Seminar
ゼミナール
「公共政策」の在り方を探る
金田ゼミ
テーマ
公共政策
分類
教養研究
担当教員
金田 耕一 Kouichi KANADA
ゼミの内容
教育
都市
地域
社会の仕組み
福祉・労働
ゼミの特徴
グループワーク型
Q. ゼミではどんなことを研究していますか?

公共政策について研究しています。公共政策は、「誰にとってもよいこと」、すなわち「公共財」public good(s)を、政府や地方公共団体が供給することに関わります。具体的には、医療や福祉、労働や雇用、文化や教育、食料やエネルギー、外交や安全保障などです。まず、そのような政策がどのように私たちの暮らしに役立っているのかを理解した上で、どのような問題が生じているかについて学びます。そこから実際の政策の仕組みを研究し、どのように変えていく必要があるかを考えます。

公共政策を考える上でのポイントには3つあります。1つめには、その政策が、より少ない資源(経費)でより効果的に目的を達成できているかどうかという「効率性」、2つめに、限られた資源を公平に分配して、より多くの人々の暮らし向きを改善できているかどうかという「公平性」、そして3つめに、人々が自分の生活の在り方を選択する自由が守られているかどうかという「中立性」です。この3つの観点から、より望ましい公共政策の在り方について研究しています。

Q. ゼミの様子は?

文献講読では、1冊のテキストを数名で分担し、担当部分についてレジュメを作成して報告します。その後、報告者に質問しながらテキストの内容の理解を深めます。また発表では、3人ほどのグループに分かれ、プレゼンテーションソフトを使いながら、30分間程度の報告をします。その後、質疑応答とディスカッションを行います。また3年生は、2月の合同発表会に合わせて共同論文を書く準備をします。

Q. ゼミの特徴は?

他大学との交流や地域活動は行っていませんが、ゼミの発表(日常的な発表と2月の合同発表)にはこれからさらに力を入れていきたいと考えています。ゼミの雰囲気は、割合にのんびりとしていますが、テーマによっては活発な議論が行われます。

これまでの卒業論文・研究論文のテーマ例
  • 不平等社会について
  • 幸福度調査と日本の姿
  • 医療制度改革について
  • 非正規雇用の問題と対策
  • 貧困化における社会保障の役割
  • 世界における水資源問題とその解決策
  • 日本の自動車税は高いのか
  • 大きな政府と小さな政府
1年間の主なイベントスケジュール1年間の主なイベントスケジュール

05月 新ゼミ生歓迎会
08月 夏合宿(ゼミ旅行)
02月 合同発表会および卒業生送別会

OB・OGの就職業界TOP3
  • 情報通信業(通信・マスコミ・インターネットサービスなど)
  • 流通業(商社・百貨店・量販店など)
  • その他
学生へのメッセージ

公共政策は、皆さんの日常生活と密接に結び付いています。意識的にそれに目を向けることは少ないと思いますが、今でも教育政策は、学生の皆さんの学校生活や進学に大きな影響を与えていますし、社会生活を営むようになると医療や年金、労働環境といった形で生活に関わってきます。

公共政策を見る目を養うことは、選挙などを通じて市民として正しい判断をするために必要なことです。また、公共政策のさまざまな問題を知ることは、経済学を勉強していく上でも必ず役立つことでしょう。社会の仕組みについて関心のある人には、ぜひ参加してほしいと思います。

研究成果

福祉国家をめぐる問題について研究しています。福祉国家は、私たちの生活を最低限保障することによって、具体的な自由の条件となっています。また一方で、それは、私たちの生活が国家に依存していることを意味しています。

福祉国家を批判する人々は、私たちが国家に依存するようになった結果、さまざまな問題が起きていると考えています。財政赤字・貧困から進んで抜け出そうとしない市民の依存体質・勤労意欲の衰退などです。また、市民は一方的に国家のサービスを享受するだけの受動的市民になってしまったと考える人々もいます。

しかし、福祉国家批判の声が大きくなって40年以上になりますが、格差の拡大や高齢化によって、福祉の必要性はますます増大しています。私の研究課題は、福祉国家の問題をリベラリズムとの関連で考え直すことです。

Eメール kanada.kouichi@nihon-u.ac.jp

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