Seminar
ゼミナール
ことばの分析をとおして論理的思考力を養う
秋山ゼミ
テーマ
英語と日本語の仕組みを探る
分類
教養研究
担当教員
秋山 孝信 Takanobu AKIYAMA
ゼミの内容
情報
言語
文化
教育
人の思考・感情・行動
ゼミの特徴
じっくり研究型
資格に直結
Q. ゼミではどんなことを研究していますか?

本ゼミナールでは、皆さんが暗記で学習を済ませている英語表現に光を当て、「そもそもなぜ、英語ではそのような表現をするのか」という疑問について考察します。平易な例を出せば、英語では「(恋愛関係にある者同士が)別れる」ことを break upと言い、また「アップで撮った写真」は、a close-up photo と表現しますが、なぜこれらの表現には共通して(基本的に「上方へ」を意味する)副詞 up が用いられているのでしょうか。別の例を出せば、道に迷った時に日本語では、「ここは、どこ?」と表現できますが、英語では“Where am I?” と表現し、一人称代名詞の I を主語として用います。 (日本語では「私はどこ? 」とは、通常言いませんね。) 同一状況を表すのに、なぜ日本語と英語で表現方法が異なるのでしょうか。ゼミでは、このような素朴な疑問について言語学の知見を援用しながら、皆で議論することによって、英語と日本語の仕組みを探っていきます。また、三年という長期間に渡って指導が行えるゼミの特長を生かして、ゼミ生の TOEIC スコアを伸ばすことも目的の一つとします。個人的に要望があれば、ゼミの授業時間外でも英語自主学習の方法を指導します。頑張ってください。

Q. ゼミの様子は?

授業開始後の30分間は、TOEIC Listening Sectionの対策をしています。ここでは、宿題として解いてきた設問をペアでディスカッションをして、司会者役のゼミ生が解答の説明を行います(もちろん、教員による補足説明もあります)。その後の60分間は、ゼミ生が「ことばの不思議」に関するさまざまな文献を調べ、プレゼンテーションとディスカッションをします。また、教員による言語学の基礎知識に関する講義も行います。

Q. ゼミの特徴は?

言語学がテーマのゼミですが、TOEICスコアの向上も目指しています。伸び悩んでいる学生もいますが、皆が目標に向かって日々頑張っています。また、学年の枠を越えたゼミのネットワークをつくるために、キャリア形成ワークショップ(OB・OG会)を隔年で開催しています。OB・OGは、ゼミ生の就職活動や社会人生活に関する相談に快く乗ってくれます。

これまでの卒業論文・研究論文のテーマ例
  • 英語経済関連用語と共起する語の意味的特性について
  • 英語の投資表現に関する認知言語学的考察
  • コーポレートスローガンにおける比喩について
  • 英語の行政関連表現における認知的基盤
  • 菓子商品名と広告キャッチコピーにおける比喩表現
  • 映画の広告表現における特徴とその伝達効果について
  • 季節を反映する広告キャッチコピーにおける意味的特性
  • On Metaphor and Metonymy in Business English (英語論文)
1年間の主なイベントスケジュール

07月 懇親会
09月 夏合宿 (2泊3日:熱海・伊豆・鬼怒川・白浜・河口湖などで実施)
11月 キャリア形成ワークショップ(OB・OG会)(隔年で実施)
02月 新ゼミ生歓迎会
03月 卒業生送別会

OB・OGの就職業界TOP3

製造業(食品・衣料品・自動車・薬品などのメーカー)
情報通信業(通信・マスコミ・インターネットサービスなど)
流通業(商社・百貨店・量販店など)

取得者の多い資格

TOEICテスト

学生へのメッセージ

「ことばの不思議」を扱う本ゼミの研究内容は、必ずしも就職活動や社会人生活においてすぐに役に立つのかどうかは分かりません。しかし、人間の生活から切り離すことができない「ことば」に注目し、その用い方を左右する仕組みを学び、さらに誰にでも理解してもらえるように筋道を立てて議論を構築するゼミ活動は、皆さんがこれから他者と関わり合いながら生きていく上で必要な「土台」をつくることに繋がるでしょう。学生の皆さんには、長期的・多角的視野で物事を深く考え、目標に向かって精進してほしいと思います。

研究成果

英語の構文を使用する際に課せられる意味的制約について研究しています。例えば、I have something to hope for.という文は英語として認められるのに、I have something to want.は、(特にイギリス英語圏では)容認されません。同じto不定詞の形容詞用法であるにもかかわらず、なぜ後者は英語として認められないのでしょうか。このような構文使用に課せられる制約を分析する際には、研究対象となる構文を含む適格文と非適格文の用例をできる限り数多く観察し、それぞれに共通する意味特性を抽出することが必要です。

用例の観察には、「コーパス」と呼ばれる、言語の分析を目的に編纂されたコンピュータ可読テキストの集積を利用します。コーパスにはさまざまな種類がありますが、中には一語ずつに文法標識が付いているものもあり、研究の可能性を広げてくれます。私は、特に英語の非定形節に興味を持っており、これまで不定詞関係節、名詞の補部としての不定詞節、Hard-nuts構文、疑問不定詞節などを研究対象としてきました。

夏のゼミ合宿、河口湖にて

ゼミOB・OGを招いたキャリア形成ワークショップ

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