をもとに,深い学識を有する研究者,高度な専門知識を要する職業人,深い学識を備え活躍できる社会人を養成する。
そのため,大学院経済学研究科では上記の目標とする人材に求められる資質と能力を,以下のとおり定める。

1 博士前期課程では,以下の能力を身につけ,本研究科が定める単位を修得し,学位論文の審査及び試験に合格した者に修士(経済学)の学位を授与する。

① 経済学及びその関連分野において深い学識を有し,研究者となるべき能力を有している。

② 経済学及びその関連する専門的知識を有し,中央官庁ならびに地方自治体等の行政機関,シンクタンク等で高度専門職業人として活躍できる能力を有している。

③ 会計及び税法分野の深い専門知識のみならず経済学及びその関連する専門的知識も有し,高度専門職業人として活躍できる能力を有している。


2 博士後期課程では,本研究科で求められる経済学及びその関連分野においての幅広く深い知識を修得し,かつ以下の能力を身につけ,学術研究の発展に貢献する学位論文の審査及び試験に合格した者に博士(経済学)の学位を授与する。

① 研究者として独創的研究を遂行できる能力,国際的研究者に求められる語学能力を有している。

② 高度な専門性が求められる高度専門職業人たる資質と能力,社会的倫理観を有している。

日本大学研究倫理ガイドライン

平成19年3月6日制定
平成19年4月1日施行

世界は今,グローバリゼーションの一層の進展とともに,知を基盤とする社会の時代にあるといわれ,新たな知の創造,継承,活用がさらなる発展のために必要不可欠となっています。また,社会における様々な事象が多様化,複雑化することに伴い,高度な知識による解決方法が求められています。
そのような中にあって,学術研究は,先人たちが築き上げてきた知の資産を礎にして,未知の領域をさらに深遠化させ,あらたな知識を創造する崇高な行為であるといえます。そして,すべての人々の福祉に寄与するため,それらを具現化する研究活動を行う者は,研究の独自性と研究者自身の自律性が保障されつつ,社会からの信頼と負託にこたえなければならない責務を有しています。
一方,大学は,人文科学,社会科学,自然科学のあらゆる学問分野を対象とする,個々の研究者による自由な発想と知的好奇心に根ざした創造的な活動を行っている組織体であり,また広く社会の発展のために営々と保持してきた重厚な知的ストックを還元していく公共的かつ公益的な使命を担っていることを真しに受け止めなければなりません。
以上の研究活動に関する基本的認識を再確認すると,日本大学(以下本大学という)が昭和24年,新学制による大学となった際に制定した「日本大学の目的及び使命」にその精神が集約されております。すなわち,本大学は,日本精神に基づき,道統,憲章を遵守し,自主創造の精神を養い,文化の進展を図り,もって世界平和と人類の福祉に寄与することを目的と定め,広く知識を世界に求めた深遠な学術研究の振興と健全な文化人の育成を使命としております。
ここで本大学は,自らの目的及び使命を再確認し,誠実に実践し続けていくことを宣言いたします。
本大学の研究者は,学術研究の自律性が社会からの信頼と負託の上に成り立つことを自覚し,常に良心と信念にしたがって,自らの責任で行動しなければならないという研究者としての倫理に関する基本的な考え方を礎として,研究活動を実践していきます。そして,研究倫理に関する規範を再確認し,適正な研究活動の励行に資する下記諸事項を明記し,本大学のすべての教職員に対する周知徹底を図ります。



定 義

1 研究者とは,本大学の教員に加え,学外からの共同研究者等,本大学において研究活動に従事するすべての者をいいます。


責 務

2 研究者は,その研究活動の中で自らが生み出した専門知識を真理探究の観点から担保する責任を有し,そこで得た知識を生かして人類の福祉に貢献する責務を有します。


自己研さん

3 研究者は,自己の専門知識の維持向上に努め,常に最善の判断と姿勢を示します。


説明責任

4 研究者は,自身が遂行する研究の意義を積極的に説明し,その研究成果が人々の生活に与える影響について中立性・客観性をもって公表し,社会との関わり合いを築きます。


コンプライアンス

5 研究者は,研究の実施,研究費の使用等に当たっては,法令及び学内関係規程等の遵守はもとより,研究の遂行における道義的責務を果たすよう配慮します。


公正性

6 研究者は,ねつ造,改ざん,盗用及び研究費不正使用など研究活動の不正行為を行わず,公正な立場を堅持します。


自己による点検・評価

7 研究者は,研究遂行中における研究計画の進捗状況及び研究計画終了後における研究成果について,自ら厳正に点検・評価し,さらなる知の創造に努めます。


他研究者との関係

8 研究者は,研究を遂行するための協力者の人格及び人権を尊重するとともに,それら共同研究者の知的成果を正当に評価します。


安全への配慮

9 研究者は,研究活動を遂行するうえで,事故等が発生しないよう災害防止に努め,安全配慮に最善を尽くします。


ライフサイエンス

10 研究者は,遺伝子組換え実験,動物実験及び疫学実験等の研究について,生命倫理及び動物愛護等の観点から,法令等を遵守し,真しな態度で扱います。


利益相反等

11 研究者は,研究活動において,個人及び組織,あるいは異なる組織間の利益の衝突に注意を払い,公共性に配慮しつつ適切に対応します。