Q. ゼミではどんなことを研究していますか?
私たちは日々食事を取りますが、当ゼミでは、その食料が手元に届くまでにどのような問題があるのかを調査します。「フードシステム」とは、食料の生産から消費までの流れを体系的に捉えたものです。食料が消費者に提供されるまで、つまり、生産や流通などの過程における全ての経済主体の働きを総合的なシステムとして考えます。食料、食料の流通、そして食料の生産を担う農業、農村に関わる問題について、実態を踏まえた上で経済学的な視点から考えていきます。
Q. ゼミの様子は?
90分間のうち、最初の30分間は新聞発表を、後半はテキスト発表をしています。新聞発表は、ゼミのテーマと関連する新聞記事について調べ、発表するものです。テキスト発表では、フードシステムに関する基礎的なテキストについて、各章2人ずつ担当を決め、担当者が解説しつつ、みんなで課題を考えます。新聞発表で時事的な課題に取り組み、テキスト発表では基礎を学びます。
Q. ゼミの特徴は?
通常のゼミでは、主に個人発表を行いますが、合宿時などではグループワークをします。合宿での発表においては、現場見学やヒアリングを必須としています。合宿の時間内でも、ゼミのテーマに関連した施設などを訪問・見学するなどしています。
また、3年次には必ず、学内もしくはインナー(他大学と共同)のゼミ大会、もしくは研究論文などの形で研究発表をしています。
これまでの卒業論文・研究論文のテーマ例
- 農家民宿による農村再生
- 沖縄県のさとうきび生産及び糖価調整法について
- 社会環境の変化と中食の発展
- 農薬の効用と必要性
- 食品廃棄物とリサイクル
1年間の主なイベントスケジュール
08月 夏合宿(班ごとの研究発表)
10月 研究発表(学内もしくは学外での大会)
12月 忘年会兼新入生歓迎会
03月 春合宿(新年度に向けた準備)・卒業生送別会
OB・OGの就職業界TOP3
- 金融業(銀行・信用金庫・証券など)
- 流通業(商社・百貨店・量販店など)
- 公務(省庁・地方自治体・警察・消防など)
学生へのメッセージ
ゼミは、大学生活において大きな比重を占めることになるでしょう。経済学が苦手と思っている人も、食という身近な事例を通して、その周辺にあるさまざまな課題に気づくことができるかもしれません。また、多様な視点から課題と向き合うことができるかもしれません。必要なのは意欲です。
また、ゼミを通じて多くの人とのつながりが生まれることでしょう。みんなと協力して課題に取り組む難しさと楽しさを知ってほしいと思っています。
研究成果
戦後日本の農産物貿易政策の展開について、GATT-WTOという国際的な枠組みに視点を置き、実証を進めています。特に、戦後日本における小麦の対外依存的な需給構造の要因について再検証するものです。日米を中心とした従来の農産物貿易交渉の研究成果を基に、GATT交渉を重視した新たな視点から論じています。
これまでの研究論文では、定説となっているMSA小麦(余剰農産物)受入を再検証し、そこから新たに、高度経済成長を背景とした食生活の変化、兼業化の進展、日米貿易問題などの、これまであまり論じられてこなかった要因を指摘しています。MSA小麦受入という側面よりもむしろ、国内政策(国際小麦協定加入と麦類統制廃止)に起因することを明らかにしてきました。さらに、国際小麦協定の成立と変遷、並びに協定が日本の小麦の需給や政策に与えた影響を検証し、協定の価格と貿易量に対する安定機能、日本における財政負担を伴わない供給構造についての実証なども行っています。
夏のゼミ合宿。軽井沢研修所にて
OB・OG会。楽しいひととき