佳作 個人部門(学部生) 小林 らん
育児休業制度の持続的運用における「カバーする側」の課題と支援策
~金銭的支援策についての検証~
本研究は、育児休業制度の持続的運用において見過ごされがちな「育休をカバーする側」に焦点を当て、その課題と有効な支援策を明らかにすることを目的とした。
日本では育休制度自体は世界的に高く評価され、取得率も上昇傾向にある一方で、取得者の業務を担う同僚には業務量の増加や精神的負担が集中し、不満や離職につながるケースも指摘されている。特に人員不足や代替体制の不備は、職場内の不公平感を生み、育休取得をためらわせる要因となっている。
菓子メーカー1社、正社員19名を対象にアンケート調査を実施した結果、育休カバー経験者の多くが「業務量の増加」を強い負担として認識していること。また「金銭的支援」や「代替人員の配置」を最も有効な支援策として求めていることが明らかになった。特に金銭的インセンティブは、心理的納得感や協力意欲を高める点で高い効果が示唆された。
一方で、金銭的支援のみでは根本的な負担軽減には不十分であり、代替要員の確保や引継ぎ体制の整備など、構造的支援の重要性も示された。これらの研究結果を踏まえ、育休制度における「支える側」への支援の重要性と制度の持続的運用に果たす役割について考察する。
