Q. ゼミではどんなことを研究していますか?
中学校・高等学校では、歴史の勉強は暗記科目であったかもしれません。しかし、本来、歴史を学ぶということは、「覚える」ことよりも、「考える」ことの方が重要なことです。「あの時代に生きた人々はどのような暮らしをしていたのか」「あの人物はどうしてあのような決断をしたのか」「なぜあの事件が起こったのか」など、過去の事象や出来事に対して、疑問をもち、考えることが、歴史を学ぶ上での、醍醐味です。そこで、本ゼミナールでは、歴史の用語を「覚える」学習ではなく、学びたいと思う歴史を「考える」ことに力点をおきます。これにより、興味をもつ国・地域の歴史について、受講生が自ら調べ、自ら考え、自ら解釈する能力を養っていきます。
Q. ゼミの様子は?
私がゼミで教えることは、歴史の内容ではなく、報告資料の作り方、情報収集の方法、論文執筆に対するアドバイスなどといった技術的なことです。ですから、ゼミでは、学生自身が自分の好きな歴史について深く調べ、その成果をもとに学生同士で議論しあっています。
Q. ゼミの特徴は?
自主性や主体性を重視するゼミです。2年次には、「自分が何を学びたいか」を考えることに時間をかけ、自分自身の研究テーマを見つけてもらいます。3年次には、研究テーマに関連する資料・文献を、自分の頭と足で集めて、読み漁ってもらい、4年次には、自分の考えをまとめながら、卒業論文を執筆してもらいます。また、私自身が教職関連の科目を担当していることもあり、地理歴史科・社会科の教員を目指す学生を歓迎しています。
これまでの卒業論文・研究論文のテーマ例
- カエサル暗殺から鑑みる帝政構築の礎
- フランス革命中の民衆反乱について
- 北アフリカにおけるロンメルの戦跡
- 近現代オーストリアの歴史と責任
- アメリカと人種の歴史
- テューダー朝の内政と外交
- オスマン帝国はなぜトルコ共和国になったのか
- アメリカにおける優生学の形成と発展
- 中世ヨーロッパにおけるペスト
- 旧共産圏の自動車の歴史:ソ連とチェコスロバキアを中心に
- カノッサの屈辱は本当に屈辱であったのか
東京近辺の博物館や史跡の見学、歴史に関連する映画鑑賞会などを考えています。
また、受講生との相談のうえで、懇親会や合宿なども考えています。
OB・OGの就職業界TOP3
情報通信業(マスコミ、通信、ソフトウェア)
金融業(信用金庫、保険代理店)
公務(官公庁、独立行政法人)
他にも、建築・不動産、商社関連の企業に就職しているOB・OGがいます。
取得者の多い資格
多くはありませんが、ゼミには、教職を希望する学生もいます。
学生へのメッセージ
歴史好きで、歴史を学びたいという学生を大歓迎しています。私自身はルーマニアの近現代を専門としていますが、他の欧米の歴史についても関心があります。ぜひともに学びましょう。ただし、本ゼミナールの性質上、学生の自主性・主体性が問われますので、入室を希望する場合は、この点を注意してください。
研究成果
19世紀末から20世紀初頭のルーマニアの政治を研究しています。議会や政党はもちろんですが、当時のルーマニアの政治を深く理解するために、農民反乱時における農民の心性、小学校教師の組合運動、記念祭・博覧会とナショナリズムとの相関関係なども研究しています。また、近年は、当時の憲法改正をめぐる議論も研究しています。
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