Q. ゼミではどんなことを研究していますか?
現実に起こった経済現象には必ず(主たる)原因があります。しかしそれらを明らかにしようにも、現実の経済現象はあまりにも複雑怪奇でそのままの形で探ろうとしても無理なことが多いものです。そこで、対象となる経済現象の重要な要因であると思われることだけを抽出して、できるだけ簡単な要素のみを残し、数学的に分析すると、知りたかった原因が簡単に見えることがあります。ここでどうして数学を使うのかというと、できるだけ論理的・客観的に明らかにしたいからです。ゼミで使う数学は易しいので心配は無用です。
Q. ゼミの様子は?
2年生ゼミでは、教員が基本的な数学について講義することも多いです。また、グループワークも並行して行い、その報告もします。3年生では徐々にグループワークの報告の機会が多くなり、グループワーク自体も関心に応じて細分化されていき、後期にもなれば、各自の卒業論文のテーマがだいたい(自動的に)確定します。卒業論文のテーマについて報告し合い、全員で議論もします。また時間が余れば、2年生のときと同様に、数学を用いた経済学について教員が講義を行います。
Q. ゼミの特徴は?
特に優秀かつ向上心のある学生には、大学院への進学も視野に入れた指導をします(現在までに一橋大学大学院や大阪大学大学院などの合格実績があります)。
これまでの卒業論文・研究論文のテーマ例
- 経斉成長論
- 貯蓄税導入のシミュレーション
- 競争と規制の意義
- 地方銀行の役割
- アベノミクスのメリット・デメリット
1年間の主なイベントスケジュール
決まった行事は夏休み中の合宿(8月または9月)です。その他の重要な行事は相談して適宜決めています。
OB・OGの就職業界TOP3
- 金融業(銀行・信用金庫・証券など)
- 公務(省庁・地方自治体・警察・消防など)
- その他
取得者の多い資格
- 簿記検定3級・2級・1級(日本商工会議所主催)
学生へのメッセージ
真面目で向上心のある学生、数学が苦手でも使えるようになりたい、という強い意志を持っている学生と一緒に学びたいと思っています。
研究成果
少なくとも応用ミクロ経済学(経済学の一分野である、ミクロ経済学の方法を用いて現実の経済現象を分析する学問)で分析可能な経済現象のすべてが研究対象です。現在は、需要者と供給者が集う市場の有用性などを「ゲーム理論」という応用数学の一分野を用いて考察しています。
経済学は文系に分類されるにもかかわらず、数学を用いることによって、他の社会科学と比較しても負けない論理性・客観性を備えています。具体的な関心としては、近視眼的には、「企業の内部構造や性質に注目した企業間の競争」を考察することであり、遠視眼的には、「人間の進化と経済体制の変遷」について興味を持っています。
卒業論文指導の一コマ
グループワークの報告と議論