山森ゼミ

Q. ゼミではどんなことを研究していますか?

教育心理学は、人の育ちと学びの一般的傾向と個人差を解明するとともに、よりよい教育のありかたを探究する科学です。しかし厳密な実験が難しかったり、対象を限定せざるを得なかったりといった制約があるために、因果推論と一般化の両面で知見の確からしさが十分ではないという課題があります。このゼミナールでは、学生一人ひとりが自身の興味や関心に支えられた研究に取り組みながら、教育心理学全体の研究知見群の確からしさを高めることに寄与することを目指したいと思います。2025年度開講予定のゼミですが、以下のようなテーマの研究に取り組んでほしいと思っています。

インパクトの大きい先行研究の追試実験

類似の研究知見を収集,統合し指導方法や教育環境の平均的な効果とその効果を左右する要因を明らかにする分析

公開されている大規模データの二次分析

個人差と教育方法・環境の組み合わせによって効果が異なる現象(適性処遇交互作用)の実証

教育心理学史

Q. ゼミの様子は?

2年次は、経済学及びその関連領域と教育心理学との間を行き来しながら人の育ちと学びを考えることができるようになるための文献研究から始めます。最終的には、小さくても教育心理学全体の研究知見群の確からしさを高めることに寄与できるような実証研究を仕上げることが目標です。理論と方法をしっかりと学び、その成果を分かち合える学生とともに、アカデミックに楽しい場をおたがいにつくっていきたいと思っています。

Q. ゼミの特徴は?

教育心理学そのものが専攻ではない経済学部の学生ならではの得意なことと発想を大事にしながら、学生、担当教員の双方にとって学びのあるゼミナールにしたいと考えています。

これまでの卒業論文・研究論文のテーマ例

2025年度開講のゼミですから現在のところありません。

1年間の主なイベントスケジュール

2025年度開講のゼミですから現在のところ決まった行事はありません。集まった学生の希望を踏まえながら懇親会、合宿などの開催を決めていきます。教育心理学のゼミですから学校見学などの機会も希望に応じて設けたいと考えています。

学生へのメッセージ

教職を目指す学生の中でも、効果的な教育方法や技術を深く研究し身につけたい学生には特に向いているゼミナールだと思います。教職を目指していなくても、教育に関する人を対象とした実証的な研究に取り組みたい学生を歓迎します。このゼミナールでは、主体的に学問をする「一人の研究者」として学生を迎え入れます。研究者集団として学生が互いに新たな知識を創り出しながら充実した学生生活を送ることができるゼミナールをつくっていきましょう。

研究成果

小中学校の1クラスの人数(クラスサイズ)が児童生徒の学力などに与える影響の研究をしてきました。約5,000人分の小1の終わりから中2の終わりまで8年間の学力推移と各学年で受けてきた授業の様子のデータをとって、クラスサイズと小中学校をまたいだ長期間の学力推移の関係を分析し、クラスサイズが小さい方が長期的にみて好影響であることを示してきました。大規模なデータを扱う研究を行う一方で、発汗や体温などの生理指標や身体の揺れの大きさを用いて教師にかかる認知負荷や児童生徒の課題従事(学習への取り組み)をとらえる技術を開発し、クラスサイズをはじめとした教育環境が教師や児童生徒に与える影響を心理学的にミクロにとらえる試みにも着手しています。具体的な研究や活動は以下を参考にしてください。

担当教員自身が小学校で授業をすることもあります。
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