Seminar
ゼミナール
SDGs思考で世界の社会課題を解決する
西山ゼミ
テーマ
グローバル貧困削減の経済学~SDGs思考で「真の問題解決」に挑戦する~
分類
専門研究
担当教員
西山 朗 Akira NISHIYAMA
ゼミの内容
経済の仕組み
社会の仕組み
グローバルな課題
福祉・労働
人の思考・感情・行動
ゼミの特徴
グループワーク型
じっくり研究型
フィールドワーク重視
Q. ゼミではどんなことを研究していますか?

「グローバル貧困削減の経済学~SDGs思考で「真の問題解決」に挑戦する~」をテーマに掲げ、仲間と共に、学び議論し研究しています。世界の様々な貧困問題について学びながら、それらの根本原因を突き止め、見せかけではない本当の問題解決策を探求しています。
 グローバルな(地球規模の)視点で世界を見渡してみると、いまだに約7億1千万人が極度の貧困に苦しんでいます。小学校や中学校に通うことができない子供たち、ささいな病気で命を落とす乳幼児たち、劣悪な環境での低賃金労働を余儀なくされる人々、きれいな水や十分な食事を摂取できない人々、差別や暴力に苦しむ人々が大勢います。そして、これら1つ1つの問題は、貧困と深く関連しています。西山ゼミでは、このような世界の貧困の現実を学び、貧困の根本原因とそのメカニズムを正しく理解し分析しています。そして、「どうすれば世界の貧困を削減できるのか」、「どうすれば貧困に関連する様々な問題を解決できるのか」、「どうすれば貧困に苦しむ人々を救うことができるのか」を研究しています。
 SDGs(持続可能な開発目標)の1つ目の、そしておそらく一番重要な開発目標が、「貧困をなくそう」です。SDGsとは、「国連が提唱している」開発目標です。つまり、SDGsの魂は、国連がそうであるように、「世界を見据え世界と連携するグローバル思考」にあります。このSDGsの魂を胸に刻み、SDGsの一番重要な開発目標と他の開発目標について、控えめに言って、日本で一番真剣に学び向き合っているゼミが、私たちのゼミです。
 西山ゼミでは、思い込みや感情論に基づいた「表層的な見せかけの解決策」に囚(とら)われることなく、問題の本質を正しく理解してゆきます。そして、まだ誰も知らない「真の問題解決策」を私たちが生み出し、私たちが世界を「より望ましい世界」へと導いてゆきます。

Q. ゼミの様子は?

 「良い意味での緊張感」を大切にしながら、女性も男性も伸び伸びと学んでいます。西山ゼミでは、N-PRIという、おそらく世界初で世界唯一の新しい挑戦を続けています(以下で、詳しく説明します)。
 N-PRIに加え、特に2年生ゼミでは、グローバル貧困削減に関する基礎文献を輪読して、グローバル貧困削減に関する基礎知識と基礎的な考え方を習得することを重視しています。ゼミ生がパワーポイントを用いて基礎文献の担当章の内容を発表して全員でディスカッションすることを通じて、ゼミ生のプレゼンテーション・スキルとディスカッション・スキルが大幅にレベルアップしてゆきます。3年生ゼミでは、N-PRIに集中し、貧困問題の根本原因を突き止め、真の問題解決策を生み出し、海外フィールドワークを成功させ、真の問題解決に向けたアクションを実践してゆきます。4年生ゼミでは、就職活動とのバランスをうまくとりながら、大学生活の集大成として卒業論文を書き上げます。
 西山ゼミが、NE Journalという日本大学経済学部の公式な広報誌において、写真付きで紹介されました。ぜひ、目を通してみてください!!

Q. ゼミの特徴は?

 2022年4月、西山ゼミは、おそらく世界初で世界唯一の、全く新しい学修システム N-PRI (「エヌ・プリ」と発音) を導入し本格始動しました。世界の諸問題を「真の問題解決」へ導く、私たちの新しい挑戦です。
 N-PRIとは、Nishiyama seminar Poverty Reduction Initiativeの略称です。あえて日本語訳するならば、「西山ゼミ貧困削減イニシアティブ」になります。発展途上国が直面する貧困に関連する様々な問題を解決するために、ゼミ生が自由な発想で解決したい課題と対象国を自ら設定し、仲間と共にN-PRIプロジェクトを立ち上げます。そして、授業時間内外を問わず、仲間と共にN-PRIプロジェクト単位で主体的に学びます。また、N-PRIプロジェクトごとに、テーマに関係する国際協力NGOなどの支援団体を訪問し、インタビューし聞き取り調査を行います。さらに、仲間と共に、発展途上国への海外フィールドワーク(現地調査・現地訪問)を成功させます。これらの主体的・実践的学びをもとに、「真の問題解決策」を生み出し、問題解決に向けた主体的アクションを実践します。そのうえで、これらの成果をもとに、SDGsの大学生向けコンテストに応募し、グランプリを獲得することを目指します。
 私たちは、「思い込みや感情論に基づいたその場限りの偽物の解決策」を拒絶し、世界が直面する諸問題を「真の問題解決」へと導くために、まだ誰も知らない「真の問題解決策」を生み出すための挑戦を続けます。そして、N-PRIを通じて、実践的な問題解決力を体得するだけでなく、ゼミ生の「グローバル思考」「主体性」「リスペクト」を飛躍的に成長させ、「自己肯定感と自己効力感に満ちあふれた次世代リーダー」を育成します。

これまでの卒業論文・研究論文のテーマ例

「カンボジアの小学校における就学率向上のための新制度の導入」
「フィリピンの子どもたちが将来に直面する労働問題を未然に防ぐ」
「ベトナム・ゲアン省の衛生改善に向けた現地農作物の活用」
「フィリピン・セブ島におけるゴミ問題を解決する」

1年間の主なイベントスケジュール

 N-PRIプロジェクトごとに、テーマに関係する国際協力NGOなどの支援団体を訪問し、インタビューし聞き取り調査を行います。そして、仲間と共に、発展途上国(主に東南アジア)への海外フィールドワーク(現地調査・現地訪問)を成功させ、唯一無二の成功体験を獲得します。これらの主体的・実践的学びをもとに、「真の問題解決策」を生み出し、仲間と共に問題解決に向けた主体的アクションを実践します。そのうえで、これらの成果をもとに、SDGsの大学生向けコンテストに応募し、グランプリを獲得することを目指します。
 また、1学期間に5回程度、2年生ゼミ生と3年生ゼミ生が合同で学ぶ「サブゼミ」(授業時間外におけるゼミの学びの場)を開催し、お互いにポジティブな刺激を与え合います。

 本学部の西山ゼミの卒業生も、前任校での西山ゼミの卒業生も、さまざまな幅広い分野で活躍しています。西山ゼミでのトレーニングを乗り越えることで修得できる「グローバル思考」「主体性」「リスペクト」は、どのような企業・職場であっても、大変高く評価される能力です。小手先の就職活動テクニックを身につけることに時間を費やすよりも、常に新しい挑戦に向き合い、自分自身の人間性と能力を高めることに集中してゆきましょう。そうすれば、おのずと就職活動の望ましい結果へとつながるでしょう。
 西山ゼミのN-PRIを通じて、仲間と共に、海外フィールドワーク(現地調査・現地訪問)を成功させましょう。さらに、仲間と力を合わせて「真の問題解決策」を生み出し、真の問題解決に向けたアクションを実践してゆきましょう。そして、SDGsに関する大学生向けコンテストに応募し、仲間と共にグランプリを獲得しましょう。これらの成功体験が必ずあなたの大きな自信になり、あなたの自己肯定感と自己効力感を大きく引き上げるでしょう。西山ゼミのN-PRIを通じて、「『グローバル思考』『主体性』『リスペクト』『自己肯定感』『自己効力感』を学生時代に身につけた者が、『次世代リーダー』として社会で活躍してゆく」ことを私は確信しています。

学生へのメッセージ

 「世界の未来を変える」。「あなたの未来を変える」。それが西山ゼミです。
 身の回りの小さな生活圏や小さなコミュニティだけに目を向けるのではなく、まだ見たことのない広くて大きな世界に目を向けてみませんか? 小さく狭い鳥かごから、勇気をもって飛び立ってみませんか? グローバルな目線で世界全体について学び、「グローバル思考」と「SDGs思考」を身に付け、あなたの世界観を大きく押し広げてみませんか?
 「できるわけないよね」と誰かの努力を馬鹿にしてあざけ笑う側の人間になるのではなく、どれだけ難しくても、世界が直面する様々な問題に対して「真の問題解決策を生み出す」ことに全身全霊を傾ける側の人間でありたいと思いませんか?
 「努力しないための言い訳」を並べ立てるだけの「受け身の指示待ち人間」を卒業して、「自ら考え、自ら行動し、自ら提案して意思決定に携わる主体的な『次世代リーダー』」へ成長してゆきたいと思いませんか?
 馴れ合いの集団の中で「できるとわかっていること」だけを繰り返すような「コンフォートゾーン(=快適だけど成長をもたらさない領域)での毎日」に、そろそろ終止符を打ちませんか? 勇気を持ってコンフォートゾーンから抜け出し、勇気を持って「SDGs思考」で「世界を『より望ましい世界』へ変えてゆく」新しい挑戦に踏み出してみませんか?
 私(西山)は、「世界の未来を変える」ことと「あなたの未来を変える」ことに、ゼミ生と一緒に挑戦し続けたいと考えています。そして、私自身も、西山ゼミを通じて、ゼミ生と共に、もっともっともっともっと大きく成長してゆきたいと考えています。
 西山ゼミは、女性も男性も伸び伸びと学び成長してゆけるゼミです。各学年およそ12名の少数精鋭のゼミです。少数精鋭であるがゆえに、チームとしてまとまりやすく、長期的な信頼関係を築きやすいです。
 西山ゼミで学ぶ内容をイメージしていただくために、以下の書籍をお勧めしておきます。高校1年生でも読める、わかりやすく説明された入門書です。
 林典子『フォト・ドキュメンタリー 人間の尊厳~いま、この世界の片隅で~』、岩波書店、約1,100円。

研究成果

 主たる研究成果は、3つあります。1つ目は「経済成長の決定要因」の解明です。経済成長なしに貧しい国の貧困削減を達成することは、極めて非現実的です。貧困に苦しむ人々の痛みや苦しみから目をそらし「見なかったこと」にするのではなく、彼ら・彼女らの痛みにわずかでも想いを馳せるならば、「経済成長を実現するためには何が必要であるのか」が解き明かされなければなりません。
 2つ目は、「世界の貧困と経済成長の関係」の解明です。貧困と経済成長の関係を解き明かすことは、グローバル貧困削減に向けた効果的な政策を立案する上で不可欠です。関係性やメカニズムを正しく理解するからこそ、正しい効果的な解決策を生み出すことができます。
 3つ目は、発展途上国(特に東南アジア諸国)の健康改善と栄養改善のための方策に関する研究です。ここ数年間は、この3つ目の研究課題に主に取り組んでいます。

カンボジアでの海外フィールドワーク①首都プノンペンの小学校訪問
カンボジアでの海外フィールドワーク①首都プノンペンの小学校訪問
カンボジアでの海外フィールドワーク②農村地帯の小学校訪問
カンボジアでの海外フィールドワーク②農村地帯の小学校訪問
カンボジアでの海外フィールドワーク③アンコールワット遺跡を散策
カンボジアでの海外フィールドワーク③アンコールワット遺跡を散策
フィリピンでの海外フィールドワーク①首都マニラの孤児院訪問
フィリピンでの海外フィールドワーク①首都マニラの孤児院訪問
フィリピンでの海外フィールドワーク②セブ島の学童施設 訪問(写真提供元:NPO法人ゴーシェア)
フィリピンでの海外フィールドワーク②セブ島の学童施設 訪問(写真提供元:NPO法人ゴーシェア)
フィリピンでの海外フィールドワーク③セブ島で子どもたちと交流(写真提供元:NPO法人ゴーシェア)
交流会2023~日本航空(JAL)本社勤務の西山ゼミ卒業生との交流~
交流会2023~日本航空(JAL)本社勤務の西山ゼミ卒業生との交流~
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