Q. ゼミではどんなことを研究していますか?
税制の根幹は「公平」です。しかし、どのような状態を「公平」というのか、人によって考え方も異なるでしょうし、時代が変わり、社会が変わっていくと、その人の考え方自体も変わってくるかもしれません。「税」の分野は、財政学的、会計学的、会社法的等々、いろんなアプローチがありますが、ここでは、現実の制度を前提として、現実社会において生じている事件や出来事の分析を通じ、課税上の「公平」とは何か、その「公平」は確保されているのか、そうでないとすれば何が問題で解決策は何か、そういったことをゼミ生全員で考えていってもらいたいと思っています。また、「税」はありとあらゆるところに関係してきます。「税」を切り口として、社会での出来事に広く関心を持ち、自分なりに考えてみる、そういう癖をつけるきっかけになることも副次的に期待しています。
Q. ゼミの特徴は?
まずは基本的となる知識の習得、次にそこで得られた知識を使った事例研究と段階的に進めていきたいと思いますが、いずれにしてもゼミの中心はゼミ生同士での議論、意見交換です。毎回必ず何か発言する、人の意見は決して笑わない(ある本の受け売りですが)、この二つを当ゼミ開講にあたっての最小限のルールとしたいと思います。(ただ、ゼミの特徴はこれから参加者によって形作られていくものだと思いますので、私自身、どのようになるのか楽しみにしています。)
これまでの卒業論文・研究論文のテーマ例
新設(予定)のゼミなので、まだ実績がありません。
1年間の主なイベントスケジュール
新設(予定)のゼミなので、ゼミ合宿等の行事については、これからゼミ生と相談しながら決めていきたいと思います。
Q. 学生へのメッセージをお願いします。
租税法も含め、法律は機械的に結論を導いてくれるとは限りません。事実を認定し、法律を解釈した上であてはめを行い、結論を導く。その一連の作業は、多かれ少なかれ、その人なりの価値観などが反映される、結構人間臭いものだと思います。まずは、自由闊達な議論を行って自分と異なる様々な意見に触れ、それを正しく理解し、その上で、改めて自分なりの考えを深めていく。そういう場を提供するゼミを目指します。
Q. 先生ご自身の主な研究成果について、簡略に教えてください。
これまで公務員として、税務行政の執行に携わってきました。その中でも、訴訟や不服審査など、個別具体的な事件の中で、双方の主張を整理して、実務先例や裁判例、学説などを調査の上、意見を報告したり、時には自ら結論を出したり、そんな仕事が多かったような気がします。これまで自分が判断を行うに際し、何かそれを支える価値観なりものさしのようなものがあったのだろうか、あったとすればそれはどういうものだったのか、それをこれから見つけていきたいと思っています。