優秀賞 個人部門(学部生) 水野谷 由佳
グラフネットワーク分析によるカフェスポットの特徴分析
本研究では,飲食店新規参入のマーケティング戦略に関する知見導出のためのグラフネットワークによるアプローチについて研究開発した。
具体的には,iタウンページのタグセットを利用して,「カフェ」タグ以外のタグの類似性でクラスタリングを行い,さらに,クラスタリングの結果をGoogle MAPにマッピングすることにより,どの地域にどのような特徴を持ったカフェが集中しているのかを明らかにすることができる分析アプローチについて研究提案した。
iタウンページの検索画面でキーワードを「カフェ」,エリア・駅を「横浜市」に設定して計535件のデータを取得し,取得したデータに対し貪欲法によるクラスタリングを実行した結果,クラスタが368個生成された。このうちメンバ(カフェ)数が10以下のクラスタからは有効な知見が得られないと判断し,本研究ではクラスタ内メンバー数が11以上のクラスタを分析対象とした。この結果,分析対象のクラスタは6つとなった。そして,これら6クラスタに所属するカフェに緯度経度を付けてGoogle MAPにマッピングして地域特性を考察した結果,レストランや飲食店の特徴を持つカフェは横浜市の観光名所や休日に多くの人が訪れる場所に集中しており,また,コーヒー喫茶店や喫茶店の特徴を持つカフェは横浜周辺の各駅にあることが明らかになった。つまり,レストランや飲食店は家族連れやお出かけで横浜に訪れた人々に需要があり,コーヒー専門店や喫茶店は勉強や仕事帰りに家に帰る前に立ち寄る学生や会社帰りの人に需要があることを明らかにした。