Q. ゼミではどんなことを研究していますか?
実際の患者の診療データを用いて、どのような医療が提供されているのか探ります。分析の際、必要となるのは、医療保険制度の仕組みや統計学の知識になります。このため、初期は制度の仕組みについて学びます。統計学の知識は、分析の必要に応じて必要な書籍を用いることになり、作業を通じて修得できるように進めていきます。
Q. ゼミの様子は?
実際にゼミ生が一堂に会するまでわかりませんが、先生は率直で飾らない性格ですので、会話をしながら仕掛けを講じて、学習目的を達成するように進めていきます。
Q. ゼミの特徴は?
医学部附属板橋病院と連携し、病院ボランティアなどの活動に取り組めるよう働きかけをしていきます。患者の診療データを用いるとはいっても、データの背後には実際の患者さんとその方に関わる医療従事者がいます。この方たちの置かれた状況に理解できなければ、分析は机上のものに留まってしまいます。少しでも患者、医療従事者の双方の便益の向上を考えることを大切にしていきます。
これまでの卒業論文・研究論文のテーマ例
- 結腸がん手術適応患者における予後因子の検討
- 甲状腺癌手術適応患者における予後因子の検討
- 子宮頸・体部の悪性腫瘍の手術適応患者における予後因子の検討
各期において食事会を予定していますが、ゼミ生の意向を優先します。
OB・OGの就職業界TOP3
- 保険業
- 医療・福祉
- 公務
取得者の多い資格
- 診療情報管理士
学生へのメッセージ
学習内容は社会保障が対象になりますが、特に医療に関心を持つ学生の入室を希望します。医療を主題に研究する経済学部生は少ないですが、制度の仕組みや費用など、社会的課題は多く含まれているのが実情です。社会福祉や公的扶助といった主題も重要ですが、より多くの国民が必要とする医療について、実際のデータを用いて研究することは、制度の課題の理解や分析方法の習得など学びが大きいことでしょう。
研究成果
専攻は医療経済学という分野で、具体的には、患者の診療データを用いて、日本における入院の診療報酬制度の改善方法を検討しています。現行の制度は、病院に対して出来高支払方式と包括支払方式を組み合わせて診療報酬が支払われ、患者が早期に退院するほど高い単価が設定されています。しかし、この仕組みは必ずしも医療の質を反映する、或いは医療の質を高める設計にはなっていません。質の高い医療を提供できる病院には、より高い報酬を支払うことで医療従事者と患者の双方が便益を得られる設計に結び付けたい考え、研究しています。