Q. ゼミではどんなことを研究していますか?
人口問題は多岐にわたっており、扱う現象は人が生まれてから死ぬ間に起こる、就学・就業・結婚・育児・退職などのライフイベントばかりでなく、何世代も通した資産の蓄積や価値観なども研究対象になります。
特に、日本は人口問題においては少子化、高齢化、人口減少という世界最先端の問題を抱える国でもあります。このような人口学的な変化が私たちの経済や社会にどのように関係しているかを研究しています。研究を行うための統計的手法や理論などを学ぶのはもちろん、個人研究やグループワークを通じて現実の問題に対しての応用も行います。
Q. ゼミの様子は?
基礎的な技術や理論の習得のためにテキストを使用し、各個人が割り当てられた担当部分について、それぞれ発表していきます。そして新しい考え方や技術を使いこなせるようになるために、習得した方法を、身近で起こっている問題に対して応用していきます。発表にはパワーポイントを使用します。そのパワーポイントのつくり方や、発表内容に対しての質問やコメントなど、学生は皆、ざっくばらんに自由に発言しています。
Q. ゼミの特徴は?
2016年度に始まったばかりのゼミです。担当教員がこれまで携わってきた国連や海外の研究機関との共同研究に発展途上国の農村調査などもありますが、学生と共に、少しずつそのような活動もしていきたいと考えています。
これまでの卒業論文・研究論文のテーマ例
2016年度からの開講のため、まだありません。
1年間の主なイベントスケジュール
04月 新ゼミ生歓迎会
08月 ゼミ合宿
※その他、各イベントは学生主体で決めています。
OB・OGの就職業界TOP3
※1期生は2019年に卒業予定です。
取得者の多い資格
※2016年度からの開講のため、まだありません。
学生へのメッセージ
何か現状では満足していない、何かもっと面白いことはないかと思っている貪欲な学生と一緒に学びたいと思っています。周りの人が考えないような新しいアイデアを持っている学生に刺激を受け、共に成長していきたいです。
研究成果
日本に起こっている少子化、高齢化、人口減少という状況はいずれ、現在の発展途上国を含め世界の他の国でも起こることが予想されています。このような人口問題のグローバル化に着目したアメリカ国立高齢化研究所(US National Institute on Aging)は2003年にカリフォルニア大学バークレー校に資金援助し、それをベースに従来の高齢化分析の手法とは全く異なる新しい人口分析の手法の確立を目的とし、国民移転勘定(National Transfer Accounts、以下ではNTAと略称する)が誕生しました。
私は、このNTAプロジェクトのオリジナルメンバーであり、現在までNTAプロジェクトの中核として研究を進めています。2016年現在ではNTA参加国は62ヵ国におよぶグローバルプロジェクトになっています。また、このNTAプロジェクトには2015年のノーベル経済学賞を取ったディートン教授も参加しています。NTAを簡単に説明するのは難しいのですが、NTAはある国の中で生活する人がどれくらい消費し、お金を稼ぎ、貯蓄し、足りなければどれくらい国や家族から援助され、逆に余っていたら他の人にお金をあげているのかなどを、年齢別に一目で見ることができる全く新しい指標です。政策的な有用性が認められ、国連から推計マニュアルも出版されており、幾つかの国では公式統計として推計されています。
夏のゼミ合宿、軽井沢にて
グループワークの作業