Q. ゼミではどんなことを研究していますか?
当ゼミは、経営史(日本・欧米経営史)を対象とします。「愚か者は経験に学び、私は歴史に学ぶ」というビスマルクの言葉のごとく、現代の経営問題を考察・解明するには、過去の変遷を見ることが重要な意味を持ってきます。
基本段階においては、産業革命の母国イギリス、ビッグ・ビジネスの母国アメリカの経営史の流れを体系的に理解することから始まります。それを踏まえて、各種専門書を通じ、これまで経営史学で扱われてきたテーマ、あるいは学会誌などを通じ、最新の研究を学ぶことによって、自身の関心あるテーマを見付けていきます。最終的には、オリジナルのテーマに基づいた論文の作成を目指します。
Q. ゼミの様子は?
2年生では基礎的な文献の講読を通じ、経営史に関するおおまかな知識を身に付けます。3年生ではグループ単位で自ら設定したテーマに関する研究活動を行ったり、ディベートを実施したりしています。4年生では、卒業論文に取り組みます。ゼミ生は「やるときは、きっちりやる」タイプの学生ばかりです。
Q. ゼミの特徴は?
学生をギチギチ拘束しない、自由でのびのびした指導が、このゼミの最大の特徴です。また、歴史をテーマとしているので、歴史ドキュメンタリーや映像資料で構成されたDVDなどの視聴を、可能な限り取り入れています。
これまでの卒業論文・研究論文のテーマ例
- 鉄道企業家行動に関する史的考察 ―東京地下鉄道創業者・早川徳次を中心に―
- 自動車産業企業の経営に関する史的研究 ―富士重工業を中心に―
- 西武グループの発展,衰退,今後の展望
- サントリーの広告戦略史
- 小平浪平と日立製作所に関する史的考察
- ソニー・スピリットはいつ,いかにして失われたのか
1年間の主なイベントスケジュール
学生と相談の上、年間の活動計画を立てています。
OB・OGの就職業界TOP3
- 金融業(銀行・信用金庫・証券など)
- 製造業(食品・衣料品・自動車・薬品などのメーカー)
- 流通業(商社・百貨店・量販店など)
学生へのメッセージ
私は学生時代、比較的人数の少ないゼミに所属していたので、当時の先生から細かな指導を受け、とても興味深いお話を伺って、「濃い」ゼミ活動を経験しました。そのため学問への興味が強くなり、それが現在の仕事につながっています。ゼミは教員から直接的かつ積極的に、知識を吸収できる場だと思います。
研究成果
私の専門は、イギリス経営史です。特に、19世紀末にロンドンで展開された実業教育振興活動について調べてきました。そこで活動の中心となったのは、ロンドンに小さなお店を持つ職人や商店主が組織する民間団体や、中央政府ではなく地方自治体でした。
現場の状態を知る人が現場の必要に応じて、自分たちのための学校を設立したり、政府に働きかけたりするのが、イギリスの特徴でした。ロンドンでは19世紀から20世紀をまたぐ時代に、最先端だった化学・電気などに関する高度な知識と、伝統工芸品の意匠などに関する当時最新の情報の両面が必要とされていました。当時のハイテク産業から伝統産業に至るさまざまな分野の商工業者が、最新の知識と情報を必要としていたのです。さらにその普及のために、実業教育機関が求められていました。中小商工業者が一丸となって、一つの目標を達成しようとする様子に、とても興味を持っています。
軽井沢夏合宿での一コマです
ゼミ教室でM(松本の頭文字)ポーズ