佳作 個人部門(学部生) 林 振宇
上場スピードが上場後の役員変化に与える影響
—日本上場企業データを用いて—
本研究では、上場スピードが上場後の役員変化にどのような影響を与えるのか、またその影響が上場当年度と数年後でどのように異なるのかを明らかにすることを目的とする。IPOは企業にとって重要な経営節点であることに基づき、2016年から2021年に日本でIPOを実施したベンチャー企業を対象に、上場1年目、2年目、3年目における役員変化を年次別に分析した。分析にあたっては、上場スピードを主な説明変数とし、企業特性および役員構成に関するコントロール変数を踏まえて、回帰分析を行った。実証分析の結果、上場後1年目および2年目では、上場スピードが速い企業ほど役員変化が大きい傾向が確認された。一方で、3年目ではその効果は負に転じ、上場スピードが遅い企業において役員変化が相対的に大きくなることが示された。本研究により。異なる時点における上場後の役員変化が、上場スピードといった企業の戦略的行動を側面的に示す要因によって変化することを示唆している。
