Q. ゼミではどんなことを研究していますか?
「医療や金融などのサービス業を中心とする日本経済の生産性・効率性の現状は満足できるものとなっているでしょうか、そうした生産性・効率性を改善するためにはどのようなことをすれば良いのでしょうか。このゼミでは、こうした課題を通して,公共政策を企画・立案し評価するための技能を習得することを目指します。
このような公共政策の企画・立案や評価を実証的に推進するために、基礎となる経済理論と統計手法の習得、及び、それらを現実に適用する技能を涵養することを目指します。2年生は、英語の統計学のテキストを使って政策効果の分析の基本的な考え方と分析手法を身に付けます。3年生は、公共政策についての経済分析のアプローチの仕方を習得しますが、やはり英語テキストを主体として勉強する予定です。4年生は、後輩の指導と卒業論文の作成に取り組んでもらいます。
Q. ゼミの様子は?
各ゼミ生が自分が担当する部分のレジュメを用意してプレゼンテーションを行い、それについて全員で議論するという形で進めたいと考えます。必要に応じて、グループによる調査・発表や学年をまたいだ調査・発表を行います。
学生へのメッセージ
適切な政策・制度を企画し実現していくためには,きちんとした理論的分析と統計的手法を,複雑な現実に柔軟に適用していくことが必要です。現象の表面的な理解にとどまらず、その背後にある構造を把握し、論理的に思考すること、データや統計分析が持つ意味を考え、実際の人々の行動に対する洞察力を磨くことを心掛けていただきたいと思います。
一見詰まらない基礎的な訓練を粘り強く続けることが、迂遠なようで最も効果的な方法です。強い問題意識を持って持続的に努力できるようになっていただきたいと思います。
研究成果
私は、これまで、中央官庁の調査・研究部門や大学、研究機関などにおいて、詳細なマイクロ・データと厳格な統計的手法を現実の政策課題に適用する経験を積んできました。主たる研究分野としては、医療や教育の質の計測や効率性の分析、サービス業の生産性の決定要因の分析、特にマネジメントの実態調査の実施と分析、金融政策の効果や政策のあり方などがあります。